遅くなりました(・・;)

なんかいつもよりも特別な日なのに暗めです(・・;) 

まぁほかの人と比べたら甘いのでしょうが(・・;)


SideS


何気ない一日を恋人と過ごす日が来るなんて思ってなかった。

そもそも自分に恋人ができることにも想像してもなかった。

そして男を好きになることも今までなら散々否定したのに…

それでも一目惚れしてしまったら動かすにはいられなかった。


最初は可愛らしいなってはずだったのに…な。

まぁ反抗期って子供の時に通るもんだから。

認めたくないことも多々あったけど向こうから動いてくれたおかげで恋人となった。


まぁでももっと言うなら相手は先生だったから散々悩んだし散々落ち込んだよ。


「翔くん?考え事はよくないよ?」


「毎年思い出すからさ」


「そうだね」


「ん、そんなすぐに手を出すような人だとは思わなかったけど」


まさか、先生の方からちょくちょくと色んな意味で触れてきたからな。

うん、まぁ今となってはいいのか悪いのか?


「好きな人にはさっさとアタックするべきだろ?」


「まぁ、間違ってないけど


確かに取られたって思いたくはなかったし。

だけど、好きだと100%の確証を持ってないくせにキスしてきたんだよ?

俺が好きでいてよかったね?って感じだし。


恋人になってから知れたことは料理がプロレベルな腕前で凄く美味い。


そして、案外独占欲激しい…

男友達が多かった俺に潤はかなり嫉妬していたな。


でも、まぁすっごい運命だなって思うのは高校3年間潤が担任だったこと。

まさか、な?

クラス替えあったのに。


「翔くんがなんとなく俺のこと好きなのかって思ったら嬉しくてさ」


なんとなくなのに凄いよな。

まぁ高校生活中に誰にもバレていないし俺が成人したら両親に挨拶してくれた。

殴られる覚悟で散々否定される覚悟で…

でも、思ったよりも否定されることなく好きにしなって感じだった。


確かに俺の両親は俺の将来のこととかあまり俺に関心がない。

共働きもあるけど別に犯罪しない限りは問題ないらしい。


「…嬉しかった。 確かにあの時俺からでは無理だったから」


「確かにファーストキスの時に悩んでもんね?」


あれが初めてのキスだ。

潤もファーストキスだっだことは今知ったけど。


「だって…」


「ん?」


「複雑だったから」


嬉しかったのに…

でも、認めたくなかったから。

好きだと。

だから、最初は思わず否定してしまった。


そしたら潤が次の日から興味なくしたような顔して平気で授業するし。

俺と顔を合わせてくれなくなったし。


悔しかった…

好きならもっともっと追いかけてこいとも思った。

でも、1番は自分が否定しまったことだった。


「そうだね、そう簡単には認めたくないよな」


「そうなの?」


「そりゃ、俺だって沢山悩んだよ? 生徒だから。 手を出したらまずいからね。 いくら向こうが好きだからって向こうから手を出てもこっちが悪いになるし」


たしかに。

こっちが手を出してきても先生に責任が来る。


「それに、確証は持ってないから逃げれたらどうしようって思ったな」


潤も沢山悩んでたことは知らなかった。

そこは聞いてないし。


「そっか」


「でも、泣いてたのって嫌いじゃないからだろうなと思ったらいつまでも傷ついてはいられないなって」


うん、次の時は図星だったから。

逃げたくても逃げれなくて。

否定しても潤がせまってくるし。


今度はただのキスだけじゃなくて。

ディープされたのにはビックリしたけど。

でも、好きだったから逃げることなく受け入れた。

同時に初めての事で理解が追いつかなくてどうしたらいいのかも分からなかった。

いや、俺、そういう系初めてだから?

されるがままだけど。


「ありがと、好きでいてくれて」


今なら素直になれる。

やっと進んでやっと大人になって。

そりゃまだ潤みたいにもっと素直になれたらとは思うけど。

否定な気持ちじゃなくて恥ずかしい気持ちだから。

もちろん、喧嘩することもあるしそれはそれでお互いに謝るし改めて好きなんだなって思うから悪いことでは無いのかもな。


「どういたしまして」


ちょっと驚いた顔されたけど。

でも、たまには言わなくちゃダメだし甘える必要もある。


「潤…」


「ん? ふふ、可愛いな」


「…毎回、恥ずかしくないの?」


よくもまぁどこか可愛いのか分からないのに。

でも、恥ずかしくて。

まぁ年上から見たら可愛いか。


「へ? 可愛い恋人を可愛いと言って何が悪い?」


「怒ってる?」


そんなつもりで言ってないんだけど。

ただ、いつも甘々なことを言ってくるから。


「怒っては無いけど。 俺の恋人は危機感ないなとは思うことがある


「…?」


そんなの言われたことないから初めて。

もしかしてずっとそう思ってたの?

