はぁ・・・普通にお仕事なのに熱出してしまった。

子供たちが待ってるのにな・・・、休むわけ行かないよね・・・熱は微熱だし、咳や鼻水も無いし・・・

解熱剤だけ飲んで行くことにした。

少しずつ熱が治まってきたから治ってきてると思う。

子供たちと遊んでても何の問題もなかった。

僕、最後まできちんとやれた。

あ、でも、今日は櫻井さんが遅いみたい。

いつも最後だけど、1人手前の人と話してる時には来てるのに。

どうしたんだろう・・・、お仕事忙しかったのかな?

「和也くん、雅紀くんのママは?」

「んー、ママ、分かんない」

「ねー」

分かんないか・・・

どうしよう・・・。

とりあえず夕方まで待つことにした。

それまでは寂しくさせないように一緒に遊んだ。

「ごめん・・・遅くなっちゃいました」

「大丈夫ですか?」

殴られた? そんな感じの怪我をしている。

「どうにか・・・ね」

あ、危ない!

僕は慌てて受け止めた。

「櫻井さん?」

なかなか返事がない・・・

え? この場合ってどうしたらいいんだろう?

そしたら、通りかかった園長先生がベットに運んでくれて嬉しかった。

目覚めるまで僕たちは静かに遊ぶことにした。

「ん・・・」

櫻井さん? 声が聞こえたから慌てて傍に来た。

「大丈夫ですか?」

櫻井さんは辺りを見回して・・・

「ここは?」

「保健室です」

何があったのか分からなそうだから簡単に説明した。

「ありがとう、辛そうなのに助けてくれて

「え?」

僕が辛そう?

「俺には分かりますよ? 送りますから帰る支度してくださいね?」

櫻井さん・・・気づいてたんだ・・・。

「ママ!」

「大丈夫?」

「うん、大丈夫だよ? ごめんね?」

3人見てると凄く幸せに感じるのは何でだろう。 どの家族よりも幸せに見えるのは何でなんだろう。

僕は急いで帰る支度してお言葉に甘えて乗せてもらうことに。
 
「先生は家、1人ですか?」

「1人です」

そう言えば少し考えて

「俺の家、来ませんか?」

「え?」

「熱出てる人を1人になんて出来ないでしょ?空いてる部屋あるしね」

なんでだろ・・・

「分かりました・・・」

櫻井さんだとなんか断れない。

「お邪魔します・・・」

家に入れば広そうなお家で、

玄関が少し掃除されてない?

中に入らせてもらえば・・・

片付けてないものもあった。

やっぱりシングルマザーって大変だよね。

それなのに僕を構ってくれるなんて優しすぎるよ。

「散らかってるのはごめんね? 片付けるの苦手でさ・・・」

そう言って苦笑していた。

「そうなんですね、治ったら手伝いましょうか?」

そう聞けばビックリしていたけど嬉しそうだった。

「ふふっ、軽くシャワーしてきてもいいですか?」

「うん、バスタオルや服は置いとくから」

「ありがとうございます」

熱がこれ以上、上がる前に入ることにして。
お風呂から出るとバスタオルとTシャツとスウェットが置かれてた。

「あ、ドライヤーは洗面所の所にあるから使ってていいよ」

「ありがとう・・・」

なんか、親近感がある。

乾かしたあとは雅紀くんと和也くんが夕飯食べていた夕飯食べていた。

「食べれそう?」

頷くと

「子どもたちと同じメニューで良ければ食べて?」

僕は頷いて食べ始めた。

美味しい・・・

少し焦げちゃったお肉があったけどそれでも美味しかった。

「どうかな・・・」

「美味しいです」

雅紀くんも和也くんも美味しそうに食べてるしね。

「なら、良かった」

櫻井さんって美味しそうに食べるよね・・・
雅紀くんや和也くんよりもね。
 
食べ終わってお皿を片付け、一緒に洗った。

「家事全般苦手なんだ、でも、やらなくちゃいけないから教わったんだけど、やっぱりそれでも難しくてさ」

あー、だからだろうか。
お母さんってイメージよりお父さんって感じのイメージは。

でも、櫻井さんが産んだ大切な子供たちにとっては”ママ”だから少し辛いのかな?

「料理とか簡単なものしか出来ないし・・・こんな感じで生活してていいのかなって思うけど頼られてる限りはこれでいいのかなって」

沢山悩んだんだろうか・・・

そうやってずっと悩みながら生活していたのかと思うと胸が苦しくなった。

「僕も出来ないことは出来ません、無理してやる必要は無いと思う」

そう言えば

「そうだよな・・・ありがとう」

ホッとしたみたいだった。

「2階にベットがあるから寝てもいいよ」

「でも・・・」

いくら熱があるからってそんなに甘える訳にはいかない。

「熱あるじゃん、ゆっくり休んで元気になってくださいね? 雅紀達もその方が嬉しいかと」

そうだよね・・・

「じゃあ、先に寝てますね?」

「うん、おやすみ」

「おやすみなさい」

2階に上がるとそこはベットだけが置かれてる。

もしかして旦那さんがここで作業していたりしたのかな?

そんなこと考えてどうでもない。

そこからは記憶がない・・・

いつ寝たのかも分からないまま僕は寝ていた。