儲かるの?3D関連ビジネスニュースまとめ

儲かるの?3D関連ビジネスニュースまとめ

3Dコンテンツ制作のプロ集団、3DCM株式会社スタッフが最新の3D関連ニュースをお届けします。経営代表、営業、デザイナー、エンジニア、マーケッターがそれぞれの立場から3Dの実情を配信中。

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アメリカの調査会社OnePoll社が、1000人の一般消費者を対象に行った調査結果です。一般消費者が3Dプリンターをそんなに欲しがっているのでしょうか?

1000人の内3分の1が、家庭用に(ビジネス用途ではなく)3Dプリンターの購入を検討しており、その内の約6割が、家庭用品をカスタマイズしたい、という要望を持っているそうです。数字の信ぴょう性はともかく、日本よりもアメリカの方が、幾分かは、家庭用3Dプリンターの導入に積極的な様です。

なぜアメリカ人は家庭用3Dプリンターを欲しがるか。同調査ではその理由を以下あると分析しています。

アメリカ人一般消費者が、3Dプリンターを家庭に導入したい理由


・3Dプリンターで自作した物の方が既製品を買うよりも魅力的(36%)

・身の回りのものを3Dプリントした部品で簡単に直せる(35%)

・3Dプリンターでオリジナルの贈り物を作成し、知人友人に贈りたい。結婚式などで。(33%)

・スマホなどガジェットのアクセサリーを自分で作りたい(28.5%) 

・オリジナルジュエリーを自分で作りたい(21%)

・3Dプリンター創造的で新しいものを作りたい(10%)


例えば、結婚式や記念日用のギフトを、3Dプリンターで自作したいという要望は多く、アメリカでは既にサービス化されています。

また、同調査ではアメリカで3Dプリンターが盛況な理由には、もう1つ重要な点があると言っています。それは発明好き、革新好きな国民気質だそうです。アメリカ人は、DIY(Do It Yourself)、自分で作ることが大好きなんです。

DIYやモノづくり、このフレーズは日本でも人気ですね。我々日本でも3Dプリンターはさらに流行る土壌はありそうです。

日本は古くから輸入品を自国流にカスタマイズし、より良いものを作り出す技術に長けています。輸入品3Dプリンターの日本流アレンジが期待されます。

(執筆者 3Dプリンター営業 3DCM株式会社)


Recreus社は、柔らかく柔軟性がある新しい3Dプリンター用の素材フィラメントを提供開始しました。従来のフィラメントは、樹脂やプラスチック系などは多少の柔軟性がある程度で、硬い物が主流でした。ぐにゃぐにゃ曲がる素材なら、靴やバングルなど、人が身に着けられるアパレルアイテムに向いています。

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こんなに曲がる

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こんなにねじっても大丈夫!すごい柔軟性

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紐を通せば

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3Dプリンターでこんな素敵なシューズが出来上がり

3Dプリンターで出力した本体部に紐を通せば、素敵なシューズが出来上がります。ボタンやベロを成形すれば、クロックスの様なサンダルも作れますね。

この新しいフィラメントは、別オプションがあれば、市販されている家庭用3Dプリンターにも使用可能だそうです。そのうちDMMなどの大手3Dビューロサービスでも利用できる様になると、自分でデザインした靴を簡単に作れますね。

しかし、やはり一番の課題は、3Dプリンターに入力する3Dデータ作成が容易ではない、ということ。3Dデータの制作ツールは難解で高価なものが多く、一般ユーザーには敷居が高すぎます。また、PCを使用してデータで作成するため、そもそもPC操作が得意でない人には向いていません。

ちなみに、弊社の非エンジニア営業部員はフリーの3D制作ツールの習得を試みましたが、3日で挫折しました。「めんどうで楽しくない」だそうで。

既存の3Dデータを共有できるサービスも多くありますが、それだと既製品を買うのと変わりません。自分で作る醍醐味が皆無です。

データ制作は外部に委託、という手もありますが、3Dエンジニアは工賃が高く修正等の融通も利かない場合がほとんどです。

3Dプリンター機器は身近になりましたが、3Dデータは全然身近にはなりません。相変わらず超専門的な技術が必要です。だから我々の様な3Dエンジニアがいる訳ですが・・・ 

(執筆者 3Dエンジニア 3DCM株式会社)
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Amazonの3D販売サイト

