えーと、○○○○のせいで話がそれてしまった。
はて、或る老人の悔恨…てどんなんだっけ。こういう場合の取材メモメモ。
うんうん、うんうん、思い出したぞな。
老社長は話し好きそうなので、
こちらがいちいち質問しなくても「どうぞ自由奔放にお話しくださって結構です」
あとは口元を見て、ときどき目を合わせて頷いてメモってればそれでいい。
で、ざあっとこんな話。
もともとは運送業で身を起こし、
次いで、不動産業、貸しビル、アパート経営、ガソリンスタンド、リース家電、
更には貸金業などなど、多角的に経営。
22歳のとき、大型トラック1台から始めた運送業。
西は九州福岡、東は愛知名古屋あたりまで、仕事となればどこまでもといった
勢いで車を走らせた。
当時は今ほどの規制はなく、いってみれば事故さえなければ勝手放題。
制限時速なにものぞ、飲酒運転あたりまえ。
怖いものなしのトラック野郎だ。
結婚は、25歳のとき。
尾道の沖に浮かぶ島の、貧しい農家の娘をもらった。
誰のツテか知らんがオヤジが連れてきた。
「おい、飯炊き女じゃ、おまえの嫁にせい」
18歳のうぶな娘だった。名前はカヨ(仮名)
当時のわが家は両親と祖父母、妹二人、弟二人の大家族だった。
代々の地主で、大家族だが裕福でもあった。
運送業を始めるにあたって、土地を少々売却して大型トラックを買ってもらった。
思えばカヨがのう、わしの嫁になったばかりに…
他人の人生、一気には書けん。メモ読み返しながらなんで。
はい、きょうはここまで。
かもめのジョー