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SideJ


俺の恋人はとっても可愛いしょおくん。

初めて会った時に一瞬変な気持ちになった。

けど、街中で会った時にドキッとしてしょおくんとなら恋を成長させたい恋人にしたいって思った。


「しょおくん」


「潤・・・」


今日は仕事から帰ってきてしょおくんの家に向かった。


しょおくん、何かあったな?

涙目になっていた。


「どうしたの?」


しょおくんは困った顔をして


「俺、凄く心狭い」


と言ってきた。


心が狭いかどうかそんなのは俺には関係ないと思ってる。

好きな人が心が狭くたって俺にな好きな人に変わりないし。


「今日発売されたじゃん?」


「あー、エッセイね?」


「そう。 それ、ラスト1冊だったの」


俺のエッセイは初めてだから増版することはあると思うけど雑誌と比べたらそこま多くは用意していない。


「うん、しょおくんはどうしたの?」


「あのね、渡せなかった。 俺は潤を独り占めしているのに買いたい人が困った顔をしたの。 でも、ラスト1冊俺は譲ることが出来なかった」


可愛いお話だな。

そっか。 それで心が狭いと。


「しょおくん、それはあるあるだよ? でも、ちゃんとそのうち本屋にエッセイ置いてあると思うから次はその人が買えたらいいね? ネット販売はまだ続いているからネットで買うのもありだし」


「でも・・・」


「それだけ手に取ってくれてるのは嬉しいな。大丈夫だよ、まだその取れなかった人もチャンスがあるんだから。 俺がもし発売日に本屋に行ってラスト1冊を他の人に取られちゃったらショックな気持ちはあるけど他のところを探したりネットだったりってその日は無理かもしれないけど諦めない」


ファンの人の心理ってそんな感じなんじゃないかな。

ショックを受けてそこで終わりじゃなくてどうするかを考えたら選択肢は沢山出てくる。


「そっか。 俺は冷静になれなかったんだ」


「しょおくん」


「違うの。 落ち込んでるとかじゃなくてやっちゃった以上は次の新しいの発売された時にもっと冷静になって考えようと思う」


そっか。 それなら良かった。

落ち込んでいるしょおくんを慰めたくて必死に伝えたけど。

俺は語彙力や文章力やコミュニケーション能力とかないからさ。


「しょおくん」


「潤・・・キスして?」


「いいよ」


軽くキスするとしょおくんは俺の胸に顔を埋めた。


「俺、一度事務所からスカウトされたことあるんだ」



「え?」


それは初めて聞いた。

でも、しょおくんのスタイル見た目ではなれると思うけどしょおくんは断ったってこと?


「自分にイメージがない。それにキャーキャー言われるの嫌だし。 俺は自分が前面的に出るのが嫌で。 いつも後ろ向きな俺には潤が明るく見えたんだ


「え?」


「潤に前向きにさせてくれて俺は自分なりに前を向こうって思えた」


そうだったんだ。


「しょおくん、嬉しい」


そんなこと言ってくれるなんて思ってなかった

たまにいるけど。 


「良かった。 俺、何にも出来ないからさ。才能なんかないし」


しょおくん、自分を下に見すぎているような気がする。 人それぞれ自分に合った道を歩んで欲しい。


「しょおくんは誰よりも推しの気持ちを知ってる。優しい心を持ってる。 んー、例えばだけどバーを作ったりしたらどう? しょおくんがメインになりたくなければ裏方の仕事とか」


それに俺だって才能なんかないよ。

だから努力なんじゃないかな。


「そんなこと考えてくれるの潤だけ」


嬉しそうに笑ってくれた。

それだけでも嬉しい思いをする俺は幸せ者だな。