その中で、自己否定的な心が他罰主義に変わることについて、次のように説明しています。
新型うつが話題となっていて、自己愛が強く他罰・他責の傾向があると言われますが、
従来のうつと同じように、根本では自己否定的な心があることが多いのではないかと思います。
東京で名門校の1つと目されている某中学校で、かなりの生徒に万引きの体験があることが発覚しました。
そこで先生が事件に関連した生徒たちを呼んで叱りつけたところ、「大企業や政治家が悪いことをして設けているのに、少々の物をとって、何が悪いのですか」と、逆に反発してくる者が多かったといいます。
また、告げ口をした生徒がわかると、口々に「絶対に許さない。仲間外れにしてやる」と、激しい怒りを示したそうです。
人は、本来は自己否定的な構えをもっていても、つよい不安にかられたり、自己愛が傷つきそうになると、それを外界に投げかけて、他人のほうが否定さるべき態度をとっている、とみなすことで身を守ることがあります。
このような心のからくりを「投影」といいます。
投影が働くと、本来の自己否定的な態度は、責任転嫁、他罰主義、あるいは愛他主義のような自己肯定・他者否定的な構えと衣替えするようになります。
こじれる人間関係―ドラマ的交流の分析/創元社
