今年もこうしてツアーが出来て嬉しい。

間近で見てきた努力が報われている。


ステージに立っていると色んな気持ちになる。

どんな所でも松本潤なんだよな。


ファンの皆さんには受け入れてもらえているかはよく分からない。

 

人それぞれだからさ。


俺は具体的に発表はしていない。

会見を開いたわけじゃない。

ファンクラブには少し書かせて頂いた程度。


彼女は一般とか芸能界とか様々な噂になっている。 それは俺が言わなかったからだ。


潤のことは公表はそのうちするかも。

そうしたい気持ちはあるけどそれは公私混同じゃないかと思ってしまう。


ステージ上では外してもいいのではと思うけど人っていつどうするか分からない。

信じている人でも俺がつけてないきっかけでトラブルが起こるかもしれない。


挨拶するのもちょー緊張。

でも、そこで語るのは違う。


いつも通り盛り上がったことが全てでは無いのかなと思い俺は一安心した。


潤は明日の確認があるから俺たちよりも少しホテルに戻るのが遅くなる。


ちょっと不安な気持ちになってしまう。

でも、潤が目線を合わせてくれて大丈夫だなと思いメンバーとホテルに戻った。


それからちょっとして潤が俺の部屋に来てくれた。


「どうした? 怖かった?」


「ほら、今回初めてじゃん? 潤につけてもらってからは隠してないからさ。 あの人の時は衣装で隠してたけど」


「そっか。 うん、でも、会場にいた皆さんは悪く思ってる人はいなかった。 おめでとうって書いてあったでしょ?」


書いてあった。

でも、それって本心で喜べてるのかなって。


「分かってる」


「じゃ、後はしょおくんがいつも通り一生懸命頑張ればいいんじゃないかな」


「いつも通り?」


「うん、そう。 しょおくんは頑張ってる。 心配するぐらい頑張ってる」


「そうかな」


「だから大丈夫」


俺が不安すぎたのかな。

相変わらず優しい。


「ありがと」


「最終日残ってるけどいい?」


「やるの?」


「最後まではしないけど」


そのパターンか。

でも、少しその前向きな気持ちを分けて欲しい


「いいよ」


キスしてベットに誘った。

なんかこんなに悩んで悩みまくるのも違う気がする。

いつも通りやれることをやって頑張れるだけ頑張るしかないんだ。


「近いうちではないけどオリピック前までには公表しよう」


「え?」


「その時はきちんと丁寧に伝えよう?」


そっか。 

潤はいつかはきちんと伝える気だったんだ。

俺よりもちゃんと考えてて情けないけどタイミングなんて何時が正解かなんて分からないけどもう30半ばだ。


「分かった。 それは一緒に決める」


「ありがと」


俺よりも未来を考えているな。

でも、そんな潤について行きたい。

これからもその先も。

この仕事がどうなっているか分からなくても。


悩むことはたまにあっても沢山悩んで決めて繰り返す日々だけどそれを必ず一緒に悩んでくれたり不安を無くしてくれる。


まぁ色々な出来事あってそれでも今はそれ以上に幸せなんだから。


「お前、どこ見てる?」

 

「え?」


「よそ見するなんて失礼だな~」


今さ、俺は潤と向き合っているはず。

だけど潤はちょっと心にあらずみたいなぼーっとした感じだ。


「ごめんなさい」


ふふっ、シュンとしてる。

怒ってないし。

でも、可愛いからつい。


「そんな暇あるなら早く愛して欲しいな」


思わず笑ってしまう。


「何で笑うの?」

 

「ちょっと強く言ったらシュンとするところ変わらなくてさ。 可愛いなって」


「相変わらず酷い」


「へ? なんでか分からないけど。 いいじゃん幸せなんだし」



そこを気にする必要は無い。

そういうところが見えるのも俺だけだと思ってるから。