SideJ
ん? 僕は、どうしていたのだろう。
先生は心配そうに見つめる。
「大丈夫?」
「うん」
少しだけ怖い夢を見たけど大丈夫だった。
「夢見てたよね?」
「うん」
「もしかしてカズくんが言ったことは潤くんにはキツかったのかな?」
そう聞かれて頷いた。
「そうだよね、俺にも言いづらかったんだし、本人にしか辛さは分からないもんね」
僕は誰にも分かんないと思ってる。
でも、先生ならその気持ちが分かってくれてるように感じる。 いつも僕を優しく受け止めてくれるもん。
「うん、でも、カズのせいでもないから」
「潤くんの言ってることは正しいよ?」
「ふふっ、ありがとう」
それにしても僕はなんで先生といるとドキドキするんだろう。
生きてるって証拠だけど、なんて言うのかな、難しい。
「潤くん・・・、智さんからチケット貰ったんだけど、一緒に行く?」
ん? 遊園地か・・・久しぶりだね・・・。
「行きたい!」
「ふふっ、いいよ、智さんに言っとく」
え? ってことは・・・
「4人で行くの?」
「まぁ、でも、多分2人ずつに分かれるけどねカズくんと智さんは恋人だし・・・」
「そうだったね」
4人で行くことにチクッとしちゃった。
何でだろう・・・僕は先生と2人で行きたかったのかも。 でも、結局2人はラブラブだから先生と2人きりになる。 そう思うと嬉しかった。
僕は・・・
「ねー、恋って何?」
よく、好きな人はいないのかって言われても恋を知らない僕には答えることが出来ない。
「悩む時期ですか? ふふっ、自分で考えるもんだけど、簡単に言えば相手のことをもっと知りたい気持ちじゃないかな?」
なるほどね・・・。
「先生は好きな人いたの?」
そう聞けば
「んー、前に話したけどいない、智さんに抱かれてからと言うかその前からかな、俺は好きになった人なら男でも女子でもどっちでもいいけどね?」
じゃあ・・・僕もありってことだよね?
って何考えてるんだろう・・・。
僕は先生のことそういう意味で好きなの?
「なんで抱かれたの?」
そう聞けば苦笑しながら
「智さんに誘われたからかな? でも、今思うとずっとカズくんが好きだったのを我慢してたからじゃないのかなって」
そっか・・・。
智さんは我慢できなかったのかな?
「潤くんって案外恥ずかしいことまで聞いてくるね?」
「え?」
「聞くけど、あるの? 抱いたことや抱かれたことはあるの?」
そう聞かれて僕は顔が熱くなったのが分かる。
「あるんだ・・・もしかして・・・智さん?」
「うん・・・」
そう言うと
「智さんめ・・・、何人抱いたんだろう、大丈夫だった?」
「うん、まぁ・・・」
すると、先生は僕をギューッと抱きしめて
「辛かった?」
まぁ過去としてならと思って頷いた。
「ってことは1回じゃないんだ」
「うん・・・」
すると先生は少しため息をついて
「言って欲しかったのにな・・・難しいのは分かるけど、潤くんが学校行けなかった理由の1つは智さんのもあったんでしょ?」
「うん・・・」
僕は先生に迷惑かけっちゃったのかな?
「もう少し大人に意見を言ってもいいと思う、智さんがやったのはある意味犯罪だからね、でも、それを知らされる潤くんにとっては嫌なら俺にでも言って欲しかったな・・・」
大人に頼る?
「大人か・・・」
「潤くんの家族なら分かってくれたかもだし」
「そうかな・・・」
「え?」
「だって、僕が車椅子になる前までは全然相手にされ無かったから」
事故にあってからみんな優しくなった。
お姉ちゃんは元から少し優しかったけど、こんなに心配してくれることはなかったし。
「そっか、潤くんはきっと色んなことに我慢してきたんだね? これからは我慢しなくたっていいんだよ?」
我慢? 僕はずっと我慢してたの?
「ありがとう」
これからは意見を言ってもいいの?
僕の意見はみんな聞いてくれるの?
今度少しだけ頑張ってみようかなと思った。