4Kテレビジョン華々しく?。 | ルチアーナの音楽時評・アラカルト。

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40年以上に及ぶ音楽家としての筆者の活動と
その経験から得た感動や自らの価値観に基づき
広く芸術、エンターテイメント等に独自の論評を
加えて参ります。現在小説 愛のセレナーデと、
クロス小説 ミューズの声を随時掲載中です。
こちらもご覧頂ければ幸いです。

アナログハイビジョンの実験放送
から、ひとっ飛び一気に技術革新は
デジタル化へとその間を突き抜け
地デジ放送本格運用のスタートを
機に今や全てのTVの送受信は
デジタルハイビジョンを基準として
実施されるに至っている。
ハイビジョンの実用化はまさに
情報発信の画期的進歩とその
受け皿たるハードウェアの
目覚ましい進化を打ち立てるに
充分な環境を構築する下支えと
なった。そのハイビジョン映像に
始めて接した時、皆どれほどの
溜め息を発した事だろうか。
それまでのアナログ放送の
解像度を遥かに超越する
フルハイビジョン映像の
1125iと言う
従来の倍以上の精度を持つ超精密
映像のクオリティーに暫し
かたずを飲んだのは私だけでは
なかった筈だ。
ハイビジョン実験放送の段階から
初期一般化がその第一歩を
歩み始めた頃、ブラウン管受像機の
価格は驚くなかれ¥2000000を降らぬ
高額でとても大衆性を持ったプラン
とは言えなかった。
しかしどうだろう今や液晶を
中心とした薄型テレビは完全に
その主流の座を得、
簡易走査線仕立ての製品なら
ものにもよるが¥20000代でも
そこそこのものを入手可能と
なっている。32インチクラスからなら
もう全ての機種がフルハイビジョン
仕立て、価格も手頃である。
そうした状況下、テレビの次なる
技術革新の目玉が4K標示による
画像クオリティーの更なる精細化
である。現状のフルハイビジョン
標示の尚、四倍の走査線を横縦
フルに形成させるこの技術は
驚愕の高画質を生み出す。放送の
実質運用の目処はまだ定まっては
いないし、やっと実験放送が
今回サッカーW杯を機に実施される
に至ったが専用チューナーを用い
当然4K標示対応のモニターが
必要となる。しかしこれ、現状の
フルハイビジョン映像を
アップコンバートして見た時の
解像感のグレードにおいても
想像をはるかに凌駕する圧倒的な
クオリティーを提示して
くれるのだ。昨今、製品の作りも
各メーカーかなり熟れて来ている
この4Kテレビ、瞬く間とは
いかないものの、今後当面の
テレビ市場における主流となる事に
疑う余地はない。まさに技術革新の
申し子とはこの事であろう。
但し、この4Kテレビの華々しい
デビューももしかすると、そう長く
一線級の話題とはならない状況が
早くも散見される。それは
この4Kテレビをも圧倒する
空前のクオリティーを目指す
8K【スーパーハイビジョン】の
実用化にむけての研究が既に
最終段階に差し掛かっていると言う
事実があるからだ。8Kはまさに
我々が通常ダイレクトでものを見て
いる時と同等の解像感を
ストレートに標示するテレビ映像技術の
究極の姿を投影するもの、即ち
生活実体感と映像との境目が
なくなると言う事を指し示す訳だ。
勿論そうなれば3D映像なども
グラスレスで体現される。
うっとうしい3Dメガネは
お払い箱となるのだ。日進月歩とは
言え最先端技術の向上は
計り知れないスピードで時代の道を
突き進む。
【4Kテレビ華々しく】デビュー!
現状のきらびやかさには
大いに心動かされるが、それに続く
8Kの登場がそう遠くない
未来に実現すると言う事が
分かっている今、4Kへの触手に
多少の躊躇を感じざるを得ないのは
私だけではないと思う次第だ。
いずれにしても全てが日本発の
技術!。それを大きな誇りと
思いつつ、それを手にする時期の
迷いは付いて回る。
何んとも悩み深い話である。
さて、諸兄には置かれては
どの様にお考えの事だろう?。
(ルチアーナ筆。)