Rolling days13 



それから夏が終わる頃、専務に呼ばれた。


「どういうことか分かるでしょ」


それは潤と俺の写真。

だけど2人でいる分には問題ない。


「これが何か」


「結構な頻度で松本君の家に向かっているね」


「そうですね。 仲がいいので」


問題だと言いたい?

プライベートでも仲良しだってことだけ。

他に証拠でも?


悪いけど家の中以外でスキンシップはほとんどしない。


「本当にそうなのか?」


「ええ。 メンバーは大切な存在。 松本とは友達でもあるのでよく一緒に遊びますよ」


「なら、なんでColorが変わっているのかな?」


なんでか。

それが一番だよな。


「私には既に心の中に大切にしている人がいます。 確かにあなたのGlareはとても強く誰にも負けないというのはよく分かりました。 ですがColorを外した時点で私はあなたとのお遊びは終わりです」


そう。専務との信頼を勝ち取って演技して我慢した結果だ。

  

「とても辛くて苦しくて悲しくて泣きたい思いが沢山でした。 専務の好きは一方通行です。 もし、今、私を連れ去ったり性行為に及んだ場合は法律違反ですよ? 捕まりたくなければ大人しくしておいた方がよいかと」


専務に言いたいことは沢山ある。

けど、もう、専務と顔を合わせるのは嫌だ。


あなたの仕事の情熱は嫌いじゃない。

けど、あなたを見るとあなたの視線や言葉、手や嫌な思い出が蘇ってくる。


事務所にとって必要な人だとは思う。

けど、これ以上被害者が増えないようにしたい


「でも、すぐにはめられるのはメンバーしかいないよね?」


「そうですね。嵐全員仲がいいので。 ですがメンバーと仮に恋人だとしてそれをバラすのでしょうか? 本当かどうかなんてそう簡単に教えるはずありません。 バラしたいならバラすのは結構ですがちゃんした証拠がないと痛い目にあいますよ?」


そう言って専務の部屋を出た。

専務、そのうち大変な目になるから。


俺達はスキンシップするから普通に仲がいいんだなって思われるだけ。


潤は車で待っているから駐車場に向かう。


「どうだった?」


「付き合ってるのかってさ。 ちゃんとした証拠がないからリークしても痛い目になるな」


「ふふっ、事務所内からの不満があるからね」


俺がColorを着けるようになると事務所の人もそれこそ先輩や後輩もつけるようになった。


「社長が認めてくれたからつけやすくなったしボソッと不満を言えるようになったな」


「ふふっ、ボソッと。 社長が動いたら専務はやめさせられるね」

 

「潤、大丈夫だよな」


「うん、大丈夫」


多分リークすることは無いだろう。

家に帰ると甘やかしてくれて。


「可愛い」


「うん」


「ふふっ、キスしたい」


「俺も」


俺もキスしたい。

ん、なかなか俺からリードは出来ないがそれでもいいかと思い始めている。


ベットまで遠い。

珍しくソファーに押し倒された。

ふふっ、お互いに余裕ないな。

俺も早く欲しくてたまんない気持ち。

服脱ぐ時間もいらない。


「ん、じゅん・・・」


半分脱がされたな。

シャツとズボンを脱がされパンツとTシャツはそのまま。


薄いからか反応しやすい。


「好き・・・」


「ふふっ、それは俺も」


「ぁ、出ちゃう・・・」


「いいよ、汚しても洗ってあげる」


それは、とても恥ずかしい。

けど潤が手を止めることがないから出ちゃって濡れているのが分かる。


「潤・・・」


「ふふっ、泣かなくてもしてあげるよ?」


「違う・・・」

       

潤に愛されるだけで涙が出てくる。

どうして?    

  

不安じゃない、嬉しいはずなのに。

 

「んー、それって好きってこと?」


「え?」


「最近、幸せなほど泣きそうな顔をするから」


幸せなのに泣きたくなるって。

よくわかんない。


「そうなのかな」


「でも、それっていい事じゃん」


「え?」


「それだけ幸せで大切でだからこそ泣きたくなる気持ち分かるよ。 しょおくんの場合、感じすぎて啼くけど」


おい、後半はちょっと違うだろ。

それはやめてくれ。


恥ずかしいじゃんか。


「ん、そうかも」


「嬉し涙なら止められないね」


「・・・バカ」


「ふふっ、愛してる」


「ん、俺も愛してる」


ギュッと抱きついて潤の胸に顔を埋めた。

甘い匂い、甘い香り。


「しょお」


「何?」


「呼んだだけ」


「そう。なんか特に言いたいことないのに呼びたい時ってあるよな」 


「そうだね」


同じなんだな。

そう思うと嬉しくてまた溢れちゃいそうだからまた胸に顔を埋めた。