テレビドラマ「俺の家の話」。
友達が「面白い!」というので見始めた。
能楽人間国宝の観山寿三郎(西田敏行)を父親に持つ寿一(長瀬智也)は能楽の修行に嫌気がさして17歳で家出する。
プロレスラーとして活躍する寿一だったけど、父親が危篤となりプロレスを引退して宗家を継ぐ決心をする。
危篤状態からなんとかよみがえったものの寿命は半年。
あれやこれやと家族間のもめごとが勃発する一方で寿三郎の認知症が進み、状態は悪くなっていく…。
そんなお話。
あらすじだけだと重い話に思えるのだけれど、さすがの宮藤官九郎さん。
いろんなところにユーモアがちりばめられているので、全然重い感じはしなくて、思わす吹き出してしまうシーンも少なくない
けど、先々週の(第7回)で、家での介護に限界を感じて、寿三郎さんを介護施設に入所させるシーンが切なくて、悲しくて、辛くて、思わず泣いた
ちょうど、私も1年前、まさしくそんな状態だったから
父が余命3か月と言われ、妹たちが帰国するまでなんとか母と二人で頑張ろうとしたけれど、精神的にも肉体的にも限界がやってきて、とうとう介護施設の入所を決めた。
その時は、もうクタクタだったし、家族とはいえ、素人の中途半端な介護よりもプロに任せた方が父も快適だろうと思い込むようにして入所を決めた。
父親にはちゃんと説明していたのだけれど、脳腫瘍のせいで混乱していてわかっているのかわかっていないのかよくわからないような状態だった。
だから、もしかしたら、騙されたような気がしたかもしれない
入所した日、ホッとした半面、ものすごい罪悪感も抱えてしまった
本人の意思を尊重していないように思えたことが罪悪感の塊だ。
介護施設に入所させたことと“姥捨て山”とが重なって、とても申し訳なく思えた。
もちろん、介護施設の方々の介護はさすがプロだし、ちゃんと看てくださっていたのだけれど、私個人が覚えた勝手な感覚。
西田敏行さんの風貌と父の風貌がなんとなく似ていて、リアルに“あの日”を思い出してしまった…
何が正解なのかわからない。
もしかしたら正解なんてないのかもしれない。
でも、家族と向き合うことで様々な経験を伴って、自分の身勝手さや不甲斐なさなどの“弱さ”を知る。
悲しくて、情けないけれど、でも、それでも、それらを知ることは、きっと、とても大切なことなんだろうなと思ったりもする