僕が初めてそのこさんの本を知ったのは、2022年の秋
書店で平積みされていた“52ヘルツのクジラたち”
2021年の本屋大賞を獲った作品
帯の文言に惹かれたものの、初見は深く立ち入れなかった
でも、当時同居していた人との溝が決定的となり
半年ほど真綿で首を絞められるように僕の心は死んでゆき
2023年3月下旬の隣家の解体による騒音(10日間)で、
僕の体重は10㎏以上減って、高校の時より軽くなり
初めての精神科(閉鎖病棟)へ入院となった
病棟内に入り、後ろでオートロックがガチャリと音を立てた時
感情と連動することのない涙が流れた
その後部屋に荷物を置いて、恐る恐る眺めたDルームの本棚
そこに見覚えのある本があった
そう、数か月前に手にしたが開かなかった本
上の写真のまま、帯付きの単行本“52ヘルツのクジラたち”だった
まるで僕のために用意されていたかのように巡り合った
元々本を読むのは好きな僕だが、メンタルが壊れていたので
しばらく長い文章は読めていなかったし、入院したてで
まだ治療も進んでいないので一気に読むことは出来なかったが
10日位かけて泣きながら読破した
主人公のキナコには自分のバックグラウンドや生育期など
多くの物が重なったし、何よりロケーションが僕の地元というのも
物語に入りやすかった理由の一つかも知れない
人は一生のうちに何度か運命を感じる瞬間があるが
あの病院のDルームの本棚で出会ったそのこさんの本は必然だったと信じている
季節が変わり、退院日に3にゃんずと共に妹の家に最低限の荷物と共に移動
匿って貰った4か月間
退院後一ヶ月くらいはこれでもかというほど寝た
徐々に日中、散歩するようになり2023年の夏にある書店で
“52ヘルツのクジラたち”が文庫化されていて、その帯で映画化されることも知る
そんな訳でキナコとアンさんの切ない物語は、生きている限り心の中にあるのだが
著者の町田そのこさんは同じ福岡県出身ね、だからあの描写かぁと納得しながらも
まさか自分が町田さんに会える日が来るなんて微塵にも思っていなかった
地元の北九州を舞台にしたケンティー主演の「コンビニ兄弟」を観ても
それは“52ヘルツのクジラたち”とはテイストが違うので別物
NHKのインタビューで拝見しても、画面の向こうの人、という感覚は変わらず
・・・ところがっ!!
最近親しくしている友達が2024年の正月に火災で焼失した
小倉の昭和館という映画館が復活して、そのこさん来ますよと教えてくれた
昨日の昭和館
ほら!ゲストは僕に力をくれたそのこさん
父の日前日という事で、父と子の関係性の映画が二本
その後に映画をtheaterの壇上に用意された椅子にそのこさん登場
3杯目かのビールを飲みながら、館長の質問に答える形でトーク
町田そのこさん
45分ほどでトークは終わり、続きはロビーでBarそのこ開店?
とても気さくな方で、私にとっては夢のようなひと時
写真を希望すると、快く一緒に写ってくれました
右が緊張がほどけないきゃらみ
するとそのこさん自身がインカメ撮影提案して下さり
もっと近い心で撮って貰えたのがこの写真
こんなに嬉しそうな自分の顔を見たのはコロナ以降初めて
そのこさん、ありがとうございました
やがてお開きになりそのこさんや数人の方に挨拶をして
僕と友達は家路を辿った
バスの揺れが心地よかった
こんなに嬉しかったのは久しぶりだったなぁ、としみじみ思った
心が確実に少し軽くなった
来月はそのこさんは来れないみたいだけど
また8月に参加しよう
もう少し生きてみよう、という目的が出来た
ありがとう、そのこさん
ありがとう、昭和館さん
ありがとう、ヒロシくん





