SideJ

菊池さんは色んなことを予想していた。
だからこそきっと責めている。

僕がいけないのに。
それなのに菊池さん、しょおくんは助けようとしてくれる。

するとドアが開く音がした。

しょおくん!?

でも、違った。
相葉くんだった。

「これならしょーちゃんは来たか」

「もうすぐで来るよ」

「じゃあ、その前に排除しないと」

そう言って相葉くんは僕にナイフを向けた。

「潤ちゃん、夢の中だったけど現実だよ? 奉仕してあげたんだ」

え? うそ・・・

「ほんとに?」

「くふふっ、ほんと」

怖い・・・

菊池さんはスっと立ち上がった。

「殺す気ですか?殺したら貴方は刑務所行き。
貴方の仕事は無くなりますよ?」

菊池さんは凄く冷静だった。

「分かってる、そしたら俺も死ぬから」

自殺するつもり?

「困ります。 貴方にはファンがいるでしょ。 その人たちが可哀想です。 それに、翔様のことが好きなら伝えたらいいのに」

すると相葉くんは菊池さんにナイフを向けた。

「俺が言ったってなんの意味も無い。 ‪α‬の男性なんて好きになったってどうもないから。 」

そうだね。 赤ちゃんは産めないし。

「しょーちゃんがまともに恋してないのは分かってた。 ‪α‬の女性やβの女性をよく抱いてたもん。けど、Ωだけは無かった。 だから本気で恋をしてないんだなって。 Ωの女性なら祝えたかもしれない。 けど、Ωの男性だよ? 産めるし運命の番じゃん。」

‪α‬の男性も苦しんだりするのか。
僕は初めて知った。

好きになりたくても結ばれたくても結ばれない
好きになって貰えない。

こんなふうに苦しんでるのは初めて知った。

「貴方の気持ちはよく分かりました。」

菊池さんは相葉くんを睨んでいる。
菊池さん、怒ってる?

「でも、やっていいことと悪いことぐらい分かるでしょ? 最低最悪な貴方にΩの気持ちも分からないでしょう。 苦しいのは貴方だけじゃない。すっごく苦しんできた。 番を見つけるのだって大変。 殺すならどうぞ僕を殺して。 出来るならだけど」

相葉さんはゆっくりと菊池さんに近付いてきた。

「菊池さん、逃げて」

ちっとも逃げようとしない菊池さん。
そして、菊池さんは足で相葉くんの持ってたナイフが落として思いっきり相葉くんの顔面にパンチした。

「菊池さん?」

「相葉さん、貴方は二度と潤さんに会うな。」

菊池さん、鍛えてるとは言ってたけど。
凄い。

「痛くて暫く動けないでしょう。 目には当ててないから。 それと、ティッシュはあるから貸してあげるけど消毒液はないから。 普通のバンドエイドなら持ってはいるが大きめの持ってないからそれでも使うならどうぞ」

相葉くんはティッシュで拭き始めた。
血が出てるのは当然だもん。

「これからどうするかは貴方が決めること。 このことを警察に話すつもりは無いので」

菊池さんがそう言うとドアの音がした。
しょおくんだ。

しょおくんが鎖を切ってくれた。

「潤、大丈夫か?」

「うん、大丈夫」

相葉くんに少しだけ感謝かな。
助けに来てくれたしょおくんカッコよかった。
夢じゃなくて現実でされたのはショック。
だけど、そのおかげか身体は少し動く。

多分ヒートの奴じゃなくて媚薬を飲まされた。

「で、なんで雅紀が鼻血出してるの?」

「殴られたから」

そういうとしょおくんは

「 雅紀の気持ちが分からなかったことは俺が悪いしもっと気づいてあげたらこんなことは無かったのかなと思う。 でも、やっと見つけた大切な人をこんなふうにするのは良くないことだ。」

相葉くんはうなづいた。
なら、もういいよ。
別にこれ以上なにかして欲しい気持ちはない。

それに僕は帰りたい。

「帰るか、行こう?」

「うん」

相葉くんのお部屋から出てエレベーターに乗る

するとしょおくんは急に電話をかけ始めた。
何の話かはイマイチ分からないけど。
親しい人と話してた。

「菊池は後部座席な?」

「え?」

「少し休みな? 潤も同じくね?」

「うん」

菊池さんは納得してなさそうだったけど後部座席に。

車を発車されて信号で止まるとしょおくんが

「今から父さんの所向かうから」

「え? なんで?」 

「まず、潤には出血してないか確認する。」

「なるほど」

相葉くんの影響で傷ついてるかもしれないから

「菊池も危ないな、妊娠約8ヶ月、安定してないと行けないのに菊池は体力を使った。」

そうだよね。 そもそも送り迎えもどうかとは思うけど。

「それにナイフが落ちてた。 雅紀がナイフで刺そうとしてたのを菊池が足でナイフを落とした。 手だったら血がついてる可能性の方が高いからな。」

しょおくん、その場を見てないのによく分かってる。

「ってことで2人とも連れていかなきゃな」

病院に着くとパパさんが菊池さんの赤ちゃんが健康か検査した。

「で、何があったのかな?」

菊池さんに問い詰めるパパさん。
何も言えない菊池さん。
まぁ、僕のことが関係してるから言えないよね。

「で、結果はどうなの?」

「大きく動いたことから今後はますます安静にしていないといけない。」

「うん、それはそうだね。 赤ちゃん逆さまになったりしたら大変だから」

そうだよね。 大変。

「ギリギリかな。 これ以上動いてたら逆子になってたかもしれない。それに血も出てたかも。相当強い子なのかもね」

赤ちゃんが無事で良かった。

「じゃ、潤を見て?」

「あー、翔が思いっきりしていいかって?」

「・・・//」

「それも無くはないが。 ざっと一言で説明すると潤は脅された。」

ナカにも相葉くんのが・・・。

「分かった。 見て見る。」

んっ・・・
変なふうに感じちゃう。
それにしょおくんのよりも硬いし。
器具だから。
痛い。

「大丈夫、傷はないよ。 相当優しいのか慣れてるのかだね」

良かった。 
傷がないならしょおくんとできる。
それに、しょおくんが好きだもん。
しょおくん、許してくれるから助けてくれたんでしょ? 
だからしてくれてその為に病院に向かったんだよね?

だからかな。
怖かったけど今は落ち着いているんだ。