なら、言ってくれていいのに…

最初は理解できないけど、話してくれたら少しは出来るかもしれないし。


「翔くんは逆に嫉妬しないの?」


「するけど…、切なくなるかな」


俺は自分が善人では無いし悪人でもないけど恋人に相応しいとも思ってない。

綺麗な女性といた方が華があるのに…

俺といると華が無い。

愛想笑いは必要かもしれないけどそこまで優しくする必要ある?ってぐらい他人に優しい。

 

「…」


この人を泣かせたいとか怒られたいわけじゃない。

恋人でいたいし別れたくはない。

けど、お似合いかと聞かれたら似合わないだけ。

そして、色んな人に優しくすればするほど特別感が減ってしまう…たったそれだけ。

それが引っかかるんだ。


「ごめん…」


明暗が大きいな。

明るい日もあればこんなふうに暗い日もある。

だから順風満帆な恋人生活ではない。


「話してても思ったよりも根本的なことと言うか本音の本音が話せてないかもね」


「そうだね」


「そこまでの思いさせてごめん」


「俺こそわがままでごめんなさい」


よく良く考えれば俺のワガママでしかなくて。

困るよな…こういうの。

潤は首を横に振って俺を抱きしめてくれた。


「ごめんなさいして満足するの?」


「え?」


「無理して我慢して謝られても嫌だ」


確かに…

謝ってもきっと続いたらずっと思うことになるな。


「でも…」


「俺も本当は他人に笑顔向けるのは苦手なんだ」


「嘘…」


全然そんなふうには見えないな。

だって、いつもニコニコとしてたし。


「まぁ、笑顔でいれば人は警戒心が減るからね。人との付き合いは大事だし、先生だからね?」


「なるほど…」


「そうだな、先生じゃない時は少しやめようかな。人付き合いは大切だけど恋人が嫌がることをしてたいわけじゃないから」


人付き合いか…

確かに高校卒業してからは人付き合いは減った。

潤が嫉妬するからもあるけど。

なんか人付き合いが面倒で。

大学は広くて色んな人がいるけどそんな大勢となんてとてもじゃないがきつい。


「そっか、確かに先生が怖いと嫌だな」


「でしょ? 何考えてるんだって思われてもなって」


「うん、それは嫌だ」


「でも、俺、翔くんに向ける笑顔はちょっと違うと思ってたんだけど? それに翔くんだって俺に向ける笑顔は他の人とは違うと思ってるよ」


そうなのか。

俺は潤にはまた違った笑顔なのか。

まぁ確かに潤は俺に甘ったるい笑顔をしてきたり常にニコニコって訳でもない。

よくよく思い出せば違うって分かる。


「不安だったのかな…焦ったみたい」


「確かに恋人になったばかりでもないからね。違う意味で焦るよね」


「好きなんだ、それは変わらないのに…」


すると潤は俺にキスしてきた。

あー、なるほど、キスは1つ安心させるおまじないだな。


「色々とカップル見てたりなかなか恋人の時間取れないとそうなるよね」


最近潤との時間がなかったらかも。

潤は生徒の引率で儒学旅行について行ったし。

まぁ今年は担任を持ってるわけじゃないんだけど。


「お願いだから抱え込むのはやめようか。 うん、言って喧嘩になるかもしれないけどやっぱり言ってくれないと分からないし」


「分かった」


「大好きだよ、どんなに他の人に告白されても俺は翔くんが好き」


んー、冗談で告白も好きじゃないけど。

まぁいいや、潤が誓ってくれたから。


「俺も。 潤が好き。 こんなに心を動かされるのは潤だけだ」


初めてのお付き合い?みたいに戻ったかもしれないけど。

人生そう簡単じゃないからな。

戻ったりすることも大切な一日になるのではと思った。