『世界の測量』D・ケールマン、『ラ・ロシュフコー箴言集』『ドラことば』
- 世界の測量 ガウスとフンボルトの物語/ダニエル・ケールマン
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- ラ・ロシュフコー箴言集 (岩波文庫)/ラ・ロシュフコー
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読んでみた。
『世界の測量』は、まだ世界の裏側がどうなっているのか、全く分からなかった時代を切り開いた2人の科学者それぞれの冒険小説。会話がカッコで括られていなかったり、いきなり場面転換されたりして読みづらいところもあるけれど、最先端を切り開く凄まじい姿が垣間見れて刺激を受ける。それと、何気に脇役の人たちの人間臭いキャラクターが、一般的な人間の本質を描いていたりもする。
人間の本質をえぐるというと、『ラ・ロシェフコー箴言集』はかなりウケる。こういうあらゆる角度から人間の本質を格言のように浮き彫りにした人が過去にいたんだという事実がすでに面白い。
われわれの美徳は、ほとんどの場合、偽装した悪徳に過ぎない。
5 われわれの情熱がどれだけ長続きするかは、われわれの寿命の長さと同じく、自分の力ではどうにもならない。
17 仕合せな人びとの慎ましさは、幸運が彼らの気質に与える穏やかさからくる。
18 慎ましさとは、妬みや軽蔑の的になることへの恐れである。幸福に酔いしれれば必ずそういう目にあうからだ。それはわれわれの精神のくだらない虚勢である。さらにまた、栄達を極めた人びとの慎ましさは、その栄位をものともしないほど偉い人間に自分を見せようとする欲望なのである。
44 精神の強さとか弱さとかいうのは当を得ない言い方だ。それが実は肉体の諸器官の状態の良し悪しに過ぎないからである。
56 地位を確実に掴むために、人はあらゆる手を使って、すでに自分がその地位を占めているように見せかける。
146 人はふつう誉められるためにしか誉めない。
ってな箴言が500以上(笑)。
箴言とか格言とかいえば、そうそう、先日湘南ではたらく社長ことN原氏がブログだかtwitterで紹介していた
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も面白かった。
「気にかけられるって、うれしいねえ。」
「あの青年は人のしあわせを願い、人の不幸を悲しむことのできる人だ。」
「世の中にこんなバカが一人ぐらいいてもいいんじゃないでしょうか。」
「人生はまだまだ長いんだ。これからが勝負だよ。」
「まわりがうるさいってことは、楽しいね。」
「いちばんいけないのは じぶんなんかだめだと思いこむことだよ。」
「悪いことばかりじゃないよ。まじめに努力していれば、いつか・・・、夜はかならず朝となる。長い冬がすぎれば、あたたかい春の日が・・・。」
こういう、核心を突くようなワン・フレーズ(格言、箴言など)は、140文字限定で文章を読み書きする twitter 時代との相性がいい感じするね。