潤か。
潜れなくはない。
水が怖いのかな。
何故か2階に迎え入れちゃった。
自分の家ではないけど心配だった。
あれは1人になると不安になるタイプだと思ったし綺麗さ的に狙われると思ったからだ。
「翔くん、いつもありがとう」
「楽しいから大丈夫、勝手に上げちゃってごめんね。」
謝ると智くんは
「んふふ、大丈夫だよ。 美しかったね?」
「そうだね」
そして可愛い。
あの可愛さはやばい。
女のではないのにめっちゃ可愛い。
「あの彼、毎年来てるよね? 可愛さも残ってて素直な子って感じ? でも、最近何か辛そうに見えたんだよね」
「辛そう?」
俺にはそんなふうには見えなかった。
「うん、だからこの海見てる時はと言うかここに来てる時は辛い気持ち忘れて欲しいなって」
智くんにはそんなふうに見えたんだな。
智くんの観察力は優れていると思う。
そう思っていると突然俺に向かってタックルしてきた。
「しょーちゃん!!」
雅紀、相変わらずなテンションだ。いい意味だ。 ムードメーカーみたいな?常に笑顔な人。
「俺じゃなくて智くんにしてあげたら?」
すると雅紀は智くんにギュッと抱きついた。
「おかえり、雅紀くん。 」
智くんと雅紀は付き合っている。
恋人同士だ。
男同士なんて初めて見たけどいいと思う。
幸せそうな2人を見ればなんの文句も無いから俺的には男が好きって感じでは無い。
雅紀もそう。 女が好きだけど智くんを好きになった。
智くんはゲイなのかな。
女の子とデートするところは見たところないからな。
俺は何度か彼女とデートはしたことあってもキス止まりだった。
その先がなかった。
だから、別れることもあるし。
俺から振ることもあったし。
情熱的な恋と智くんが言っていた。
そんな恋なんて出来ないと思っている。
「智・・・上行こ?」
「んふふ、いいよ? 」
あー、これからキス以上なことするんだな。
「じゃ、智くん、帰るね?」
そう言うと
「翔くん、夕飯食べて欲しい」
イヤイヤ。 貴方今からキス以上なことをするのにそれに耐えながら待てと?
智くん、10歳の時に親が離婚して。
15歳で父親を亡くした。
ここは智くんのお爺さんが建てた家。
そこを智くんのお父さんはそこを守りたい思いがあった。
智くんも同じように守りたい。
寂しいんだろうな。
でも、今日は雅紀がいる。
「夕飯食べたら帰るね?」
「うん」
雅紀に目線でお預けにしとけと伝えた。
智くんの飯は相変わらず美味い。
「翔くん・・・」
「ん?」
「雅紀くんと付き合ってるからって遠ざからないで?」
え?
遠ざかっているつもりは無いけど。
「智くん、遠ざかってることは無い。 この店手伝い気持ちはあるし。 それに、雅紀という恋人がいるでしょ?」
恋人同士なら恋人同士の時間が欲しいと思う。
「そうだけど、寂しいんだ」
んー、どうしてあげたらいいのだろうか。
智くんがそう思ってるならもう少し居てあげたいけど。 キス以上のことされても俺は寝れない。
「雅紀くんといる時間が好きだけど翔くんといる時間も好きなんだ。」
さて。 どうするか。
智くんの寂しさを埋めるには・・・
それは恋人の役目なんだよな。
「智くん、僕も智くんと一緒にいる時間は好き。だけど、恋人同士で目の前でイチャイチャされたらちょっと恥ずかしいんだ。 泊まってあげたいけど愛される声を聞いても複雑なんだ。」
そう言うと智くんは少し頬を赤く染めて
「そ、そうだよね// 僕も後から恥ずかしい思いする」
智くんが照れる姿は珍しい。
「ね、30日、潤をここで祝ってもいいかな?」
智くんは嬉しそうに
「んふふ、彼のこと? いいよ? いい思い出にしてあげないとね」
と言って一緒に考えてくれた。
思い出になる誕生日にしてあげたい。
プレゼントはまだ決まってないけど。
気持ちはちゃんとあるんだ。
頑張らなきゃなと思った。