ミューズの声”11。 | ルチアーナの音楽時評・アラカルト。

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40年以上に及ぶ音楽家としての筆者の活動と
その経験から得た感動や自らの価値観に基づき
広く芸術、エンターテイメント等に独自の論評を
加えて参ります。現在小説 愛のセレナーデと、
クロス小説 ミューズの声を随時掲載中です。
こちらもご覧頂ければ幸いです。

薫「焦れったい子ね~奈緒って!頼まれ事って、何何何??」奈緒「ちょっと待って下さいよ。ゆっくりと話させて下さいってば、お願いですから…!。」薫「ハイじゃ~黙って聞く!だからハイ、言って言って…!。」奈緒「分かりましたよ。えぇ~とですね。星野先生のお話によると、何んでも、まゆ美先生とサヤ先輩が、かつてサヤ先輩が入所していた養護施設にご挨拶に行かれたそうなんですけど、その時にたまたま、ズバ抜けた才能を持った男の子、つまりですよ!凄い歌声をもった施設からの出所を間近にひかえた生徒さんを見つけたそうなんですって。だから今、高三ですよね~つまり!それで正直お二人共その歌声にビックリされて、もう実の所、既に当面の進路も決まっていた様なんですけど、急遽、まゆ美先生とサヤ先輩ご夫婦が責任を持って引き受けるので…っと言う事でAO枠で、内の大学に今回、受験させる事になったんだそうなんです。…でこの際、星野先生もまゆ美先生の依頼を受けてその子のレッスンをされる様なんですけど、まさにその男の子がですよ、来週末に学校見学に来るんだけど、【如何だろう君に】って私の事ですよ!その子の案内係を引き受けてもらえないかって言う話だったんですよ!。」【ふぅ~、疲れた!】薫「へぇ~、そうなんだ…。それにしてもよ、その男の子って相当の才能の持ち主なのね~きっと!。」奈緒「私もそう思います。」薫「ねぇ~そうよ!だってあのまゆ美先生がよ、わざわざ進路変更まで…、言ってみれば強制してまでもよ、歌い手にさせ様って言うんだもの…、これはただ者じゃないわ!うん!。」奈緒「そうですよね~、かつてサヤ先輩だってまゆ美先生ご夫妻が見い出したんですものね~。奇跡的ですよ、そんな事。でも現実ですものね!何んか話が凄すぎません!。」薫「そうよ!その通りだわ。ねぇ~その子、テノール?それともバリトン?」奈緒「それは知りませんよ!だってまだ私その子の名前すら聞いてないんですもの!」薫「あらいゃだ!手落ちね~、貴女…!」奈緒【嘘~~~!。やめて~!】明日は土曜、午前中私はレッスンで星野先生とお会いします。詳しい事はその時にうかがう事になっているんです。星野先生も今夜まゆ美先生からのお電話を待って詳細を確認されるって言ってましたし…!薫「あっ、そうだこんな所でいつまでも食べてばかりじゃ、時間もったいないわ!奈緒、私先に帰るね。貴女まだここにいていいから…じゃ~ね!」奈緒【げ~っ!最悪…!田代先輩、自由過ぎ~!】でも、如何して今の私の話を聞いて田代先輩、急に帰っちゃっんだろう。何んで?何んで?あ~あもう!何が何んだか全然分かんな~~い!。
(続く。)ルチアーナ作