おい、
クソジジイ
お前さ、いい加減にしろよ。
いつになったら貸した金返すんじゃ？
連帯保証人になったやつ、終わってんのかどうかって聞いてんだよ！
曖昧にすんなや！
お前さ、私が前の旦那と揉めてたときに彼に言ったよな？
「男はある程度の収入を家庭にもってやれ！」
えらそーに啖呵切ってたよな？
はぁ？？
女の私にいくら金借りてんの？
ってかもらってんの？
余裕で家建てれるわ。
お前さ、家建てる仕事してるよな？
だいたいわかるよな？金額？
男論振りかざして、結局女子供に借りるわけね？
クソが！
私が小さい頃、
「男はえらい。女よりできることが多い。女は男に勝てへん。」
口を酸っぱくして言うてたな。
ざけんな。
それ言うてる時点で負けとるわ。
お前何もできひんやん。
組織の中で働けへんからって独立したらしたで責任者の重圧に負けてアルコールに溺れてたよな。
「わしはいつでも死ねる！」とかほざいて、毎晩ナイフもって吐きながら寝てたよな。
あの、お前が吐く時のおぇーっていう声がどれだけ不快やったか。
ナイフで障子や襖をブスブスさしてる音、食器を割る音…
どれだけ怖かったかわかるか？
お母さんが泣き叫ぶ声。
おばあちゃんが仏壇に向かってお経を唱える声。
二階で妹と抱き合って耳塞いで過ごした。
ウォークマンってそういう音から身を守るためにあったんやな。
早よ自分刺して○ねや。
毎日そう思ってたわ。
えらいって思ってた男のひと、全然えらくなかったわ。
嫁も子供も守れへんようなクソやった。
安定剤を砕いてお茶に混ぜて飲まされるような惨めな奴やった。
そのあとやな、誰かに騙されて億以上の借金背負ったん。
お母さん、ついに癌になったな。
そら病気なるわ、お前のせいやって思ったわ。
お母さんの余命わずかって思いながら国家試験受けたわ。
せやのにさ、私に言う時泣いてたよな、お前。
「お母さん、ステージ4の胃がんや」
って言いながら泣いとったな。
泣きたいのは私やのに。
お母さんのこと幸せにしてやれよ！！
何病気にしとんねん！
私が必死で守ってきたお母さん、傷つけんなや！
お母さんを殺すな！！
なんでお前が先泣くねん。
ここで私が泣いたらお前まで悲しむやろって思って泣けへんかったやんか。
借金が膨れ上がって破産しろって言われてんのになんでせんかった？
親戚中に借金して、白い目で見られて。
私の結婚式、招待状の返信すら来ないひともいたし、前日にキャンセルする人もおったな。
大好きなおばさんやったのに。
そのおばさんに、
「薬剤師なんかぼーっと立ってるだけでお金もらえてるんやろ」
って言われたな。
なんで私まで。
借用書のハンコ付きにお前に同行してやったのに。
大好きなおばさんに嫌われて。
私がお金稼いだら全部お前に取られるやん。
夫が稼いでも取られるやん。
せやし、お金稼げる一人目の旦那と離婚したやん。
せやし、二人目の旦那はお金ない人選んだ。
どっちにしても離婚するねん。
クソジジイのこと恨んでる限り離婚するねん。
でもな、
もうさ、
お前に復讐すんのやめたい！
不幸な私を見せびらかすのやめたい！！
お前の娘は欠陥品やぞーって周りに知らしめることでしか復讐できひんかってん。
私が大学入った時だけはあちこちで言いふらしてたらしいな。
うちの長女、京都の名門大学に入りましてん。って。
「勉強なんかせんでもいい。
もっとほかに大事なことある。」
ばっかり言うてたやん。
勉強できひん妹たちのことばっかり褒めてたくせにな。
せやし、学校行かへんかったわ。
再試験ばっか。
卒業試験の日程間違えて半年留年したわ。
でさ、薬剤師になっても、妹の看護師ばっかり褒めるやん。
「見た目が綺麗なひとは心が汚い。心が綺麗な人間になれ。」
「片親で育った子供は愛情不足」
「頭のいいひとは心が欠けてる」
「自分のためのお金はいらん」
「使えるものは捨てるな、もったいない」
「子供を育ててない人は何もわかってない」
「絶対食べ物は残すな」
「親孝行せんかったらバチが当たる」
「女は清楚であれ」
「男は強くあれ」
お前のボコボコに歪んだ教え、忠実に守ってきたわ。
親のこと嫌ったらあかんと信じて。
親のこと助けへんかったらバチが当たると思って。
苦しかったー
しんどかったー
長かったー
昨年マママス行ってもう親に金貸さないって決めた。
初めてやん。
お金ないねんって言うたら送金してくれたの。
やっとな、お前のこと捨ててもいいって思った。
お前に復讐し続けてたら結婚と離婚がセットになる。
戸籍抄本が分厚ーくなる。
役所に悪いしもうやめたるわ。
ただ幸せを選ぶ。
来週、腰の手術やろ？
お見舞いとか行かへんで。
でも、絶対死ぬなよ。
最後に言わせろ。
お誕生日おめでとう
お父さん。