予告を見て「見たい!」と思っていた映画「マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ”」。

早速18日に行ってみた。

会場はオシャレな若者や大人でいっぱい。

いつもの映画館とは雰囲気が違って、それも楽しい♪

 

マルタン・マルジェラは1957年ベルギー生まれのファッションデザイナー。

1977年にアントワープ王立芸術学院に入学するとメキメキと才能に磨きがかかり、同期のドリス・ヴァン・ノッテンらと共に“アントワープの6人”と称されて注目を浴びた。

ドレスメーカーだった祖母の影響も強く、若干7歳でバービー人形の衣装を作ってた。

その完成度の高さには驚くばかり拍手

また日本を代表するファッションデザイナー川久保玲(コム・デ・ギャルソン)の影響も強く受けたそう。

彼の代表作として有名な“タビシューズ”は、東京に来た時にとび職の人が履いていた地下足袋から発想されたのだとか。

 

ジャン・ポール・ゴルチェの元で働いた後、1988年に自身のブランド“マルタン・マルジェラ”を立ち上げる。

1997年から2003年まではエルメスのデザイナーを担当するも、自身のブランドがどんどん大きくなるにつれて経費が膨大に膨れ上がってしまい、ディーゼルの傘下にアセアセ

ブランド創立20周年の2008年、コレクションを行うとともに引退。

 

マルジェラ自身、デビュー当時はメディアにも出ていたけれど、次第に露出を拒否し始めて、業界でも生身の彼と接触できる人は少人数でミステリアスな存在だったそう。

だからこそ、今回のこのドキュメンタリーはかなり貴重な作品キラキラ

 

見ていて思ったのは「好きなことを仕事にするのは、果たして幸せなんだろうか」ってこと。

 

デビュー当時は才能爆発。

氷のアクセサリーを考案し、溶けていくにしたがって洋服にもたらすシミをデザインとしたり、スーパーのビニール袋をトップスにアレンジしたりと「よくもまぁこんな発想が出てくるなぁ」と舌を巻くばかり。

“異端児”ってコトバがぴったりだった。

 

でも、仕事って、したいことをするだけではないわけであせる

特に会社を立ち上げてしまったなら、売れるものを作って利益を得なければならなくなる。

その“ねばならない”って、アーチストには大きなオモリになってくる。

アーチスト気質の強いマルジェラなので、きっと彼は相当苦しんだような気がするあせる

 

で、2008年にスパッと引退して、今は彫刻など、自分が作りたいものを作っているのだそう。

これ、原田治さんと似てるなぁと思った。

2人とも“作る”ことは大好きだけど“しなければならない”は苦手なんだろうなあせる

 

いずれにしても、とてもファッショナブルで刺激的で素敵な映画でしたドキドキ

 

マルジェラの服は高すぎて買えないし、着こなせないけれど、この映画を見るとますます憧れるドキドキ

今はもうマルジェラがデザインしていないのが残念だけれどあせる