夢と記憶 は先に読んでも後に読んでもどちらでもいいですし読まなくても大丈夫なような感じですがリンクは貼っておきますm(*_ _)m 



SideJ


しょおくん、僕を庇って事故にあって記憶喪失になってから僕に対しての記憶が無いみたい。


「大丈夫ですよ。 潤くんには強い愛がありますから」


「それに、しょーちゃん、潤ちゃんのこと気にしてるよ」


そうかな。

僕のせいで事故にあったから恨んでいるんじゃないかって。


何も出来ない僕をしょおくんは


「その考え方やめな。 泣くのは簡単だ。 自分に出来ることでいいんだ」


と言ってきた。


いつも僕はなかなか考えられなくて人に意見を求めてしまう。 いつも自分でいざという時に決められない。


だって、合っているか分からないから。


しょおくんに近づくのが怖くて僕から話しかけることは無かった。


「教科書見せてくれる?」


「え?」


「忘れちゃったみたいでさ。 いいかな?


しょおくんは完璧だから忘れたなんてビックリする。


「どうぞ」


ドキドキする。

しょおくんのこと好きだけど。

しょおくんには好きな人がいるみたいだし。


でも、こうして隣にいられるだけでも幸せだ。


「良ければお昼、一緒に食べない?」


「僕と?」


「ダメ・・・かな」


「いいよ」


お昼一緒に食べると嫌な視線が僕に集まる。

しょおくんは人気者だから僕がしょおくんと食べていることが気に入らないみたい。


「ご馳走様でした」


「え?残しちゃうの?」


「食欲無いし」


この視線では食べにくい。

毎回せっかく手作りで作って朝早く起きて美味しく作ったはずなのに。


「俺が食べていい?」


「どうぞ?僕、御手洗行ってくるから」


廊下に出てトイレに行った。

あの視線だけはどうしても気分が悪くなる。


トイレから出ると女子達に捕まった。

僕は女子が嫌いだ。

視線だけ口だけそんな女子達が特に嫌い。


「毎回翔様に守られてて恥ずかしくないの?」


「どうしてあなたが翔様と一緒なの?」


「独り占めしないでよね!!」


だから嫌なんだ。

しょおくんといたくてもこうして捕まってしまう。


「別にしょおくんから誘われたんだし席が隣なのもたまたま。 独り占めしてない


失礼な人たち。

それでも納得しないんだから。


女子たちは僕の顔を叩いたりお腹を蹴ったり足を蹴ったり。


「馬鹿なんじゃないの? 1体1で攻撃できないなんて情けないな~


それは僕に対して?

それとも女子達に対して?


「翔様、どうしてこの子を庇うの?」


「弱虫じゃん」


「バカじゃん」


「なのにどうして?」


しょおくんは僕をじーっと見て


「お前らよりかは強いよ? あんたらイチイチ潤に付きまとったり言うこと聞けなければ暴力になったり有り得ないんだけど」


と言った。


「今回は潤は意見を言った。 それを聞こうとしないお前達の方が悪い。 てか、二度と潤や俺に近づくな」


しょおくんは僕を抱き上げて保健室に向かった


「痛いか?」


「大丈夫」


「まぁ、急変したら病院行きな。 暫く二人きりにさせてあげるよ」


どういうこと?

2人きりになるとしょおくんは僕の髪の毛を撫で始めた。


「潤、ある意味俺のせいだな。 ごめん」


「大丈夫だよ、しょおくんが悪いわけじゃないし」


「せっかく誕生日なのにな。 潤の弁当食べてたから思い出した。 誕プレ何が欲しい? と言うより何か言いたいことあるんじゃないの?」


しょおくん、記憶戻ったんだ。

そう言えば今日は僕の誕生日だったね。

すっかり忘れていた。


言ってもいいのかな・・・


「しょおくんが欲しい。 好きだから」


しょおくんは僕にキスをして


「ごめん。俺ずるいな。 伝えたいことあるのにいざとなるとなかなか言えなくて。 潤が好きです。 女子達の視線はこれからは気にしないで?怖かったら俺を見て?


「分かった」


「じゃ、早退しちゃえ」


「え?」


だって、今痛くないのに早退するの?


「少しでも潤と一緒にいたい 」


僕の誕生日ってこともあり僕達は早退してお家に帰った。


「俺さ、好きになることが初めてだった。 誰かを好きになることが」


「そうなの?」


彼女いたっておかしくないのに。


「だからつい俺だけを見て欲しくて意識して欲しくて潤の本当の気持ちを考えずに傷つけた。 」


「最初は傷ついたけど間違ってない。 しょおくんみたいになりたかった。 そんな僕が嫌だからしょおくんはアドバイスしてくれたのかなって」


しょおくんは僕にキスをして


「でも、心の強さを知った。 思っていることはあってもそれをなかなか言えないだけであって何も考えていない訳ではなかった。 前世では潤を恨んでしまった。 でも、潤の素直さに惚れたからまた会えて嬉しい。 ずっとずっと会いたかったんだ」


少しずつ話してくれた。

前世っていつのことだろう。

それに僕、しょおくんと会ったことあるっけ?


「分からないんだけど」


しょおくんは苦笑して


「いいよ。でも、今は好きだし愛してる。プレゼント買えてないから沢山愛してあげる」


「・・・//」


これは嬉しいような嬉しくないような。

しょおくんと結ばれるって意味では嬉しいけど沢山だと僕の気持ちがいっぱいいっぱいでドキドキが高まりすぎて気絶しそう。


「ふふっ、今日から俺だけの潤だ」


その後は沢山キスして貰ってイチャイチャして僕の大好きなモンブランケーキを買ってくれた。


「しょおくん」


「ん?」


「ずっと愛してくれる?」


大人になっても生きているまでずっと。


「不安にさせたならごめん。 滅びぬ愛、潤とはそんなふうに思ってるよ。 記憶が無くてもきっと潤を好きになる」


「ありがと」


大好きだよ。

そんなふうに思ってくれて。

永遠ってことでしょ?

僕としょおくんは幸せってことでしょ?

しょおくんがちょっとだけ怖かったのに今は凄く優しく見える。


僕が怖がるからきっとしょおくんも素直になれなかったんだ。


見ただけで怖がるなんて普通嫌でしょ?


「潤?」


「しょおくん」


これからは幸せなんだから怖がらなずに寄り添ったり甘えたりすればいいんだって思った。