SideS
初めて会って一目惚れされて好きですと言われて正直大丈夫?と思ってしまった。
嬉しくないとか嬉しいじゃなくて心配や不安に近かった。
何故、いきなりそんなこと言われるのか分からなかったし俺に好意を向ける人は多くてもどうせ今までの男や女と一緒で見た目で判断したんだろって。
どうせ付き合っても捨てるだけだろって。
だから、嫌とまでは癒えなかったが複雑で俺は何も答えられなくて黙っていると好きでいることはいいかと聞かれた。
それって許可が必要なことなのか?
俺にとって今までそんなことを言ってくる人はいない。
だから驚いたけど好きにすればと答えたら嬉しそうに笑ったからちょっとだけこの男の子を信用してみることにする。
制服着てるから中学生?高校生なのかな。
そんな年下から声掛けられることはなかったしまさか一目惚れも好きでいていいかも全てに今日一日で驚きがいっぱいだ。
俺が働いている店でよく利用する客だった。
彼はよく一人で来ていてちょっとの時もあるし長時間の時もあった。
別によく話す間柄じゃないけど印象的にはまぁちょっと怖いかな。
彼の目付きが睨んでいる気がしたからこちらからも話すことはなかったしな。
ちょっとずつちょっとずつ話す関係になり彼の自宅に招待されることになったり連絡取り合う仲になった。
ちょっとずつ自分の中に好きって気持ちが出てきたけどこれを言っていいのか分からなかった
「これ、あげる」
そんな時、彼から貰ったのが・・・
「お守り?」
手作りのお守りだった。
なんでって気持ちと嬉しい気持ちが混じってどう表現したらいいのか分からなくて抱きついた
「中、見てみて?」
「え、分かった」
簡単に開けられるようになっていて開けると綺麗な宝石が入っていた。
「なんで宝石?」
「クンツァイト。 純愛だよ。 俺の気持ちは変わらないしそれを押し付けてすぎてたらごめんだけど」
「純愛・・・」
「あなたに見返りを求めてるわけじゃない。一方的であっても俺は日々幸せだから」
そんなふうに思ってたんだな。
ちょっと感動しちゃうじゃん。
「ありがとう」
大切にしてあげないと。
じゃなくて大切にする。
こんなふうに思ってくれるなら答えたい。
一方的でもいいと言われてこっちはまだ追いつくことが出来ないし君よりも愛情があるかと聞かれても多分君の方があるのだろう。
でも、好きは大好きな気持ちになっていて高校生な君が一生懸命自分の気持ちを正直に言ってくれたのに俺が迷ってるなんて情けない。
「喜んでくれたかな?」
「嬉しい。 俺も好きで君と恋人になりたい。
熱量とか差はあると思うけどそれでも潤くんの隣で幸せになりたいです」
話してみないと人ってほんと見た目通りにしか判断できないんだな。
全然イメージと違ってむしろ可愛いところがあったりなんて言うかお嫁さんなら間違えなく完璧な人って感じ。
釣り合うかと考えたらキリがないから置いとくことにしてとりあえず正直な気持ちを伝えてみた。
「嬉しいな、喜んで」
将来はきっと俺の方がダメダメになりそうだなと思いながらキスをする。
離れ難い気持ちになるのは初めてだ。
自分の気持ちに嘘つくことなくキスして抱き合って。
「可愛い・・・」
本人に向かって言ったことは1度もなかったからか潤くんは照れた顔をしながら
「か、可愛くない//」
なんで人は恋するとこうして雰囲気が変わるのだろう。
「よく言われてきたから嬉しくないのに・・・」
「ごめん」
本人とって可愛いとは複雑みたいだ。
涙目になっている。
過去になにかあったのだろう。
聞かない方がいいよな。
確かに複雑ではあるな可愛いと言われると。
でも、怒るほどでもないし潤くんに言われたら潤くんの方が可愛いけど悪い気はしない。
「俺、男なのに昔から女に見られて男から告白されること多かった。 幼稚園の頃は女の子みたいなことが好きだったから」
そんなことが・・・
いい気はしないよな。
「だから男らしさを身につけて睨みつけて寄り付かれないようにしたら友達いなくなって」
それは辛いよな。
潤くんにとっては友だちまで考えが及ばなかったしその友達は戸惑ったんだよな。
「もういいやって思ってた時に翔さんと出会って。 いくら好きでも迷惑だったかなって。 でも、伝えないと分からないと思って」
「まぁ目付き以外は中性的に見えるからな。恋人の悩みは解決してあげたいけど・・・」
どうしたらいいのか分からないし。
笑顔を向けたらそれは嫌な感じするし。
「潤くんが女の子だと思われてるのは俺的には悪いことじゃないと思うんだ」
「どういうこと?」
「俺だけの男になるだろ? 勝手に女だと思ってる奴は言葉で相手にダメージ与えればいいんだよ」
「なるほど」
「向こうは潤ちゃんに、告白してくるわけで潤くんにじゃないしな」
「そ、そういうこと?」
「うん。まぁ今はそれどころじゃないでしょ?」
「今は遠ざかる人ばかりだからね」
まぁ本人がそれを気にするならやめたらいいだろうし近づかれるのが嫌ならそうするしかないよな。
「翔さんがいるからこのままでもいいなとは思ってる。 小さな子供を怖がらせちゃうのは悪いけど」
まぁ小さな子供は完全に怖いよな。
不審者と感じてしまうかもしれない。
けど、一瞬だけ警戒を解けば大人には分かるのではと思うが難しいなと思う。
「好きな人にだけ分かればそれでいい。無理してるとかじゃなくて可愛いを受け入れられるような翔さんにならって」
可愛い恋人の笑顔は俺だけでいいからなと思ってしまう自分は独占欲高めなのだろうと思った。
クンツァイト: 純愛、無償の愛
クンツァイトはスポデューメン(スポジュメン・リシア輝石)という鉱物の一種。ピンクや紫がかった色あいの石をクンツァイト、緑色~黄緑色の石をヒデナイト、黄色の石をトリフェーンなど、それぞれ異なった名称で呼ばれています。他にも無色やグレー、茶色っぽい物など、スポデューメンには様々な色あいがありますが、どの色も淡く優しい柔らかな雰囲気が魅力です。