僕はずっとずっと嫌だった、弱い自分が嫌で吸血鬼で生きようと思ってもそんな沢山の血を吸って殺しちゃうなんてそんなの出来なかった。

だからと言って人間として生きていくと決めても僕の僕が求めているから僕はどっちになればいいのだろうか、どっちなら僕は両親に怒られないで済む? そんなこと考えたらぐちゃぐちゃで僕の考えは纏まらかった。

でも、どっちもでいるのが1番強いってしょおくんに言われてどちらの良いところも認めてなれたんだ。

僕は生きてみたいと今思ってる。

僕は生きてみたいんだ・・・人間とか吸血鬼とか分けるんじゃなくて僕は僕として・・・

楽しいことも増えた僕には少しずつ僕に光を見せてくれる。

そのきっかけはしょおくんだからその手を離すつもりもないし、その手をずっと追い求めたい。

今日はお約束の夜空のデート。
しょおくんは嫌がったけどデートになるじゃんと言えばしょおくんはしよ?って言ってくれた。

「まぁ、あれから潤がいつ言うか分かんなかったから特訓したよ・・・」

「ほんと?」

「潤は潤として生きていくなら俺も俺として生きていきたいって思ったからな」

そう言って一瞬で変わった。

「僕、重たい?」

乗っかって聞いてみれば

(全然、重たくないよ)

そう言ってくれたから安心した。

(加速するし、急な時が多いからしっかり捕まっててな?)

「うん」

確かに勢いつけてジャンプした。

「ふふっ、たかーい」

しょおくんって妖力とかあったりするのかな?
そんなに長時間も飛べるなんて・・・。

(それは良かった、楽しい?)

「うん、こうして見れるのはしょおくんといるからでしょ? すっごく嬉しいし楽しいよ?」

そう言うと

(ふふっ、そうだな)

しょおくんも嬉しそうに笑った。

誰もいないこの時間帯だからこそできること。
星空の中を僕たちが散歩してる気分だ。

突然しょおくんはさっき時よりも耳をピーンとして何かを聞いてるようだった。

(ここから聞こえてくるとはな・・・)

「何が?」

(泣いてる子がいる、それも犬と一緒に)

「僕たちよりも小さな子供? それなら大変だね?」

しょおくんは元々聞こえやすいのかな?
けど、その声をキャッチしたなら見逃せないよね・・・、その子が泣いてるってのは気になるし、傍には犬だし・・・。

僕たちはその声を探しながら地上に近い空を駆け巡っていた。

暗くて静かな場所から犬の鳴き声が聞こえた。

でも、姿は見つかなくて僕は困ったけど、黙ってもう一度声が聞こえるのを待った。

ん? 段ボールがガタガタと揺れているのを見つけた。

「ねー、この中じゃない?」

その段ボールを開けると少女と可愛いワンちゃん。 でも、どちらもとても弱っている。

(潤、急いで帰って出来ることしよ?)

「うん」

少女とワンチャンを抱えて僕はしょおくんの上に乗った。

助けられるか分からないし、ワンチャンなら尚更だけど、見たからには責任とらないと。

急いでお家に帰って少女を暖かそうな格好に変えて毛布をなん枚も重ねた。

ワンチャンは・・・、着いたことにはもうダメだった。

少女が起きたらどうしたらいいのか分からないけど、正直に話すしかないよね。

「ごめん、俺が聞いちゃったからだもんな」

「ん? ワンちゃんのこと? 少女も含めて僕は助けてあげたいと思ったから大丈夫、でも、ワンちゃんは助けられなかった」

彼女は助かるだろうか。

するとベットから物音がしたから向かうと彼女は僕の部屋をジロジロと見ていた。

「目が覚めたみたいだね、大丈夫?」

「え?」

「ここ、僕のお家だよ?」
 
「君が泣いていたから助けたんだ」

「私が?」

気がついてないみたいだね・・・。

「でも・・・、もう、時間ないよ」

「え?」

時間が無いとは・・・?

「難病だから」

難病・・・?
難しい病気?

「潤、治療が難しいってこと、または治療法がないってこと」

「そんな・・・」

そんなことってあるんだね。
僕に何か出来ることはないかな?
出来なくはないけど・・・出来ればしてあげたくない、彼女が望むなら別だけど。

「名前は?」

「音原 のぞみ」

「のぞみちゃんはどうしてあそこに居たの?」

しょおくんがそう聞くと

「ママが分からない子って言ってた」

分からない子?

「のぞみちゃんは入院してた?」

「してない、するのも怖い」

入院の話で揉めたとか?
でも、のそみちゃんはどうしたいんだろう。

「のぞみちゃんはどうしたい?」

「何もしたくないよ、ママはのぞみのこと怒ってる」

何もしたくないか・・・。

「分かった、のぞみちゃんが望むようにしてあげる」

「しょおくん?」

「無理に医者行かせたってそれは嫌がるだけだし傷つくだけ」

「余命は?」

「明日」

明日? 明日で終わっちゃう人生なの?

「のぞみちゃんのお母さん、心配してるよ」

「今日は泊まってもいいからその変わりのぞみちゃんのお母さんに会わせてもらえる?」

のぞみちゃんが頷いたのを確認して住所を聞きだした。

明日までなんて・・・でも、僕もしょおくんがいたから生きてみたいと思えたからそんなもんなのかもしれないけど・・・。

でも、僕はのぞみちゃんのこともっと知りたい
僕にできることならなんでもしてあげたい。

本当に明日かは分からないけど、明日はしっかりと一緒にいてあげなきゃ。

少しでも楽しいと思ってくれればいいな。