そんな我が子の姿を見て、心配しているお母さん。
どうにかして、そっちばかり見るのをやめてほしい様子。
その子は意図して身体を使うのが苦手なので、あまりに同一方向ばかり向いていると、身体が固くなってしまうというのが心配だからである。
さて、ここで疑問に思うのは
①この子は片側しか向けない…のか
②この子は片側を向く理由がある…のか
③この子は反対側を向きたくない…のか
という疑問である。
母のこの子に対する声かけや、私に対する訴えからすると恐らく③で考えている可能性が高い。
「こっち向いてよ!」「そっちばかり向かんといて!」「ずっとあっちばかりだから、こっちも向いてほしい」
これをそのまま受け取ってしまうのは、危ない。
そのまま受け取ってしまうと、強制的に反対側を向かせたり、やたらと右側から関わったりしてしまう。もちろんそれも必要だとは思う。だけど、まずはその子がどういった状態なのかを知ろう。
ふと頭に両手で触れてみた。
片側の手に感じる違和感。
あれ?実際より大きく頭を想定してない??
ん?それともなんか凄いブロックみたいなのが、あんまり向かない方向の頭に存在してる??
こんな印象を受けたもんだから、たぶん何もないと思うんだよねー。と
そう私は思ってるんだよねー。と
触れていると、少しずつ向かなかった方へと目を動かす。そして、いつものようにそっちにいた母へと視線を向ける。
なんだろう。今まで本当はやりたかったのに、できてなかったんだろうか。ずーっと必死で考えていたからなんだろうか。
これまで、なかなか動きを見せてくれなかった四肢を急に動かし始めた。
これまでその子は緊張を緩めるための治療をいくつかしてきていたが、それでもそんな姿を見せるのは初めてであると母は言う。
そんなことが一昨日にあり、今日、再びその子と関わる時間が持てた。
頭はどうだったかって?
どっちを向くでもなく、天井を見て仰向けで寝転び、必要に応じて左右どちらへも頭を動かしていたよ!
更には元気いっぱいに四肢を動かしていたよ
ほんの少し、起きている現象に対する理由付けに余裕を持つこと。
小さい子どもであっても、時と場合により、誤ったボディイメージを持つこと。
それが今回わかったかな
おしまい