SideS

男に告白されるのは初めてだ。

だけど可愛い。

潤くんが恋人になったらなと思うといいかもと思う。

でも、いいのだろうか。

カズくんはきっと潤くんのこと好きだと思う。

それを奪ってもいいのか?

年数が違う。

それでも潤くんが俺を選んだんだ。

そう思うと俺は絶対に幸せにしないといけないと思った。

「しょおくん?」

「可愛い」

「ふふっ、それはよく言われる。 でも、僕は男なんだ。 変だけど僕は女の子なのかなって。 どう見ても男だけど好きなこと好きな物は女の子みたいなことが好きだから」

そうなんだ。
いや、別に趣味とか思考ってそれぞれだし 。

「別にいいんじゃないの? 人の趣味にあれこれ言う方がおかしいと思う。 出来ないことを馬鹿にされるのは嫌だから俺は突っ込む趣味ではない」

逆に出来なくて何が悪い?って感じだ。
出来ないものは出来ない。
嫌いなものは嫌い。
苦手なものは苦手。


それと同じことだと思う。

「さとにぃたちにね? たまに聞かれるんだ。 男が好きなのかって。 女の子にはドキドキしないけど男に必ずドキドキする訳でもない。 頼りになりそうな人が好きって感じかな」

なるほど。
智さんの話を聞く限り確かに聞きたくはなる。

でも、潤くんからしたら聞かれる度に辛いのだろうな。

信じている兄さん達に聞かれるんだから。

「実はね、何回かあるんだ。 痴漢って言うのかな。最初は分からなかったけど友達にそれは痴漢だと言われた」

ありそう・・・
襲いそうなのが目に見える。

「智さんには言ったの?

「言ってないと言うより言えない」

智さんなら相談に乗ってくれると思うけどな。
でも、そりゃ言えないよな。

「そっか。 じゃ、俺だけに言ってくれたのかな? それならお兄さん達には言わないよ」

「ふふっ、ありがと」

そんなある日2人きりでデートした。
楽しかったし好きだなと思った。

潤くんからの電話はなんだろうかと思ったが智さんだったからビックリした。

智さんの言いたいことは察したからいいけど。
潤くんが泣いていることにはちょっと。

どうにか泣き止んで。

初めてだな。 俺の家で泊まってくれるの。

「ふふっ、しょおくんのお家初めてじゃないのにドキドキするね?」

「泊まるのは初めてだからな」

「うん」

甘えてくる姿は可愛いな。

「潤、寝よう?」

「うん//

呼び捨てにした途端 潤は頬が赤くなった。

「ふふっ、そんな潤が好きだよ」

「しょおくん// んもぉ、バカ」

俺の胸に顔を埋めた。
可愛い。 可愛すぎる。

「潤、キスしても?」

「・・・ヤダ」

「え?」

好きな人同士ならしてもいいはずじゃ・・・

「ウソ、沢山して?」

なっ・・・

ずるいな。

そんな、首傾げてさ。

そっぽ向いたくせに。

「キスだけじゃ足りないな。 ゆっくりとするから触れるだけならいいかな?」

怖がらせたくない。
そりゃ初めてなことだし。

「うん

人を恋として好きになったのは初めてだから知識はネットで調べた。

優しく触れて感じてくれる。

「潤、怖い?」

「大丈夫だよ? 変な声出ちゃって恥ずかしいけど」

「大丈夫、可愛いよ?」

「・・・//」

愛してあげたい。

「潤・・・」

「しょおくん・・・」

「次、俺の家に泊まった時は最後までしても?」

潤は嬉しそうに頷いた。

焦らなくても大丈夫だな。

ん?

スマホが鳴った。

「誰?」

「智さんだ」

「さとにぃ?」

にぃってほんと呼び方が可愛いんだけど。
ちょっと羨ましいと思うな。
潤の兄さん達が。

「カズくんと智さんは恋人になったって」

「ふふふっ、カズにぃ、さとにぃに負けちゃったね?」

「え?」

「だって、さとにぃはカズにぃのこと1番知ってるもん」

そうなんだ。
まぁ。確かに。

智さんには叶わない気がする。

でも、それでも俺は潤が好きだから。

あれこれは聞かれるだろうが。

とっても幸せだという証拠でもあるから。
毎日幸せな1日を潤と過ごしたいと思った。