SideS
あの頃に戻りたい、戻れたらどんなにいいか。
現実は毎日事件や事故ばかりだ。
忘れちゃいけないことはわかってる。
仕事に誇りを持ってはいるけど毎日毎日早く早く平和な日に戻ることを願っているし平和にしないといけない。
「おかえりなさい」
「ただいま」
この子は俺の初恋の人に似ている。
まだ小学生なんだけど。
じゅんって名前だからかな。
いや、顔も仕草も似ている。
けど、俺の初恋の潤は任務中に・・・
殉職した。
恋人なんて作ってはいけないそんな暇は無いのは分かってはいるけど俺の部下だったし幼なじみだった。
お互いに同じ組織に潜入していたがあまり話さなかった。 俺の為、彼の為に。
もちろん会えない日が多いことはお互い分かってるから寂しい気持ちはなくはないが命の安全と情報収集が最優先だ。
それでも会えた日は恋人として出来ることはしたと思う。
「しょおにぃ?」
可愛いな。
甘い声はほんと似ている。
思い出す度に泣きそうになるのをぐっと堪える
じゅんくんが泣いてしまったらダメだから。
俺を心配してくれる優しさまで似ていて有り得ないぐらい俺の心臓をドキドキさせて。
苦しくさせるけどじゅんくんが泣くと罪悪感が溢れるからだ。
「なかなか帰れなくてごめん」
「うん、岡田さんが来てくれるから大丈夫」
「そっか」
岡田さんは俺の先輩だった。
けど、怪我をして入院して復帰するまでに時間がかかり今は俺の部下となっている。
見た目は怖く見られがちだが信念を持っている人だ。
「寝ようか」
「うん」
本当はもっと話を聞いてあげたいが夜中になってしまう。
睡眠不足は良くないからな。
人のことは言えない立場ではあるが俺は24時間仕事のようなもんだからしょうがないし仕事が嫌いとかではないからな。
自室でパソコンを開くと同期達で撮った写真が画面いっぱいに。
あまり写真は残せないがこれだけは残しておきたかった。
大切な仲間でそれぞれ全うしていた。
みんなもう先に。
俺も俺もみんなと一緒にって何度も思う。
けど、この国を守りたいしみんなの分まで頑張らないと。
示しがつかない、まだ早いって怒れるだろうしな。
時間は止まってるようで進んでいるんだ。
例えどんなに過去に戻りたくても戻れないように。
寝るか、寝れないだろうが。
パソコンを閉じてベットに向かってダイブした
「あんな事故忘れられるなら忘れたいぐらいだ」
犯人が恐ろしい。
そんな犯人が憎いと思う。
けど、無事に捕まえるて同じようなことが起きないようにするのが俺の役目だ。
今、帰る場所がある限り俺は生きている。
「しょおにぃ・・・」
おや、今日はどうやら眠れないみたいだな。
まぁ無理もないな、じゅんくんは記憶力がいいからたまたま見てしまった一瞬の映像だけでも記憶に残ってしまうからな。
「おいで」
まぁ、俺も寝れないしな。
いつ呼び出されるのか分からないけど。
呼び出されなければ朝まで寝れるな。
じゅんくんの温もりで俺も自然と眠くなる。
寝顔も可愛いな。
ほんとこんな運命的というか奇跡的。
ある意味残酷的があるなんてな。
ーーー
「翔、お願いだから責めないで」
いつかあなたに伝えたいことがある。
今はまだ言えないけど。
でも、それでも責めないで。
自分が油断したからそれだけ。
誰よりも俺のことが好きなら分かってよ。
きっとみんなもそう。
あなたの寂しい気持ちが深く伝わってくる。
どんなに過去に戻りたくても戻れないのならせめて近くで見守らせて欲しいがそれはずっとは無理な話だな。
あなたには近くに大切な人がいる仲間がいる。
1人なんじゃないからね、それを1番分かって欲しいんだ。
じゃあね。 翔、俺の事件を解決してくれてありがとう。
ーーー
「しょおにぃ? しょおさん、起きて?」
潤・・・
また夢に出てきた。
ほぼ毎日夢を見る。
でも、それは入院先で見た光景だった。
「おはよ、じゅんくん 」
責めなくていいか。
前に進むか。
俺が生きている限り思い出は消えない。
向き合うか、自分にもじゅんくんにも。
「お仕事は?」
「ん、もうすぐしたら行かなきゃな」
「朝ごはん食べる?」
「んー、ちょっと待ってな?」
スマホを確認して時間を逆算する。
ん? 時間変更か。
この時間ならじゅんくんと朝食食べてても問題ないな。
「しょおにぃ?」
「食べる。 それと俺がお兄さんなのは限界があるかな」
「え?」
「もうすぐで俺、30になるよ? さすがにじゅんくんから見たらおじさんだろう?」
「そんなことないよ」
そうか?
まぁじゅんくんがそう思うならいいかな。
「じゅんくん、これからも帰れない日々は一段落終わらない限り続く。 それでも良ければいて欲しい」
じゅんくんとの出会いは潜入先で出会った。
バレてはいけない。
子供なのに賢くて大人びいている。
そんな子供を狙っていた組織に俺は腹が立つ。
そういう子達を狙っている。
そして育て上げるらしいがじゅんくんは逃げようとした。
ならば俺にやらせろと思った。
その始末をな。
既に酷い怪我を負っている。
とりあえず気絶してもらう。
そして、場所を移動させる。
その間に連絡して部下に病院に連れて行かせて俺の部屋に運んだ。
「うん、ここにいるよ? 僕はここしかないから」
「わかった。 あんまり友達と絡めてないだろ」
「んー、学校内では普通にお友達いるよ?けど、早く家に帰りたいから」
じゅんくんの先生からはいい評価は頂いてはいるが友達からはそんないい評価が少ない。
一人でいることが多いじゅんくん。
それは俺のせいだな。
仕事柄なかなか学校の行事に参加出来ないし保護者会とかも行けない日々。
そして母親がいない。
「本当に?」
「沢山はいないけどね。 授業の質問に答えると話しかけてくるよ」
それはちょっと違うような。
じゅんくんが学校で嫌な思いをしてなければいいが。
「そうか。 楽しいならそれでいい」
「うん」
ゆっくりする時間も悪くないな。
忙しい毎日にこんなゆっくり出来るなんてな。
幸せは近くにあるのに見てなかった自分。
幸せになろうとも思えなかったけど。
改めて人を守りたい気持ちが増えた。