SideS

可愛い。
けど、急に大きくなった潤くん見ると僕でいいのか自信がなかった。
 
潤くんが病気かもって話を聞いて僕のせいならと思うと先生に任せた。

まだ治らないのかな。

もう、心がよく分からなくてこれで良かったのかダメなのかも分からない。

智さんは僕を好きって言ってきた。
誰を思ってるかは知らないけどそれでもいいからって。

智さんは僕を甘やかしてくれた。

だから、気が楽だった。

抱かれた気持ちは楽になったから良かったけど
こんなのでいいのかと思ってしまう。

卒業式、潤くんの見に行ったけどやっぱり自信はない。

僕の潤くんからどんどん遠くなってきた。

ビデオをお母さんに送った。
すると

好きな人は全力で奪うって書いてあった。
悩んでも悩んでも溢れてくるなら奪っていいって。

付き合ってたことも別れたとこも知らないはずなのに・・・

可愛い天使ちゃん・・・

僕が弱くてごめんね?

医者ではないからなおせないし。

僕は頭が少し痛くなりながらも眠った。


ーーー

ん? また記憶か飛んだのか・・・

俺は時計と日付を確認した。

何となく机の引き出しを空けてみると日記があった。

そこには俺の記憶がない時のことを書いてあった。

潤はあの先生の元での治療。

でも、帰っては来ない。

そして、忘れられてる・・・

ちっとも面白くない日記。

でも、読んでるうちにだんだんその日の記憶が蘇ってくる。

さて、どうするか。

何をするかだよね。

てか、何で疑わなかったのか疑問過ぎる。

俺ならきっと1度は疑ったと思う。

でも、今更そんな反省したってしょうがない。

もう一度会いたい。

それが出来るなら・・・

いや、出来なくないかも。

何処にいるかは知らないけど潤にはカズがいた

何かしら分かる気がする。

カズを家に呼んだ。

「潤くんは今、高校には行ってません」

「え?」

「あの先生のことも聞きます?」

「アイツと一緒なのは分かってる。」

「ええ。 あの先生医者みたい。 今は、医院長で潤くんは秘書としているみたいだよ」

なるほど。 

「多分だけど潤くんは翔さんのことを忘れてる。最後に聞いた時、不思議そうな顔をしていたから。 まぁ、潤くんなら蓋をしちゃうだろうね。自分で蓋をしたのか先生がさせたのか。 どっちにしてもそのことも覚えてはない」

アイツ、手を出してたのかよ。

「それと、ちょっとだけ見えたけど。」

「何を?」

「潤くんはいつからは知らないけど媚薬を常に持っていた。」

何故、媚薬を?
本人は知らないで飲んでるってこと?

「時には強いのを飲んでたと思う。」

「マジか・・・」

「ええ。 彼は多分媚薬という名前は知らないけど多分症状はどんなのか分かってるはず」

そりゃそうだな。 教えなければ知らなくて済むような話だしな。

「で、取り返したい?」

「もちろんだよ」

「で、なんで先生一筋みたいな感じになったの?」

「病気かもしれないから暫く預かるって」

「まぁ、嘘はなさそうだね。 そのことに関しては。 あの先生も多分彼が幸せな方法を選ぶからね」

「で、その病院に俺達入れるのか?」

「父さんがそこで働いています。 父さんが連絡して医院長室に行けばいい。」

「ありがとう」

カズはニッコリと笑って

「翔さんが奪い返すのを待っていましたから」

そっか。
カズもアイツ嫌いだもんな。

潤、待ってて。

ちゃんと取り返すから。

怖さは無いとは言えないけど。

確証もないけど・・・

全力で奪い返すから。

俺も潤も怖さから逃げちゃうよな。

でも、やっぱり潤が好きな気持ちはずっと消えないから。