SideS


ちょっと収録で切ってしまった薬指。

なれない包丁で久しぶりに切ってしまった。


「あれ? 翔さんと会うなんてびっくり


「そうだな」


たまたま俺が今日はこのお店で食べようと思って向かった店。

すると見慣れた顔があったので驚いた。

俺は個室に案内してもらったから一言程度になってしまったがまぁいいか。


と思っていたら松潤も俺の個室に入ってきた。


「左手薬指、怪我してるね」


「あー、切ったみたいでな、ちょっと痛いなって思ったら切ってたみたいで」


「ホントダメだね。 はい、これ、貼ってあげる」


「あ、ありがとう」


俺の怪我にすぐに気がつく松潤にキュンとする

あれ? どうしてそんなふうに思ったのだろうか


今までなんとなくそんなことはあったような。

でも、こんなにドキドキするのは初めてだ。


「じゃ、これで。 翔さん、奢ってね♡」


「え、あ、うん」


何を注文したのかは知らないがとりあえず奢ることで決まった。

俺もその後食べ終わり松潤の分も払って店から出た。


ーーー


あの後思ったよりも酒が回ったのかシャワーしてすぐに寝てしまったみたいだ。


「ん? 左手の薬指の意味?」


意味ってどういうことだ。

よく分からないでいる。

でも、ネットで調べてみることにする出てくる確率は低いと思うが。



あ、え、マジか・・・

片想いを両想いにさせる。

おまじない・・・


ふぅ・・・

落ち着け。今すぐに確認したい気持ちで山々だが整理してからにしよう。


松潤はこの意味を知っている。

でも、怪我してなければ貼る必要は無いから告るつもりはなかったってことか?


で、かけてみることにしたとか?

正直否定する要素はない。


だけど、だけど、俺の事好きだったことには気が付かなかった。


女の噂は絶えないしお互いに忙しいし。


「好きか。 ハハッ、面白いことになりそうだ」


自分の人生が松潤との恋によってどう変わっていくのかどんなふうに自分がなるのか考えるのは悪くない。


「なぁ、今度は俺が答える番か?」


どうやって伝えたらいいのかこういう経験あんまりないからな自分から告るのは初めてだし。


「幻滅しないでくれよ?」


カッコ悪くても悪く思わないでくれ。

冷静でいればいるほどおかしく感じる。

だけど冷静でいないともっとカッコ悪いだろうな。


それにしても好きって文字がよくよく見れば見える程度に書かれてあった。


潤らしくてクスッと思わず笑みが浮かんだ。

 

恥ずかしがり屋さんの潤が一生懸命願いを込めたんだな。



さて、電話して会える時間を聞かなきゃな。

なかなかすぐには会えないだろうけどな。