久しぶりにカズの地元に行くことになった。

と、言うのは・・・

しょおくんが

「そろそろ行ってあげてもいいんじゃない?」

そう言われたからだった。

僕はカズのことを話した。

そしたら、しょおくんは

「大丈夫、その子もきっと後悔してる、もし、その子を見て潤がまだ好きなら、その子もまだ思ってるなら話した方がいいと思う」

僕はわがままだと思うけど、しょおくんはそんな僕を優しく受け止めてくれる。

そして、今はオススメの映画を見ている。

それは、ちょうど僕とカズに似ていた。

なんで映画で思い出させるのか少し嫌な気持ちになったけど、ちゃんと見ないと・・・、その人たちも結局は別れてしまうのだろう。

結果は本当にそうでずっとずっと泣きっぱなしだった。

「大丈夫? 今度は違うのしような?

「うん」

しょおくんが選んだ訳じゃない。
2人で選んだ映画だったのに・・・しょおくんは気を使ってくれた。

あの時もそう、しょおくんはいつも優しすぎるんだ・・・。

そんなことを考えながら出口に向かうと・・・カズと相葉くんが見えた。

僕は足が止まり、じっと見ていた。

もちろん、2人は気が付かないけど。

でも、会えたよ・・・映画館で会えるなんてビックリしたよ。

相葉くんってカズに過保護な部分があったと思う。 

だからなのかな? カズはギュッとその手を握っていた。

「身長が低い方だよな? 大丈夫そうだよ、俺の勘が当たればその子はきっと前を向くよ」

「ほんとに?」

「もう一人の人が助けてくれそうだよ?」

そっか・・・相葉くんがカズを救ってくれるんだ・・・少しチクッとしたけど、良かったって気持ちの方が大きかった。

でも、相葉くんって大野さんと恋人なはずだけど別れたのかな?

「ありがと」

「今からその子を追いかけることができるよ?元に戻れるかもしれないよ? 追いかけなくていいのか?」

ほら、優しすぎるから選択肢をくれる。

僕は・・・

「僕はしょおくん一緒がいい、しょおくんのおかげで僕は素直になれた、景色も全然違うし、しょおくんは僕がいないと家事できないでしょ?」

一人暮らしだから、片付いてないし、料理は作れないし、洗濯物は貯まってるし。

「俺でいいの?」

「うん、いいの」

だって・・・僕、離れたら心配だもん。

しょおくん、生活荒れそうだもん。

「ありがとう、行こっか?」

「うん」

少しだけ罪悪感が消えた気がする。
そりゃ、僕だけのせいでもないかもだけど、カズを追い込めたのは僕のせいだと思うし。

でも、何処かに必ずカズが残ってる、きっとまた思い出す時はあるだろうけど、前と比べてはいい思い出として思い出せるのかなと思った。

ーーー

潤・・・。

ここに来るのを勧めたのは俺だけど、本当に行くとは思ってなかった。

好きな人って基本はずっと好きじゃん?
それをずっと思ってるなんて辛いじゃん?

