しょおくんは3日や1週間で目覚めることは無かった。 3週間たって1ヶ月経とうとする前にしょおくんの様子が少し変だった。
今までは特に表情も変えなかったしょおくん。
今日は表情は変わってないけど汗が出ていた。
先生に聞いてみると

「何か深い夢でも見てるのかも」

そう言ってた。
ちょうど1ヶ月する頃、僕は少しの間、お仕事をお休みした。 パニックになったらしょおくん1人じゃ何も出来ないだろうから。

今日はずっと表情が苦しそう。
そっと手を握ってあげると楽になったみたい。
この動作は約、2週間続き、しょおくんは目覚めることに。

「ここは・・・?」

「病室だよ、しょおくん、大丈夫?」

そう聞くと

「誰? てか、なんで病院にいるんだ?」

あ、覚えてないか・・・。
ん、大丈夫、いつかは思い出すから。
先生を呼ぶと診察されて、大丈夫そうだった。

「潤だよ、しょおくん」  
 
名前で呼んでね?

「潤? ちょっと待ってな・・・」

思い出せるのかな?  

「んー、ぼんやりとだけど・・・」

「うん」  

「よく一緒にいたような・・・」

いたような・・・曖昧だけど何となくでも覚えてくれてて嬉しい。

「ふふっ、うん、そうだね? 合ってるよ」

いいんだ、全く覚えてないより全然嬉しい。

「良かった、でも、それ以外は何にも覚えてない」

そういうパターンになったんだ・・・。

「そっか、ゆっくりでいいからね?」

焦っちゃいけないと思うから、時間はいくらでも掛けていいから。

「ふふっ、ありがとう」

しょおくん、自分自身のことは全然覚えてないのに・・・。 

「ふふっ、うん」

あ、そう言えば・・・。

「どこか痛いところある?」

そう言うと

「痛くないよ」

「良かった〜。 なら、3日で退院出来そう」

看護師さんが来ると少し怖こうなしょおくん。
どうしたんだろう?  手がふるえてるしょおくん。 なんで? もしかして・・・?

「しょおくん、怖い?」

そう聞くと頷く。
これじゃ、看護師さんが何も出来ない。

「大丈夫、看護師さんだよ? しょおくんのこと診察したいだけだよ?」

そう言ってもまだ不安そうなしょおくん。
もしかして・・・他人が怖い?
そしたら、お医者さんも怖い?

「そばにいるからね? 体温計りたいだけだよ?」

そう言うと少し落ち着いて無事に計ることが出来た。

「体温に異常はないですよ」

それは分かってる、多分、しょおくんの心が拒否してるものがある。
今度は先生が来た。

「どんな調子かな? 気分はどうですか?」

やっぱりしょおくん、怖がってる。

「ふふっ、困りましたね・・・」

だよね・・・。

「んー、どうしてあげたらいいですか?」

「それなら退院、夕方に早めようか」

「え?」

「そのリハビリは他のところの方が効果あるかもしれないからな、明後日来てもらえばいいよ体調は平気そうだしな」
 
そう言って先生は最後に近づいて

「私は君の味方だよ?」

そう言って髪の毛を撫でた。
しょおくんは目を閉じていた。
最初はぎゅっと怖そうに閉じてたけど、今は大人しくなった感じがする。

夕方になって退院した。

「しょおくんは僕が怖い?」

近づきすぎるのは良くないかな?

「全然、だって、お前はいつも優しいだろ?」

「え?」

「え?」

少しだけ戻った?

「あれ? なんとなく、そう思ったかな」

「ふふっ、優しいか、しょおくんも優しいよ?いつも僕に優しいよ?」

そう言うと

「ふふっ、そうなのか?」

笑ってくれるならそれでいい。

「うん」

それから僕のお家に帰って早速夕飯を作ろうとしたけど寂しそうなしょおくんを見ると胸がキュッとなって、作りたい気持ちより寄り添いたい気持ちになる。

「しょおくん、そばにいるよ?」

そう言ってギューッとした。
しょおくんは涙を流しながら

「そばにいるって本当に離れないのか? ずっとこうしてくれるのか? 俺は・・・自分のことが全然分からない今、自分も怖い、たにんも怖いんだ・・・」

ずっと抱きしめることなんて無理だよ・・・。

「なるべくこうしてあげたい、抱きしめてあげたいよ? けど、外ではさすがに抱きしめることは無理だよ・・・それこそしょおくんは怖くなるよ? だって、色んな人が注目するから」

だからせめて・・・

「明後日の病院以外はあんまり外には出ないからなるべく抱きしめるよ」

ね? ダメ?

「ごめん・・・我儘なぐらい分かってる、けど怖いものは怖いし、潤だって名前と優しさしか知らない。 けど、その優しさがきっと俺を不安になんてさせてくれない」

僕の優しさが伝わってるの?
だから、不安じゃないの?

「だから、俺には今、潤がいなくなるのが1番の恐怖、そして、生きていけない」

どこが我儘なんだろう・・・。
ふふっ、それって、ある意味プロポーズ?
僕がいないと生きていけないんでしょ?

「安心して? 僕はずっとしょおくんの味方で、ずっとそばにいるよ? 我儘なんて思ってないならもっと言いたいこと言ってもいいよ?」

︎絶対に離さないよ、だって、僕がいるから。

「ほんとごめんね、よく分かんないだらけなのにな・・・」

「謝らないで? 僕がいたくて一緒にいるから」

僕だってずっと抱きしめたい気持ちも一緒なんだから。

「夕飯作りたいからキッチン行くだけど、大丈夫? そんなに離れてないし、普通に見える範囲にはいるからね?」

そう言うと頷いてくれた。
今日は簡単にお蕎麦にしようかな。
沸騰してお蕎麦を入れて3分で鳴るまで後ろから抱きついた。

鳴ったからキッチンに戻ってお皿に盛り付けて完成した。 汁は冷蔵庫から出してと。

「食べよ?」

「うん、いただきます」

するとしょおくんは美味しそうに食べてた。

「美味い〜」

「ふふっ、だね?」

あれ? しょおくんって人と出来事だけだよね?

「そう言えば、これ何?」

え? お蕎麦も忘れてるの?

「お蕎麦だよ?」

食べ物も分からないのかな?
それならお酒は飲ませない方がいいかな。

「そっか、何となくでしか分かんねぇな

どうしよ・・・。
お風呂入らないきゃ。

「お風呂溜めてくるから少しだけ待ってて?

「うん・・・」

洗って、すぐ戻った。
それから溜まったから・・・

「お風呂先に入る?」

そう聞くと

「潤が先でいいよ」

そう言われて・・・

「ん、先に入るね?」

しょおくんと一緒の方がいいけど、僕のモノが反応しちゃうもん。

心配だから僕はシャワーだけにした。
しょおくん、好きって気持ちは分かってるのかな? 言ってる内容は好きだからなんだよ?

分かるかな? 僕がしょおくんのことを好きだってこと、しょおくんが僕のことを好きだってこと、どっちかだけでも分かる?

はぁ・・・、僕だってキツイんだからね?
キスしたいし、その先も・・・。

なんて、バカだよね。 しょおくんが一番辛いのに・・・。 そっと涙を流しながら全身を洗った。

そばにいてあげることが大切、どんなに辛くてもきっと思い出すことできるんだから。