1年間情緒支援級に通って、なんとなく通常級との違いが分かってきたので、まとめてみます。
【大前提】
地域差がすごい![]()
『当地ではこう』でも、隣区の小学校へ行けば全く異なる雰囲気だったりします。
同じ小学校でも、校長先生やエース級の先生が異動した途端、雰囲気が変わることも。
なので、どんな話もあくまで一例です。必ず自分の目で実際に確かめてください。
【情緒級の授業】
⚪︎当地の場合は一斉授業です。
生徒1〜8人につき、担任一人•補助員一人。
先生の配置割合は多分、どこの小学校も変わらないかと思います。
⚪︎個別の取り出し授業は、今の所なし。
課題も宿題も、情緒級内では全員共通。
基本的に通常級と同じ教材•進度で進んでいきます。
この辺りは自治体差の激しい部分で、病院の先生いわく
『当地の情緒級は、比較的学習に手厳しい方』とのことでした。
具体的には、WISCで80以下だと、情緒級でついていくのはかなり厳しいとのことです。
安全圏はIQ85〜。
(最近、IQ83で知的級に通うことになった患者さんもいたそうです。)
⚪︎この学習進度についていけない場合は、まず家庭学習によるフォローが求められます。
学校で放課後指導などは、今の所はないようです。
家庭で補っても厳しい場合は、知的級への転籍を勧められます。
知的級では、個人にあった学習進度を設定してくれる反面、
小学六年生までの学習を必ず学校でやってくれる保証はなくなります。
(人によるのですが、小4あたりまでをカバーすることが多いそう。)
また、知的級に入ると、将来のために自立支援の授業数が増えるので、主要科目の授業数はその分減ります。
⚪︎では、情緒級は通常級の学習を全てやるか?
と言われると、それは微妙に異なります。
例えば、小1で習う文字の数(ひらがな、カタカナ、漢字)は変わりませんが、
書写の時間は存在しません。
(これは、DCDのお子さんの割合が増えるから?と推測しています。
手先の巧緻性が追いついていない状態で、綺麗に描くことを求められても苦しいだけかと思うので…)
同様に、学習を積み重ねていく上で、
『ここはやらなくても、それほど将来影響はでない』
と判断された単元は飛ばされています。
算数で飛ばされる単元はありませんが、国語などは飛ばし飛ばしやっているようです。
⚪︎では、その分浮いた授業数はなにをやるのか。
情緒級ならではの活動として、SSTがあります。
これはボードゲームなどの楽しい遊びを通して、コミュニケーションの練習機会を設ける時間です。
情緒級はコミュニケーションに課題を持つ子供が多いので、
学校で色々なゲームの導入をやっていただけるのは大変助かっています。
大体週2回ほど、SSTの授業はあります。
⚪︎交流級について。
ここも自治体差の激しい部分です。
当地では、交流級はイベント時のみで、
通常の授業では小1の交流はありません。
ただ、休み時間は同じ校庭で遊んだり、イベント毎に関わる機会はあるので、お互いに存在は認知しているようです。
通常級1年の子供達は、気軽に息子に話しかけてきてくれて、とてもありがたいです。
閉鎖的•差別的な雰囲気というのは、今のところ感じません。
(これは何年もかけて、学校の雰囲気を作ってきて、代が入れ替わり、ここ数年でようやく整ってきたと担任がお話ししてくれました。
情緒級新設の頃は、今より色々な意見の児童がいたそうです。)
⚪︎小2以降は、得意な科目&安定して授業を受けられる児童から、
徐々に交流級が進められていきます。
算数からスタートが多いらしいですが、中には体育から交流に入る子もいるようです。
ただ、入れ替えはハードルが高いようで、
『今週は交流。来週は情緒』などのように、簡単には変更できない様子です。
一度変更したら、よほどの事情がない限り一定期間は交流で頑張ってもらう形になります。
また、申請してから交流級がスタートするまで半年ほどかかります。
慎重に議論が交わされている様子です。
⚪︎支援ツールの許可
この辺りも自治体差が激しいです。
当地は、おそらく比較的支援ツール導入に厳しい方。
担任の負担がない範囲で、許可を取れば持ち込めるツールもありますが、
結構ハードルが高い印象です。
基本的には、支援ツールなしで頑張る形になります。
『困り感は強くないけど、試しに楽になるか使ってみたい!』
くらいだと言える空気ではありません。
常設的に使えるのは、クールダウンルームくらいです。
【情緒級のメリット】
⚪︎少人数の分、授業がわからない時に気軽に質問ができる。
また、困っている時に先生に気づいてもらいやすいので、学習が拗れる前にフォローがきく。
⚪︎少人数のため、環境が静か。
視覚情報過多や、聴覚過敏で疲弊する子は、これだけでも情緒級在籍の価値はあると思います。
⚪︎SSTの練習の機会がとにかく多い。
集団で遊ぶ時の適切な振る舞い方のようなものは、通常級よりはるかに丁寧に教えてもらえます。
(通常級はおそらくその辺りの練習機会は皆無で、実地で学ぶ形になる。)
⚪︎担任の権限が通常級より大きいので、先生の遊び心がききやすい。
授業内でちょっとした遊びをしたり、
『楽しく学ぶための工夫』のようなものは、情緒級の方が融通が利きやすいです。
寒い日の体育の準備運動は、昇降口の中で行ったり。
一学期は、休み時間も担任の先生が遊んでくださったりと、
学校を楽しむために尽力してくださっている印象です。
⚪︎学校全体で見守ってくださる
先生達の間で、支援学級の子ども達はよく見守るべき対象として認知されます。
一人で困っている時に、すぐに気がついてもらえるというのは、大きなメリットです。
うちの場合は校長先生にも、
名前とクラスと好きなものくらいは把握してもらっていました。
【情緒級のデメリット】
⚪︎男子が多い。
全学年、概ね男子で構成されています。
女子の場合、同性の友達と関わる機会が少なくなってしまうので、慎重な検討が必要となります。
⚪︎ケンカは多い。
コミュニケーションに課題を抱える男子が多いので、どうしても小さなケンカは日常茶飯事です。
ただ担任の目が行き届いているので、大きなケンカになることはほとんどありません。
おそらくですが、通常級よりも仲裁に入るスピードは速いかと思います。
⚪︎放課後の過ごし方は常に悩む
遠方から集まる児童も多いので、
気軽に『放課後公園で遊ぼう!』が出来ないのは、
遠方の情緒級の場合、大きなデメリットです。
校庭開放も、家から学校が遠い場合は使いづらくなります。
近所の公園には友達がいない。
友達がいる場所までは一人では気楽に行かれない。
学童は行きたくない。
となると、必然的に放課後は家で一人で過ごすことになる。
親の管理は届きやすい反面、
自主性、体力、同世代でのコミュニケーション機会は減ってしまいます。
放課後デイも毎日行ける所は稀かと思うので、
放課後の過ごし方は、家庭内で色々作戦を練る必要があります。
徒歩圏内に情緒級がある場合は、この辺りは気にしなくて大丈夫です!
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長くなってしまいましたが、情緒級の特徴はおおむねこんな感じです。
個人的には、男子なら少しでも進学に不安があったら
情緒級スタートにしておいた方がメリットが勝つだろうと感じています。
女子の場合は、同性のクラスメイトが少ないというデメリットと、その他のメリットを慎重に比べる必要があります。
学年が上がると、見える景色も変わってくるかと思うので、
また機会があればまとめたいと思います![]()