SideS

智くんが俺を呼ぶとは珍しい・・・
何があったんだ?

「あのさ、この前のみたらし団子食べた時にいたじゃん? 可愛い子が」

「そうだね、それがどうした?」

智くんは俺に頭を下げて

「その可愛い子を助けてあげて欲しい!」

助ける? 彼は病気なのか?
あんなに可愛いかったのに・・・
綺麗で美しくて笑顔が素敵な人だよな。
あー、子供ぽく見えたけど、彼何歳だ?

「助けるって?」

そう聞けば

「今日な、さっき仕事で由奈さんに会ったんだ、あんなカッコよくてハッキリとしてる人は初めてだ、好きになっちゃったんだよ!」

智くんはお姉さんの方を好きになったと?

「そうなんだ、確かにお姉さんはグイグイそうだよな、でも、智くんさMだっけ?」

あのお姉さん、睨んだらまじ怖そうだけど、智くんが好きになったらそれは興奮に変わるんだろうな。 

「んふふ、分かんねぇ、好きになるのも初めてだからな、あの由奈さんを俺のモノにしたいがお互いがお互いに必要だろ?」

見た感じ、仲がいいってのはよく分かるし、あんなお姉さんがいるなんてよっぽど彼は守られてるんだろうな。

「そうだね、で、助けるとは?」

「行けば分かる!」

「は?」

「今から由奈さんの家に向かうの!」

え? 今からか? 
まぁ、ひまだからいいけどさ・・・

「分かった、行くよ」

「ありがとう、翔くん」

まぁ、明日から事務所の社長だもんな・・・
機嫌よくなるなら彼女作るのは構わないけど。

それなら彼の家に向かった。
家族全員まぁ美人系だよな・・・

「本当に来たわね、潤ちゃんには伝えてあるけど、本人迷ってるからどうだろ〜、でも、期待はしてると思うわ」

部屋を案内されて中に入ればベットにいるし。
てか、顔見えないし。

「潤、お客さん」

するとピクっとしていて慌てて振り向いた。

「この前はごめんね?」

すると首を横に振って

「大丈夫です、わざわざそのために?」

「んー、まぁそれだけでは無いけど・・・」

「ねー、僕に用なの?」

潤くんは首を傾げて聞いてきた。
かわいい・・・、でも、少し震えて見えるな。

「んふふ、お姉さんの写真見る?」

「お姉ちゃんの?」

「そう」

智くんのセンスはいいから綺麗に撮れてるな。
さらに美しくて綺麗な人だよな。

「お姉ちゃん綺麗~、楽しいそうだね」

「羨ましい?」

「え?」

「君なら芸能界に入ったらトップになれるよ」

すると潤くんはビックリしていてさっきよりも震え出した。 さっきは何となくそう見えただけだけど今はハッキリと見えた。

「智くん、やめなよ、多分そういうの嫌だと思う」

するとお姉さんが入ってきてジュースを持ってきた。

「あー、潤、無理しなくていいよ? 智さん、もう少し潤のことを分かってあげてからにして欲しい、怖がらせたいの?」

お姉さんは智くんを睨んだ。
すると智くんはビックリしたけど

「んふふ、そんな訳じゃないよ、ごめんね?」

「は? 智さん、そんな軽いんじゃ許されない!そしてエロい目で見るな!」

お姉さん強っ・・・
智くんの気持ちに気がついてるんだな。

すると潤くんは

「お姉ちゃん?」

何かを感じ取ったのかお姉さんは慌てて

「違うからね? 私は潤が幸せになってくれればいいからね? それにこんなエロい目で見る人と付き合うかって話!」

「うん、分かった」

潤くんは納得したみたいでホッとする。
もしかして、潤くんにとってお姉さんは精神安定剤みたいな?
お姉さんがいなければ潤くんは生きていけない的な?

