(ルチアーナ筆。)
このVTRを見ていると まさに20世紀と言う時代が真に芸術を育んだ壮大な時代であった事を思い知らされる。今や 伝説とも言える20世紀を飾る最高のピアニスト アルトッール・ルビンシュタイン。ピアノと言う楽器の持つ表現力の絶え間ない可能性への挑戦、晩年 ほぼ視力を失いながらも90年余の生涯をほぼ最後まで現役のピアニストとして全うした そのパワー、精神力はまさに 【音楽界の巨人】と呼ぶに相応しいヴィルトゥオーゾであった。若き日のズビン・メータの指揮ぶりは大変明確にふち取られた骨格を持ち、ルビンシュタインへの尊敬を持って寄り添う誠実なバックアップが見て取れる。ショパンの第二コンチェルトは美的格調において第一コンチェルトと匹敵 時には それを凌駕する程の深い美意識に覆われている。ルビンシュタインが奏でる この上ない【伝説の美音】をこの演奏はまさに見事なまでに体現しているのである。改めてショパンの美意識の何んたるかを このヴィルトゥオーゾ、ルビンシュタインの奏でるピアノから聴き受けて頂ければ幸いだ。【芸術の命は永遠!】それを現実に詳らかにしてくれる証 それがアルトッール・ルビンシュタインの醸し出す【音楽の世界観】である。