AI×ヒトによる「ブラック・ジャック」完全新作読み切りを掲載!「週刊少年チャンピオン」発売 (msn.com)

 

ということで、遅まきながらきのう買ってきて読んでみた(地元の書店に一冊だけ残ってた)。

週刊少年漫画誌なんて買うのは何十年ぶりだろうか。

本自体ほとんど買って読まないから、かなり以前にもらった図書カードの眠っていた残額で買えた(それがなければ緊縮財政の今は買うこともなかったかも)。

そしてこの手の漫画誌が、いまだに薄ピンクや薄緑色の粗末な紙を織り交ぜて使っていることを知った(一冊の中であの紙色の違いはなんなんだろう?)

カラーグラビアページ以外のその紙の所に写真が載ると、今の時代にあり得ないほどに画質が悪い。変わらんなぁ昔とw

 

さて読んでみて、アニメのブラック・ジャックなどよりも、はるかに手塚漫画になっているという印象(OVA作品で手塚の画でもなんでもない絵のひどく改変されたストーリーのやつとか見せられてたから…)。良い👍

その上で、思う所や引っかかる所は

 

(※以下ネタバレあり)

★ライバルの安楽死医者・キリコや、BJの想いの中で恩師・本間先生を登場させたり、集大成的な趣も強い作品だが

「人間が生きものの生き死にを自由にしようなんて、おこがましいとは思わんかね」との言葉を最後に亡くなった本間が

自分を医学界から追いやった因縁の病であり手術を禁じた「本間血腫」(人工心臓特有の疾患) の再来のような症例に対して、BJを励まして治療を促すようなことをするだろうか、という疑問はある(BJの想いの中でのこととは言え)。

この話は、ある意味「人間が生きものの生き死にを自由にしようとする」話だから…… いろんな意味で。

 

★心臓の衰弱で倒れたキリコをBJが人工心臓を用いて手術・蘇生させたとなると

それは単発エピソード中のことでは済まない『ブラック・ジャック』という作品全体のストーリーに影響する重大な“事件”となるが

あくまでも番外の展開と捉えるべきだろうか。画の出来に「手塚漫画」として十分な説得力があるだけに、その点にちょっと戸惑いが生じる(出来が悪ければ問題なく番外へ押しやるのだが。作画はスタッフが担当したというが手塚一族公認のそっくり漫画家・田中圭一や つのがい氏も関わっているんだろうか?)

 

★手術中のピノコの何気ない一言をヒントに難局打開の活路を見出すというのは

『法医学教室の事件ファイル』や『科捜研の女』といったテレビドラマ等で、散々使い古されてきた手法だ……。

そこのプロットが安直過ぎる感は否めない。

 

★BJの表情には終始精気が足りない。これは原作漫画とかなり違和感のある点。

とりわけ、キリコと相対する時や本間のこととなるといつになく熱く感情的になるのが原作のBJその人なので

ここで描かれるBJのいつにない精彩のなさが、ストーリー上の十分な活躍にもかかわらず際立ってしまう。画自体はよく出来ているけれど。

 

★台に寝かされている飼い猫が、死んだ猫そのものなのか、代わりのぬいぐるみなのか、はっきりしない。

画はどう見てもぬいぐるみに見えるが、術後に目を覚ましたマリアの「治してあげて」というセリフと川村の「もちろんだとも」との受け答えからすると「ン?」と思わされる。本筋に関係のない所で余計な疑問符が付いてしまう。

(死んでしまっているものでも最先端技術を駆使すれば無理に「生き返らせる」ことも出来かねない。「人間が生きものの生き死にを自由にしようとする」ことになるけれど)

 

そして、この話の中心となる登場人物「川村 天」(「かわむら たかし」と読み仮名がふられている)

ど、どうしてわざわざその名前にした???

             ↑河村たかし(無関係)

              「わたし かむから

 

それこそ まっっったく余計な一致になってまうがね。。。

あと、川村が意を決してBJに提示した十億円という金額

今この時期(年末ジャンボ宝くじ売り出し時期)にそれは、、あんまりなぁという感じが。。5億だって20億だってよかったのに……。

余計な連想や失笑を誘うような要素は排するべき😞

その辺の処理は、AIではなくヒトの感覚でやることだ。

ちなみに、余計と言えば余計な所で出てくるおなじみヒョウタンツギ

1箇所1コマ登場してます(これはもちろんOK OK)。

 

TEZUKAプロジェクトの今後に期待します (Bθ}=3

 

※「BJ」は個人名「ブラック・ジャック」の略