儲かるの?3D関連ビジネスニュースまとめ -2ページ目

儲かるの?3D関連ビジネスニュースまとめ

3Dコンテンツ制作のプロ集団、3DCM株式会社スタッフが最新の3D関連ニュースをお届けします。経営代表、営業、デザイナー、エンジニア、マーケッターがそれぞれの立場から3Dの実情を配信中。

3dprinted_makyou_himiko

3dprinted_makyou_shikumi
魔鏡の仕組み なぜ鏡の反射で像が映るのか

3Dプリンターで精密に復元した三角縁神獣鏡(卑弥呼が使用したと言われている)が、鏡面に太陽光を当て反射させると、裏面の文様を映し出す「魔鏡」だったことが判明しました。魔鏡は、鏡の表面に、裏側の文様のに合わせ凹凸をつけたものです。実際に壁に太陽光を反射させると、ぼんやりと文様が浮かび上がりました。魔鏡現象に必要な微細な凹凸が、3Dプリンターによって精巧に再現されたことになります。

古代の遺物、考古学の分野でも、精密な3D形状解析によって新たな発見が多くあるようです。魔鏡は、古代の呪術者(シャーマン)によって人心掌握の道具として用いられたそうです。最新の3Dプリンターで浮かび上がって来た古代ロマン。現代でも我々の心を強く引き付けます。

(執筆者 3Dプリンター営業 3DCM株式会社)
フルカラー出力が可能な3Dプリンターが普及の兆しを見せています。単色では出せなかったおしゃれでカラフルな仕上がりに、アパレル分野への活用が期待されています。ここでは3Dプリンターで出力されたバッグと靴を紹介します。

「kipling(キプリング)」が3Dプリンター製のバッグを量産発表


Kipling_3dprinted_bag_a

Kipling_3dprinted_bag_b

カナダのバッグメーカー「kipling(キプリング)」が3Dプリンターで作られたバッグを発表しました。手持ちと袋は別素材で作られており、袋部分のみを3Dプリンターで出力するようです。

1点ものではなく量産品の様ですが、3Dプリンターの量産工程が、通常の量産工程と比べてコストメリットがあるかどうか、大いに疑問です。話題先行にならなければ良いのですが。

3Dプリンターで出力したフルカラー3Dシューズ


Z Corp

Z Corp

Z Corp

Z Corp

Z Corp

3Dシステムズ社がフルカラー3Dプリンターで作成した靴の出来がかなり良いです。フルカラーで単一素材でも、靴なら案外アリかもしれません。数年前にヒットしたCROCSやビーチサンダルみたいに。これなら3Dプリンターで出力したものが則製品になり得ます。

3Dプリンター機の性能は、色数はフルカラーになりましたが、材質は単一素材のままです。単一素材という事は、例えばプラスチックだけで、樹脂だけで、1製品を完成させなければいけません。留め具に必要な金具など、別素材の混在があると、後工程での加工が必要になってしまい、3Dプリンターの売りの1つの"ワンストップ製造"ではなくなります。3Dデータを作成し、3Dプリンターで出力して、磨きをかけて、留め具を合わせて組み立てて、では面倒なだけです。

この制限内で如何に応用範囲を広げられるか、知恵の絞り所です。

(執筆者 3Dビジネスに懐疑的な営業 3DCM株式会社)


electroloom

electroloom_c

服をデータから出力できる3Dプリンターが登場しました。アメリカのElectroloomという3Dプリンターです。

特殊な硬化性の糸を出力し、服を編み上げる様に造形していく様です。

アパレル分野での3Dデータの活用は一部ではすでに進んでおり、Marvelous Designerの様な衣服シミュレーターもあります。

これは、柔らかい布の表現を、物理計算に基づいて精密に表現できるツールです。新作のスカートのドレープは、実際に歩くとこういった見え方をする、といったシミュレーションをデータ上で行うことができます。使用方法も簡単で、illustratorなどで作成したパターン(服の設計図)を、身体の各部位にあてはめ、材質を選ぶだけです。デザイン画やパターンを起こしながら、簡単に精密な完成予想図が出来てしまうのです。

こういったデータを、今回発表された服を出力できる3Dプリンターと組み合わせれば、デザイン画から、完成予想図ではなく完成品、服そのものが出来てしまいます。

(執筆者 3DCADデザイナー 3DCM株式会社)


3Dプリンターを医療分野で活用する、といったニュースが増えています。弊社でも2012年後半頃から引き合い数が増大しました。医療で3Dをどう活用するか、弊社での提供実例から具体的に説明します。

欠損した歯を3Dプリンティングで再生


歯科医院様からのご依頼で、欠損した歯の精密な歯を3D造形しました。3Dスキャニングで患者様の歯(顎骨を含む)を3Dデータ化。そのままの状態では目が粗すぎ、また形状が破たんしている箇所があるため、エンジニアが3Dデータのリダクション作業を行います。その後、3Dプリンターで出力後、研磨を行います。

患者に合わせてカスタマイズした人工関節


義足に用いる人工関節部分を、3Dスキャニングと患者固有の生体情報を組み合わせ、カスタマイズでデータを作成。光レーザー方式の3D造形機で出力後、適合部(特に生身に触れる部分)にあてはめます。

より実物の生体に近い臓器模型で正確な施術予行


患者によって個体差が著しい臓器を、3Dプリンターでカスタマイズ造形し、より実物に近い臓器模型で施術の予行演習が行えるようになりました。

医師の教育用途で精密な3D模型を活用


今まで高価だった医学模型セットも、3D造形でより精密に、しかも安価で行えるようになりました。今までご説明した様に患者個人の実際の臓器を模型化できるため、臨床実例の講義、解説などにも活用されています。

これからの課題


生体に近く3D機器にも適合した原材料の選定、適正なコストなどが今後の課題として多くあげられました。また、以前よりは高速化された製造工程も、医療現場の一刻を争うスピード感にはまだ追いついていません。データ作成から造形に3日、4日かかるようではまだまだ遅いのです。

データで作る3Dプリンティングでは、精密なのは当たり前です。精密さに加え、スピード、コスト、用途に合った材質の選定と拡充が大きな課題です。

(執筆者 3Dエンジニア 3DCM株式会社)