混迷を極めるタイ情勢。そろそろ投資や国内経済にも影響が出始めるかもしれない。
原因はタクシン派政権VS反タクシン派市民団体の構図。
「市民団体」って聞くと、何か民主的な勢力で政権の圧政と戦ってるイメージがありますが、実際は違う。国王側近の枢密院に影で操られた反民主的勢力。なぜなら、タクシンは民主的な選挙で圧勝し続けたし、タクシン派のサマック前首相も総選挙で勝利しているという事実があるから。
にもかかわらず、枢密院のプレーム元首相を中心としたタクシン嫌悪派は、反タクシン市民団体を操って、タクシン派が政権を降りるのを待ちわびている…。現在のソムチャイ首相もタクシンの義弟だからね。
タイの問題のもう一つは、マスコミが完全に市民団体側(言い換えれば反タクシン側)についていること。タクシン政権はメディアと相性が悪かったため、マスコミとしてはその頃の憂さ晴らし気分でしょうかね。本来は民主的プロセスを経て選ばれたタクシン派政権を擁護すべきなのに。
裁判所も問題。完全に枢密院の下に置かれている。サマック前首相が解任されたのも、憲法の副業禁止規定違反らしいが、その内容は「サマック前首相が過去に料理番組に出演したことがある」こと。それで首相を解任されるんだから凄いですね(笑)
ちなみに枢密院を批判すると王室を批判したと同様に不敬罪になるし、裁判所の判決を批判すると法廷侮辱罪になってどっちにしろしょっ引かれます(笑)
王室・司法・メディアが完全に反タクシン側についた今、タクシン派政権の頼みは民衆の支持(選挙結果)だけです。