ネット小売りの巨像Amazonが3DLT社と共同で、3Dプリンターで作られた製品を販売開始しました。

3DLTは3Dプリンター用の様々な3Dデータを販売しているマーケットサイトです。これにAmazonの物流システムが組み合わさり、世界中に効率的に配送される訳です。

扱っている製品は小さなジュエリー、スマホケース、変わった形の置物、ちょっとした工業製品など様々です。Amazonサイト上では、3Dデータの特性を活かし、360°色々な角度から製品オブジェクトを閲覧できます。

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日本のAmazonではまだサービス化されておらず、試験的な試みの様です。やはり課題は単一素材で出来る製品のアイデアでしょうか。写真にあるような立体的な構造の置物は、材質は単一単調なプラスチックでも、形状の奇抜さで製品としての魅力を備えています。これなら買っても良いかも。

平面の2Dではなく、3D空間上でデザイン造形できる、尚且つデジタル画面の中だけでなく完成した製品イメージもデザインできる、そんな3Dクリエーターの腕の見せどころです。

(執筆者 3D造形デザイナー)

データから製作できるモノがどんどん拡大しています。ついにニット衣類を自動生成できる3Dプリンター(?)が登場しました。

こちらは「OpenKnit」というオープンソースハードウェアです。どこらへんがオープンソースかというと、こちらのサイトから設計図やらマニュアルを入手して、自分でニット編み機を組み立てるのだそうです。現状は「ベータ版につき諸々注意!」とありますが面白い試みですね。

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編み機で自動で編んで

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こんなにかわいい仕上がりに

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こんなデザインも

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着る人個人に合わせて簡単にできそうです

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ニットで編めるものならこんな帽子もOK

デザインしたデータは「Do Knit Yourself」ユーザー同士で共有可能です。これもオープンソースですね。

ところで皆さんは毎シーズンごとに変わる流行色が、どのように作られているか知っていますか?流行らせる色は、自然発生的ではなく、国際流行色委員会(INTERNATIONAL COMMISSION FOR COLOR)というところが、2年以上前から検討し"決定"しています。流行色やトレンドと呼ばれるものは作為的に作られているのです。

あらかじめ決められた流行の大量生産のファッションを着るか(しかも超高速なファストサイクルで)、自らデザインしたお気に入りの1品を作って身にまとうか。ユーザーの選択肢は拡大します。

1番良いのはこれらを組み合わせる方法かもしれません。ユニクロの味気ないヒートテックに、お気に入りのロゴや刺繍をデータから簡単に加工や縫い付けが出来る出力機械とか。そんな出力センターがユニクロ内にあったりね。

実はそんなサービスはもう始まっています。



イギリス・ロンドンにオープンした「YrStore」というお店。来店者がパネル上でデザインし、それをTシャツにプリントした状態で購入できます。タブレットで自由にデザインしている様子が、まあ楽しそうで。

このデジタルとファッションの融合がもたらした"自らデザインして作れる服"の登場は、ファッションやアパレル業界の1つの流れになりそうです。

(執筆者 メンズパタンナー経験のある3Dデザイナー)
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HONDAの3D特設サイト

自動車メーカーのHONDAが、自社のコンセプトカーの3Dデータを無償で公開しています。車種は「FUYA-JO(1999年発表)」「FSR Concept(1994年)」「KIWAMI(2003年)」「PUYO(2007年)」「NSX Concept(2013年)」の5種類。特設サイト「Honda 3D Design Archives」上で3Dモデルを360度回転させて見る事が出来ます。

また、各車種のstlデータを無償でダウンロード可能です。このstlデータは3Dプリンターでよく使われている3D形状データで、3Dプリンターに入力すれば3Dプリントする事が出来ます。HONDAの実際のコンセプトカーを、3Dプリントとしてミニカーを作る、なんて事が可能に!

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特徴的なデザインのコンセプトカー
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ダウンロードしたstlデータを3DCADソフト「Rhinoceros」で開いたところ

コンセプトカーなのでどれも秀逸なデザインで、ボディーのラインなど大変勉強になります。車などの工業製品の外見の設計図とも言える3Dデータは、本来あまり外部に出したくないもの。この公開サイトは英語表記で世界中に配信されます。

円安で自動車メーカーの業績も復調気味ということもあり、HONDAはやはり世界のHONDAの様です。

(執筆者 3Dプリンティングエンジニア 3DCM株式会社)