「智くん、智くんは向いてないから帰って?約束は守るから」

「分かった」

よし・・・
これでお姉さんも潤くんも大丈夫だろう。
お姉さんは安心したのか部屋から出ていった。

「ねー、俺のこと怖い?」

聞けば潤くんは

「少しは怖い・・・」

マジか・・・
俺、怖がれたことないんだけどな・・・
少しショックだが・・・

「人が怖い?」

「うん」

なるほどね、人が怖いか・・・
ってことは過去になにかあったのか?
でも・・・

「いつまでも外出れないのは辛くないのか?」

たまには外に出たいとか思わないのか?

「でも、僕は必要とされてない人間だから」

「え?」

「お姉ちゃんは僕のこと必要だと言ってくれた、けど、外では誰も必要とされてない」

んー、それはほんとの話なのだろうか。

「どうしてそう思うの?」

「だって、怖いもん・・・」

怖い・・・人が怖いから必要ないとイコールになるものか? ちょっと違う、何かが足りない。
 
「絶対に助けるから」  

約束だし・・・外見的に問題ないのに出れないなんて・・・ほんとは出たいんじゃないのか?


「助けなくたっていいよ、僕は毎回嫌な目で見られるのは嫌だ」

嫌な目? 

「何も言わないでも?」

「あっち行けって聞こえる」

精神的に元々強くないんだろう・・・
弱ってる時に聞こえたものなのかもしれない。

「それは潤くんに向かってなの? それは世の中の人全員なの?」

少なくても俺はそんなふうに見てない。
智くんもそうだろう。

「全員ではないけど・・・」

「そうだよね? でも、聞こえるってある意味潤くんが疲れてたりする時じゃないかな? 最近何かあったんじゃない?」

すると潤くんがベットに戻って毛布を被り始めた。

そこは聞かれたくなかった?

「分かった、今は聞かない、でも、辛かったら話してみて? 大丈夫、何を言われても俺は潤くんの味方だよ?」

信じられるかってなるかな・・・
何をどうしたらいいのかなんて俺はカウンセラーでもないし、人間だから、色んな気持ちがあるのは当たり前だし、いい人だらけでもないのも分かる。

「ほんとに?」

潤くんは被ってた毛布をお腹に当てて顔を見せてきた。

「約束する、もし、破ったら俺を潤くんの好きなようにして?」

これでどう? いい条件じゃないか?
だって、破ったら好きにしていいんだから。

「んー、ふふっ、言ってあげてもいいけどね、お兄さん眩しい・・・」

え? 言ってることが分かんなくてどういう意味なのかを考えていたら

「僕はお兄さんみたいにいい人じゃないよ」

え? どうみたってみたらし団子の所で会った時も良さそうな人だけど?

「潤くんは? 礼儀正しいんだし、なんでそうなる?」

「ん? だって、僕は捨てられちゃうから、そのうちみんな僕のこと捨てるよ」

捨てる? 人に捨てられたってこと?

「恋人がいたんだろ?」

あー、分かりやすい。
分かりやすくて助かったよ。

「うん・・・」

「で? そいつが悪いんじゃないのか?」

潤くんはいい人だと思うけど。

「違うよ、気づいてたのを気づかぬふりをしてただけだもん」

潤くんって意外と独占欲強そうだな・・・
お姉さんもそんな感じなのか?
でも、俺はそういう系は苦手なんだけどな~、でも、潤くんならいいかなと思うのは何でだろう。

それと守ってあげたい気持ちかウズウズしてくる・・・

「ふーん、分かった、これからは俺が守るよ、だからさ、俺の傍にいな、そんで一緒に乗り越えよう?」

「ん・・・いいの?」

「もちろん、約束だぞ?」

「うん」

どうやって外に連れ出すかは分からないがとりあえず外に出てみたいと思わせるような興味があればいいけど。

「しょおさん・・・」

「ん?」

「信じていいんだよね?」

不安そうに聞いてくるな・・・

「ふふっ、もちろん」

そう言うと

「ありがとう、でも、僕はここから出なくてもお姉ちゃんがいるから平気だよ?」

んー、お姉さんか・・・

「うん、でも、俺のことも見てほしいな」

「え? ふふっ、そうだね、しょおさんがいるね」

いままでの中で1番嬉しそうに笑った。
その笑顔を俺は守りたいんだろうなきっと。