ひさびさの記事ですが、「めまい」についてっす。ニコニコ


代表的なめまいの症状

めまいは健康な人でも起こすもの。
しかし、何らかの病気を原因として起こるめまいも多く、
中には緊急の措置が必要な場合がある。
『新版めまい! 脳は大丈夫か?』(講談社刊)の著者で
神経内科医の寺本純さんに、危険なめまいの判別法、対処法、予防法を聞いた。


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めまいにはどんな種類があるか。
発症率の高い順に代表的なものを紹介してみましょう。


脳貧血

最も多いめまいです。

熱い風呂に入っていて急に立ち上がったときに起こるのがこれで、

動脈硬化低血圧だと脳への血流が減り、脳貧血を起こしやすくなります。


良性発作性頭位めまい

平衡機能をつかさどる三半規管には、耳石(じせき)という石がくっついていて、
体にかかる加速度や重力を感知し、脳に情報を送る働きをしています。
この耳石の一部は、はがれる場合があり、
そうなると情報が乱れてめまいを起こすのです。

激しいめまいを繰り返し、やがて自然治癒しますが、再発することも多いです。
高齢者に起こりやすく、耳鼻科で最も多い症状と言えます。


メニエール病

内耳にリンパ液がたまり、三半規管と蝸牛管(音を感じ取る器官)がむくんで、
めまいと、難聴または耳鳴りが起きます。

1日か2日でいったん和らぎますが、その後も発作を繰り返し、

そのたびに組織が少しずつ破壊されて、聴力などが低下していきます。


脳幹梗塞(こうそく)」

三半規管と耳石で感知された体の平衡についての情報は、

神経経路を通って脳幹部にある前庭神経核に送られます。

この神経経路や前庭神経核が梗塞によって傷つくと、

情報が乱れてめまいを起こすのです。

強い回転性のめまいが途切れずに続くものの、数日後には気にならなくなります。

しかし、ごく小さな梗塞は画像での診断が困難です。

しかも脳梗塞は再発率が高いので、慎重な診断が求められます。

再発で大きな梗塞が起これば死に至るので、注意が必要でしょう。


そのほか、突発性難聴脳梗塞脳腫瘍(しゅよう)、

薬の飲み過ぎ血圧の下げ過ぎが原因でもめまいは起こります



著者紹介
寺本純(てらもと・じゅん)
医師、寺本神経内科クリニック院長


略歴
1950年生まれ。名古屋大学医学部卒。
国立武蔵療養所神経センター(現国立精神・神経センター)、
奈良県立医科大学神経内科、名鉄病院神経内科部長を経て、
96年寺本神経内科クリニックを開設。
CT・MRI画像ではとらえきれない

神経疾患(機能的神経疾患)の診療に力を注いでいる。

日本テレビ系情報番組「午後は○○ おもいッきりテレビ」
への出演や健康雑誌などへの執筆活動も行う。

著書に『頭痛クリニック』『臨床頭痛学』『「痛みやしびれ」がよくわかる本』など。