前に記事で紹介したネオニコノネイドという農薬 が、
ミツバチ減少の原因かもしれないという説ですが、
実際にハチを飼っている方の意見を聞くのがいいかも。
‥ということで、、、
銀座でミツバチを飼い、ハチミツを作っているという藤原誠太氏。
藤原養蜂場場長で、日本在来種みつばちの会の会長。
この方の講演を聞いたというカリノさんのレポートの一部を紹介。
ミツバチの写真がかわいい ダウン
http://www.radix-jp.org/kouryu/2008/09/000384.html


■ミツバチ失踪事件の行方

二年前から発生したこの事件は、養蜂業界だけでなく
農業関係者やその加工業者を震撼させました。

1.ミツバチがいない
2.植物が自分で受粉できない作物がつくれない
3.作物がなければ加工して商品も作れない

関係者にとっては危機的状況ともいえます。
この現象はアメリカから始まりました。
アメリカでは、広大な地域でアーモンド畑だけという生態系上において
非常に限定された環境でセイヨウミツバチが働いてます。
元々、砂漠のような荒野に散水設備をつけてプランテーション型の農場にし、
ミツバチを使用していただめ、生態系がおかしくなってきていました。
(害虫を捕食する天敵がいないので、
 代替に農薬が天敵になっていたとも言えます)

まず四年前にダニの突然変異で薬剤の効果が無くなった時期と同時に、
アメリカでミツバチの1/3が行方不明。
ミツバチに対して、ダニはミツバチのさなぎに寄生して
羽の養分を吸い取るため、飛べなくなってしまう。
羽がなくても、巣の中の掃除やハチミツ作りなどはできるが、
花粉を取りに行く作業はすることができない。

そして二年前。忽然とミツバチは姿を消した。
原因の一つに、イスラエルマヒウイルスとも言われている。
しかし、このウイルスは世界中で感染報告があるのに、
これまで忽然と姿を消すということはなかった。

もう一つの原因が、ネオ・ニコチネイドという農薬
これは、フランスでトウモロコシとヒマワリに対しての農薬だったが
現在では使用禁止になっています。
しかし逆にこの農薬はアメリカでは大量に使用されている。

ミツバチの行方不明に対して、いろいろな原因が考えられていたが、
ネオ・ニコチネイドの成分がある農薬の使用頻度と
ミツバチの行方不明の報告数のグラフ化が比例
しているため、
一部では有力と考えられるようになってきている。

この「ネオ・ニコチネイド」の毒性によってミツバチになにが起こっているかは、
藤原さんが想像する範囲では、
ミツバチというものは「巣の位置」と「花粉のある植物の位置」を覚えるため、
巣の位置から高く上昇しながら写真撮影するように位置を完全記憶していくそうです


そしてこのときの完全記憶の能力が狂ってしまい、
ミツバチは巣に戻れなくなっているのではないかということでした。
ネオ・ニコチネイドというのは、タバコにあるニコチンの一種です

(たしかにタバコに慣れないボクなんかは、密室にいれば副流煙のみで
 丸一日仕事にならないほどダメージ受けてますが、
 ミツバチ達もそうだとすると、ちょっと仲間意識がわいて来ました)

ネオ・ニコチネイドの毒性は初代には影響が無いことも発見が遅れた原因のようです。
(摂取しないので)
ミツバチの成虫は、花粉を集めて巣に持ち帰えります。
花粉を食べるのは幼虫で、毒性の影響を受けます。

このネオ・ニコチネイドは、もちろん日本でも使用されています。
なぜ、この農薬が使われるようになったかというと、
それまで防除に有効だった「有機リン農薬」の使用禁止が叫ばれ、
代わりにポジティブリストにあがったのがネオ・ニコチネイドでした。

ポジティブリスト制とは?
基準が設定されていない農薬等が一定量以上含まれる食品の流通を原則禁止する制度。

この農薬は一応、魚や蜘蛛にも影響がないということで採用されているそうですが。
実際には、ミツバチだけでなく魚や蜘蛛なども姿を消してるようです。
次世代までは確認しなかったのかもしれません。 (略)

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「銀座ミツバチプロジェクト」副理事の田中淳夫さんの意見は、、、
  (2009年04月08日)
http://ginza.keizai.biz/headline/902/


「銀座ミツバチプロジェクト」今年も始動-西洋ミツバチの全滅にも屈せず

 銀座のど真ん中(紙パルプ会館屋上=中央区銀座3)で
ミツバチを育てるプロジェクト「銀座ミツバチプロジェクト」が、今年も本格的に動き始めた。
2006年の開始以来、過去3年間の採みつ量は右肩上がりを示し、
昨年は400キロの収穫量に恵まれたが、昨年末より西洋ミツバチに異変が生じたという。

 同所では日本ミツバチと西洋ミツバチを3群(3箱)ずつ飼育していたが、
昨年末より西洋ミツバチの数が激減し、
冬越えすることができずに全滅する事態を招いた。
世界的にもミツバチの減少が取りざたされるなか、
同プロジェクト副理事の田中淳夫さんは、
原因として「ダニのまん延」「ネオニコチノイド系の農薬の影響」を挙げる。

 田中さんは「ダニ駆除剤がきかない免疫力の強いダニが増えた。
ミツバチの背中についたダニはミツバチの血液を吸い弱らせる。
そのミツバチが巣箱へ帰ると巣箱内で伝染してしまう」といい、
一方のカメムシ対策でも米に散布する同農薬は
有機ではないので土壌やカエル、昆虫などにも悪影響を及ぼす。
 ミツバチにもその被害が及んだと考えられる
」と分析する。

 すでに西洋ミツバチ3箱を買い足し万全な態勢は整えた。
日本ミツバチが被害を受けなかった理由については、
「通常は山奥に生息するものなので、サルのようにダニを互いに取り合う習性がある」
と言及したほか、ミツバチの生態への理解についての必要性も訴える。
(略)