SideO
翔くんの様子がおかしい。
コンクールで二宮さんに抜かされたことに悔しそうにしてた訳では無い。
スッキリした表情をしていたけど家に帰り暫くすると電話が鳴り翔くんは焦ってる様子だ。
「翔くん」
「智くん、病院ついてきてくれる?」
「え? 何かあったの?」
「潤が運ばれた」
「分かった」
潤さんが!? 何があったんだろうか。
何故病院と思うが目的地まで急いだ。
潤さんの病室に行くと二宮さんがいた。
「どうなってるの?」
「分からない、潤くんが自宅に帰る途中に事故にあったみたい」
潤さんが!?
「ニノ、それはいつ頃?」
「今から2時間前ぐらい」
「そっか」
翔くんは何かを考え込むようだった。
「ニノ、大丈夫?」
「俺のせいかな?」
「え? もしかしてニノは潤に伝えた?」
「伝えました」
「答えは?」
「応えられないって、でも、スッキリしたんだホントにスッキリできたって」
ってことは二宮さんは潤さんに対して特に酷い言葉を言ったわけでさなさそう。
潤さんは気持ちに応えられなくてずっと迷っていたら? でも、潤さんってそんな人ではないと思う。
落ち込んでも笑顔を作るぐらいな人がそう簡単にそのせいで交通事故とかないだろう。
「一緒にいたいけど、ばあちゃんの世話あるんだ」
「ここは俺が見とくからいいよ、目が覚めたら連絡入れる」
「ありがとう」
さて、このままだと夕飯は病院でになりそうだな。
「翔くん、夕飯はおにぎりでいい?」
「何か食べないとダメだよね、お願い」
「分かった」
翔くんはギュッと潤さんの手を握る。
翔くんがいるから潤さんは大丈夫。
起きたら1人じゃないし翔くんが目の前にいるしね。
病院を出て近くのコンビニでおにぎりを買った。
「ありがとう」
「どういたしまして」
おにぎりを食べながら潤さんを見る。
どうして事故は起きたのだろう。
車が悪い、運転手が悪い。
でも、潤さんはきっと運が悪かったということにするのだろう。
運転手を責めることはしないと思う。
消灯の時間で俺たちは帰ろうかと思ったけど翔くんが離れようとしないからここで泊まっていいかを確認し泊まることにした。
だんだん翔くんは元気がなくなってきた。
心配だもんね。
「潤、生きてるんだよ?」
翔くんはゆっくりと潤さんに向かって話し始めた。
「事故って怖いよね、俺も小さい時に事故で入院したことある、けど、大きくなってからって
もっと怖いと思う」
翔くん・・・
そうだね、怖かった、翔くんが目覚めないのかと。
けど、目覚めてくれてこうして今一緒にいられる。
潤さんは頭を打った。
でも、脳のダメージは重症ではないと言っていた。
「でもさ、真っ暗の中でもきっと見つかると思うんだよね、1部分だけ光るところが」
なるほど。
翔くんは潤さんの髪の毛を撫でながら潤さんが目覚めるのを待ったけど眠ってしまった。
24時間起きてるなんてことは難しい。
24時間で目覚めるとも限らない。
朝になっても目覚めない。
「寝てしまった・・・」
「しょうがないよ」
翔くんは寝てしまったことを後悔してるが睡眠を取ることは大切だ。
「潤は?」
「まだ、1度も」
「んー、そっか」
とりあえず俺たちは朝飯を食べに行くことにした。
「病室寂しいから後で花買いに行かなきゃ」
「そうだな」
行きつけの花屋さんまで時間がかかるがちょうどオープンする時間ぐらいに着くだろう。
その予想よりもちょっと早くついたけど開けてくれてお見舞いの花を買った。
色とりどりな花でいいよな。
それから病院に向かい花を生けた。
「花があるだけでだいぶ印象変わるな」
「んふふ、そうだな」
翔くん、気づいてないだろうけどそろそろ翔くんは自分の気持ちに気づくかもしれないな。
潤さん、出来るだけ病院にいるから。
目覚めてくださいね?
俺たちは既に潤さんが大切な存在になってるので。