福島第一原発の放射能漏れの影響で、

これから数年先「甲状腺」を患う子供たち(もち大人も)が

増えてくるかもしれず、知っておいて損はなし・・・ということで

最近購入した「元素の小事典」という本(高木仁三郎著)より

ヨウ素について書いてる部分の要約を紹介します。


ペイフォワード!地球と人類のために-高木仁三郎


(ここから・・・)

私たちは喉元に、甲状腺という器官をもっている。
甲状腺ではある種のホルモンなど
人間の体の発達に必要な化学物質がたえず生産されている。
この甲状腺の働きには、ヨウ素がどうしても必要だ。


人間の体内に含まれるヨウ素
20~30ミリグラムだが、その半分以上が甲状腺に集まってくる。
ところが、その集まってくる、ということが、

現代の人間にとって大きな脅威となってきた。


ウランプルトニウムの核分裂にともなって生成する放射性のヨウ素
なかでもヨウ素131という半減期8日の同位体が、その脅威の中心だ。
ヨウ素は気体になって空中に飛散しやすい。
核実験や原発事故の際にも、環境に漏れやすい放射能の筆頭


環境にでたヨウ素131は、空中をただよって直接人間に吸い込まれる場合もある。
あるいは地面に落下してきたヨウ素は、たとえば牧草にとり込まれる。
その牧草を食べた牛のミルクに、ヨウ素が濃縮されてくる。
1957年にイギリスの原子炉で事故が起こったとき、
ミルクがヨウ素で汚染されて、大量のミルクが回収されたのは有名な話だ。
最終的にはそのミルクを飲んだ人間の甲状腺に放射性のヨウ素が集まってきて、
甲状腺を放射線被曝することが脅威なのだ。
放射線の被曝を受けた甲状腺は、ガンを発生したり、
機能の低下を起こし、子供たちの発育を妨げる原因にもなる。


1986年4月26日に起こったチェルノブイリ原発事故では、
炉心に内蔵されていた約3エクサベクレルという
膨大な量のヨウ素の50~70%が放出された。
ヨウ素の取り込みを少しでも防ぐための薬、ヨウ化カリウムを求めて

ヨーロッパの各地で薬屋の前に母親と乳児たちの列ができた。


実際に事故後に、事故のあったウクライナのチェルノブイリを中心に、
ベラルーシやロシアに渡る広い範囲で、子供たちの甲状腺障害

ガンなど)や白血病が多発したという報告が相次いでいる。
事故10年後に、WHO (世界保健機関)も、
チェルノブイリの放射能ヨウ素によって、
小児甲状腺ガンの発生が数百件以上にも達したことを認めた。


ペイフォワード!地球と人類のために-元素の小事典