SideS

ごめん・・・
俺はただ、同じように接して欲しかっただけ、愛や金や全てに平等に与えて欲しかっただけ。

巻き込んでごめん・・・
俺は限界なんだよ、俺の家族が嫌いなんだ、見て見ぬふりしたり、俺が優秀?天才?過ぎるみたいで逆に怖いと言われてしまった。
それだけでは無い、血は繋がってない・・・、俺がちび過ぎて記憶がない頃に離婚し、俺を捨てた。 拾ってくれたのが母さんだったらしい。

人の気持ちが読めてしまうと言うかこう言うんだろうなってのが予想ついてしまう。
だから、読んでる訳では無いけど、どうせこんなことが返ってくるんだろうなと思うとまさにその通りだった。 

それに比べて潤は愛されて常にニコニコしていて何があってもずっとニコニコしてる奴だった。 俺の弟だったんだが・・・いつの間にか愛してしまった。

確かに家族全員が嫌いだった。
俺は特に何もしてないが両親は何者かに殺された。 

そう、知らない、俺は嫌いだったからせいせいしてるが潤は違う。

それが俺が中学の最後の日に起きた出来事。

でも、そんな潤は人気者だ。
亡くなってからも苦労することはあまりなかった。 支援はいくつもあり、それはほぼ潤宛になんだけど、そのお陰で俺たちは高校に入れたり無事に生きてこれた。

「お兄ちゃん・・・」

「ん?」

「もうすぐで大学卒業、内定決まったとは言ったけど僕はここを出ることにしたの」

「何で?」

「ずっと、有難かった、お兄ちゃんがいてくれたことやみんながいてくれたこと、ずっとは悲しんではなれない」

「で?」

「僕は都会に行き、大手の会社に就職出来たの! だから、ここを出ていき一人暮らしする」

「そんな・・・」

あまりにも衝撃的だった。

「ごめんなさい・・・なかなか言えなくて、僕は恩返ししたい、沢山の人に返せるように」

「相変わらずだな」

「ふふっ、でしょ? ほんとはもう1つあるけどそれは秘密」

何でそんなに嬉しそうなんだ。
そりゃそうか、こんな俺といなくて済むし、俺は潤を恋として好きでいるからな。

「良かったな、卒業明日じゃん」

「そうだったね、ほんとにありがとね」

「さっさと行けばいいだろ」

「ふふっ、ごめんね? こんな僕で、お兄ちゃん大変だったでしょ?」

「別に大変なんか・・・」

「嘘つかなくたっていいよ、最初は嫌がってたじゃん、それに家族のことが嫌いだったでしょ?」

「お前知ってるのかよ・・・」

俺よりも小さいしそんなに賢くもないけど、気づいてたのかよ・・・。

「殺したのはお兄ちゃんとは思ってない、お兄ちゃんは出来ないと思ってるから」

「は? 何で?」

どうして? 俺は大きくなれば殺そうとしたぞ?

「だって、家族だもん、産んでくれたお母さんをそう簡単に殺すことは出来ないでしょ?」

「勘違いしてない?」

「え?」

「俺、そんな優しい人間じゃないよ?」

そう言えば潤はそれでもニコニコとして

「優しいよ? ほんの少しの優しが残ってるお兄ちゃんには殺すことはできない、お母さんも後悔はしてるよ?」

「え?」

「あんなに変わったのは私のせいだってよく言ってた」

全然聞いたことの無い話だ。

「嫉妬してたんだって」

「嫉妬?」

「しょおくんの才能に、全てに、だから時にはその嫉妬が恐ろしくなった、怖いけど誰にも言えない、だから、仲直りしようとは思っても今更許されることじゃないから続いてしまった」

「マジか・・・」

「愛してたよ? お母さん、お父さんも、お父さんはそんなお母さんが怖くて何年か逃げてたみたいだけど、まぁ、僕が眠ったと思ったから言ってたんだろうね」

「マジか・・・」

俺、愛されてたんだ・・・
ここに産まれてきたも良かったんだ・・・
自然と涙が溢れてきてそれを潤はそっと唇で拭いていた。

「え・・・?」

「ふふっ、治まるかなって!」

「馬鹿にしたな?」

思いっきり睨んでやった。
でも潤はまたまたニコニコと

「ふふっ、ごめんね? してないよ?」

ギューッと抱きしめられた。
色んな感情が混じりあって溢れすぎてどれから話せばいいのか、これからどうしたらいいのかなんて分かんなくて涙が溢れてく。
こんなに泣くのも人生初だと思う。
記憶にある限り、初めて人の前で泣いた。

潤の胸の中で泣くなんて・・・
相当なんだろうな。

「見てみて、星が綺麗だよ~」

そう言われて顔を上げて星を見ると確かに綺麗で沢山だった。

「ね、空は繋がってるよ?」

「え?」

「都会に行っても空は繋がってる、それにお兄ちゃんとはこれまで一緒にいた日々があるでしょ?」

「どういうこと?」

「ふふっ、お兄ちゃんまた泣いてる~、綺麗すぎたのかな?」

「そうみたい」

「だから、星はいくつか集まったり点と点で結べば形になる、お兄ちゃんとはお兄ちゃんとの日々が形になる、だから形がある限り忘れることはないよ? 寂しくもない、ずっと中にいるから」

「潤・・・」

「だから、大丈夫、ね?

「ありがとう」

そう言えば潤はビックリした表情になった後

「グスッ、もぉ、ズルいよ・・・」

「何で?」

「だって、僕だって、寂しいもん」

初めて潤は俺の前で泣いた。
いっつもニコニコと怒鳴っても、冷たくしてもニコニコしてる潤が泣いてる。

俺の為に? そう思うと嬉しさで溢れた。

「頑張れ、俺は俺なりに応援してる」

「ありがと」

そして、次の日卒業し、空港で別れることに。

「ここまでありがと、嬉しい」

「いいよ、後悔するの嫌だから」

そう言えば

「ふふっ、しょおくん、好きだよ」

「え?」

初めて名前で呼ばれてすっごく嬉しいのとドキドキでいっぱいな俺にはちゃんと聞こえてなかった。

「好きだよ」

潤が俺の唇にキスしてきた。
気持ちいい・・・少し乙女ぽくなった気がするけどまぁいい、潤から貰えたキスが嬉しいから。

「俺もだよ」

もう一度キスしてお別れした。


あれから一年、二年と過ぎていった。
星空を見る度、涙がポロリと零れるけど、けど1人じゃないって教えてくれた。
潤の言葉を信じて今日も頑張るよ。
いつか、いつか1人じゃない日が来ることを信じて。