次の日は朝は一緒に食べた。
午前中に先生と蓮さんが帰った。
「しょおくん、鳴ってる」
「珍し、電話なんて」
しょおくんは電話で話している。
「そうなの? ん、分かった。 切るよ?」
しょおくんは切ると
「母さんからで1周旅行は終わったけど新しい家に住むだと。」
「え?」
「俺達のこと知ってるからな。 それだけの理由じゃないけど。 一日だけこっちに帰ってくるからって。」
「ママに会えるの?」
「うん、あと1週間後だけど。」
「ふふっ、そっか。」
「良かったね? 何度かLINEでやり取りしてたんだけど」
「ずるい」
「潤の母さんは手術で取れる範囲に減ったんだって。 それで手術して退院して。 だから、まだ生きられると思う。 潤と会いたいと言ってたらしい。」
ママ・・・
会えるんだ。
忘れてた時が多かったような気はするけど。
「潤、大丈夫。 潤は今幸せ?」
「うん」
「なら、それでいいんだよ。 幸せに暮らしてることが母親の願いなんだと思うんだよ。」
なるほど。
「それに俺だって忘れてた時期はあるから。 」
「うん」
「大きくなっても変わらない可愛さ。 あ、増えちゃったかな。 それは大変だけど。 間違えなく潤の母さんは潤を見て可愛い天使が成長したんだって思うはずだから。」
可愛い天使って・・・
僕は何でそんなふうに言われてるの?
「しょおくん、僕、天使じゃないよ?」
するとしょおくんは
「その可愛さと優しさと素直さ。 赤ちゃんの頃から天使なんだ。 よく言ってた。 潤の母さんは可愛い天使と何度も言って可愛がってたよ。」
そ、そうなんだ。
「しょおくんは覚えているんだね?」
「んー、洗脳に近かったも。 何度も言われてきて繰り返してきた。 でも、最終的には俺もそう思うから別に洗脳じゃないけど。 潤がいつか俺の元から羽ばたくんじゃないかって思う時があるぐらいだよ」
離れ離れになったのはしょおくんにとっては1番辛かったんだろうなと思った。
「ごめんなさい」
しょおくんが変わったのはきっと僕のせいなんだね。
「そんなに謝らないで? 今が幸せなら問題ないから」
僕はしょおくんと幸せになりたい。
「潤、泣きそうな顔しないで?」
「うん」
「潤の気持ち分かるから」
ママが帰ってくる前日まで僕は幸せになりたい気持ちと罪悪感でいっぱいだった。
そして、ママと久しぶりに会った。
「元気にしてた?」
「うん」
「少し心配だけどその必要はなさそうね」
ママはしょおくんの方に視線を向けた。
「定期的に病院へ通うことはあるけど今のところ大丈夫。 潤と会えるように近くに住むことにするわ。 ここでもいいけど・・・気を使って欲しくないから。」
「一番の理由って付き合ってるからだよね? 」
「え!?」
しょおくん、どういうこと?
ママとしょおくんママが付き合ってるの?
「何となくだけど。 闘病中に1番支えてたのは母さんだ。 だから、そんな母さんを見て恋に落ちたのかなって。 」
そうなの?
「バレたようね・・・。 」
恥ずかしそうだけど。
本当の話らしい。
「ママ、幸せなの?」
「ふふっ、そうね。 幸せだね。 」
うん、なら、良かった。
ママが幸せならそれでいいと思う。
しょおくんママってカッコイイもんね。
「しょおくん」
「ん?」
「いつから知ってたの?」
しょおくんは少し考えて
「んー、何となくだけどアトバイス?貰った時かな。 でも、ほんとは出会った時から好きなのかなと思う。」
そうなんだ。
ママたちは今日は泊まることになった。
もっと話せると思うと凄く嬉しいと思った。