思ってる分にはいいと思う、出会ったのがその人の後だったんだからしょうがない話だし、俺を思ってくれる気持ちは伝わってくるから嫉妬することは無かった。

でもな・・・

潤は・・・寂しそうにしてる時がある。

俺が傍にいても何処か違う所に一人でいるような感じに見えるんだ。

テキパキとは動いてもやっぱりぼーっとしてると思い出すんだなって・・・

それが辛そうに見えるから心配なんだよ、いつも俺のためにって頑張ってくれてる、それをいつも俺は嬉しい気持ちと無理して欲しくない気持ちがあった。

俺は潤の温もりがあればそれでいいんだ。

出会った瞬間から好きだったと思う、めっちゃ嫌そうな顔をしてるくせに俺が謝ればビックリした顔で見てくるんだもんな・・・

正直、そこに驚いたけどな。

で、ぶつかってきたのは潤だけど、なんか睨んでるような気がしたから謝った後はホントはその場から逃げたいと思った。

けど、痛そうにしてるからほっとけなくて、手を差し伸べたのに強がりからだろうか頑張って立ち上がってそのまま授業に向かおうとしていた。

そんなんで授業聞けるのかよと思って俺は保健室に連れてった。 

先生はこれから出張らしく慌てていたから湿布だけ貰って潤に貼り付けた。

真っ白な身体・・・綺麗だったな。

こんな感じで大丈夫かと聞けば頷いた。

可愛いな~

そう思うとなんかこれで終わらせるのも嫌になった。

多分潤は強がりでもあるのかもだけど素直になれない奴なんだろうな。

その証拠に瞳の奥が輝いてなかった。

あまり笑わないしな。

だから様子見で下僕として見てあげればいっかと思った。 

そうすりゃ絶対に素直じゃないとどうなるか分かってるだろうしな。

最初は嫌がってたよ? けど、だんだん、自分からやるようになったのは潤は素直になりたいのかなと思い、その気持ちをもっと優しく教えてあげようと思い、友達としていることに。

でも、いつからかドキドキし始めた。
触れそうで触れない距離になると俺はドキッとなって少し苦しくなった。

その気持ちは好きなんだろうなと思った。

だって、触れたいと思ったから。

そして、もうすぐで卒業する日。

もうその頃には笑顔が沢山で瞳の奥が凄く輝いていた。 

俺の恋はどうしようかと考えた。

でも、潤が寂しいって言ってきた。

俺も寂しい、こうして話せるのも後何日なんて数えたくなかった。
 
だから、俺も寂しいと言えば嬉しそうに抱きついてきた。

少し甘い香りがするんだな・・・。

抱きついてきたら・・・

我慢だなんて出来なくなるじゃん。

なら、当たって砕けてみるか。

砕けるかは分からないが当たって損は無い。

言わないならここで終わるだろうから。

言ってみれば・・・

好きな人がいるけど、いたになりそう

それは、俺がいれば忘れられるってこと?

でも、俺を思ってくれるなら俺は受け入れる。

そう決めたから俺はキスしていいかを聞いた。

いいよと言ってきたからしてみた。

一回したらその後が離れるのが辛かったな。

潤は嬉しそうだったからあの後は何回も、キスした。

それから俺の家に来たら色々と怒られたな。

けど、楽しそうにしてたからこりゃ俺の心臓をまたドキッとさせられた。

好きな人の話を聞くこともあった。

潤が大人になったら、俺は1回会わせた方がいいと思った。

地元に行ってみれば会えるかもしれないと思ったから映画に誘った。

内容は二人で決めたけど、潤は途中からずっと泣いてたな・・・。

悪いことしちゃったな。

次の映画、何にしようかと考えながら出口に向かえば潤の足が止まった。

あー、あの二人を見てる。

特に小柄で少し辛そうな人。

あの人が好きだったんだ。

俺はずっと決めていた、あの人のことがまだ好きなら俺は解放すると。

追いかけなくていいのかと聞けば

俺のことを心配してきた。

馬鹿だな・・・。

でも、嬉しかった、何度も言ってくれたことに。

なら、思い出すのは構わない・・・

それはきっと俺に止めることは出来ないからな。

その代わり、俺は潤の苦しい部分を無くすことそれが今の俺にできることだ。

「しょおくん・・・」

「ん?」

「不安にさせちゃった?」

俺は首を横に振って

「潤が俺のことを好きかってことに心配してない、けど、その子をまだ思って苦しいならその苦しい部分だけを俺に分けて欲しい」

そう言えば

「僕は責任を感じなくていいの?」

責任ね・・・

「その子も素直になれなかったんだからお互い様だと俺は思うよ? 潤が全てに責任を感じることは無いし、その子も潤にそんなこと思って欲しいとは思ってないよ」

好きな人には笑ってて欲しいもんだろ?

「そっか・・・ふふっ、僕は懐かしい思い出として思うようにすればいいかな」

そう言ってスッキリしたような顔をしていた。







その次の日は潤はあの人にラインしたみたい。

そして、電話に変わり・・・

泣いている・・・

そりゃ、そう簡単には笑える話なんか出来ないだろうけど・・・

やっぱり潤には笑ってて欲しいからな。

最後は笑って終わったから楽になれたんじゃないかなと思う。

「しょおくんさ、僕も離れること出来ないんだよ?」

「え?」

「だって、ドキドキしっばなしだもん」

そう言って嬉しそうに笑った。

俺はあの日、出会えてよかったのかなと思えた。

あの人の前じゃなくて後で良かったのかなと思えた。