卒業式・・・
普通なら親が見に来るはずだけど君の親は見にこなかった。

お兄さんは後ろの方に参加していたのは見えた

君の親は確か母子家庭だからお母さんだけかな

寂しいだろうね。 そういう意味ではお兄さんがいてくれてこっちはホッとした。

ほんとに俺の言う通りにして君は今、色々とお勉強している。

「卒業おめでとう」

「ありがと」

「ふふっ、どこか食べに行く?」
 
「行かない、先生のお家がいい」

「ふふっ、君のお家でもあるんだよ?」

「そうだね、お家に帰りたい」

「分かった。」


家に帰って君の様子を見る。
特に変わった感じはしなくて安心した。

「ほんとにいいんだ」

「ふふっ、何回それ言うの? 僕が決めたことだよ?」

「そっか。」

「先生と一緒にいる時間が増えるでしょ?」

「そうだね」

「先生の1番近くは僕でしょ?」
 
嫉妬してくれてるのかな?

「まだ慣れないことばかりだとは思うけど頑張るね?」

可愛くて嬉しくてぎゅっと抱きしめた。

何日か経ち病院内を案内した。

「広いね?」

「うん、ゆっくりとでいいから覚えて?」

「うん」

父さんには条件を出した。

だから、君を雇うのには問題ない。

「明日から本格的な仕事が始まる。 高校の勉強も大事だから午後だけ来て欲しい」

「うん」

「もちろん、君が休みたい時にはやすめるようにはする。」

「うん」
 
「けど、高校だけは卒業して欲しい」

「頑張るね?

万が一他の職業に就きたい時に高卒がないと難しいからね。

「あ、でも、ネットで基本出来るからここでやる?」

「うん」

「分かった。」

君の成長が楽しみだね。
ただ、色んな医者に狙われなければいいけど。

意外と医者って俺よりも汚いやり方する奴何人かいるしな。

「じゃ、今日は帰ろ。」

「うん」

帰り道、車だから一瞬だけど君のお兄さん恋人が出来たみたいだね?

君に見えたかは分からないけど。      

君はお兄さんの名前を出さなくなったね。

もしかして忘れちゃったのかな。

確かに見えてるか見えてないかぐらいのギリギリな時が多いからね。

家に着くと電話があった。

元カレだ。

俺をフッた。

好きだった。

彼とならずっと一緒にいられると思ってたから

何の用だ。

だって、結婚したじゃん。

「どうしたの?」
 
「ちょっと急用できちゃって。 1時間~2時間ぐらいで帰ってくる」

「僕は待ってればいい?」
 
「ごめんね? 家で待ってて? お薬飲んで待っててね? いい子にしてたらご褒美あげるから」
 
「うん」

俺は待ち合わせ場所に向かった。

彼は既にいた。
 
「急に何?」


「離婚した、合わなくてね。子供も出来ないし。そりゃ子供が欲しくない訳では無いけど。出来ないのを僕のせいにされても。」

「子供はいないんだ」
 
「うん」

そうなんだ。 幸せに暮らしてたと思ってた。

「結婚したら忘れられると思った。 僕、臆病だからさ。 逃げちゃって。 友里くんは優しいから余計に・・・。 今でも好きなの。 結婚したとは聞いてないから僕にチャンスあるかなって。」

酷い。 今更・・・

「俺には今、付き合ってる子がいる。 」

「そっか。 そうだよね。  身勝手すぎるね」

そう言ってポロッと涙を流した蓮。
連が流すと弱いんだよな・・・

「俺も身勝手なこと言うけど。 今付き合ってる子が違う相手を好きになったら付き合うよ」

「待ってていい?」

「ずっと待ってるの?」

「だって、今回友里くん自信なさげだよ。 」

「相変わらずだな」

「ふふっ、友里くんが本当に幸せだったらこんな賭けしないと思うから」

バレてるか。

狡くてごめん。

蓮。 俺、近いかもしれないな。

今、心が揺らいでいるから。