よく料理教室の生徒さんから料理道具の相談を受けますが、中でも一番相談が多いのが包丁です。
どの種類を買っていいのか相談されます。
私はあまり多くの料理道具を揃えるタイプではないので、できるだけ少ない道具で料理作りをオススメしています。
まず家庭で頻繁に使用度が高いのが、右のペティーナイフと呼ばれる小ぶりのナイフ、そして真ん中の先が丸く補正されている、三徳包丁とよばれる家庭用の包丁ではないでしょうか。
この三徳包丁はプロのコックさん達は使用しませんが、安全性からもサイズからも一般の方には一番フィットします。
そしてちょっとお料理上手になって来たら次にオススメは一番左の牛刀という包丁。
この辺からプロっぽくなりますが、刃先が長いので、包丁使いに慣れて来たら、お野菜のカットやお肉のカットなど手早くできて非常に使い易く感じます。(大きいサイズのまな板も必要になります。)
そしてこの牛刀クラスの包丁になると、サイズが色々出てきます。(写真のは24cm)
三徳包丁が18cmが基本ですから、女性ならその上の21cm、さらに上の24cmが適当ですし、背が高い方や、大きい男性ならその上の27cmが宜しいかと思います。
この他、購入時には様々なメーカーがあってまた悩みどころですが、プロ使用と言われる歯が薄く、よく切れると言われるものは同時に歯が欠けやすく、手入れも頻繁にしなくてはなりません。
一般の方向けにはあまり手間の掛らない包丁がオススメです。(プロは包丁を研ぐのも仕事のうちと考えてますから。)
普通の家庭では洋包丁は写真の3本もあれば十分だと思いますが、さらにお魚を捌く方なら出刃、薄いものを切る為の筋切り包丁など様々あります。
基本は、皆様のお料理用途、技術の技量に合わせて少しずつ揃えて行くのをオススメします。
さて彼の宝物の包丁置きをご覧頂きましょう。
同じ方向に、そして全て決められた位置に包丁が並んでいます。
私の料理サロンはトレフの厨房での実習になりますので、初めての生徒さんが厨房に入られた時、必ずご説明させて頂くのが、この彼の包丁のことです。
皆さまに 「この包丁は絶対に使用しないで下さい。」 とお願いします。
何と言っても、彼の大切な商売道具ですし、また次の日位置が違っていたら大変です。
またこの写真の包丁は一部で、この他、鍵の掛った包丁専用の箱にまだまだ沢山大切にしまってあります。
その中で驚きなのは、昔、よくしなる包丁が欲しくて探しても見つからず、なら作ろう!と、お菓子のパレットナイフを研いで世界に一つしかない手作りナイフもありますし、
また30年の月日で27cmあった牛刀が20cm程に小さくなって、使い易く細~くなった包丁など、貴重なオリジナルの包丁も幾つかあります。
30年もコックさんやっていればその数はかなりなものになります。
プロに限らず、私達にとっても包丁は一生モノと考え、時間を掛けて手に馴染ませたいものですね。