SideJ
しょおくん!? 何度も起こそうとしても起きない。
なんで? でも、本当は押し返そうとしていたように見えるけど苦しそうな表情だった。
僕を思ってくれたから? それもあるだろうけどきっと違う。
慌てて救急車を呼び、緊急手術が開始された。
それが終わると医者からは
「ひどい殴られた跡があります。 そのせいの出血が多く、暫く目覚めないかと」
「暫くって?」
「早くて3日、遅くて1週間。 もし、1週間で目覚めない場合は覚悟してください、停止ない限りは最大半年は目覚めないかと」
「そんなにですか?」
「はい、すぐに病院に運べばそれほどでは無かったのですが・・・、身体を動かしましたよね? 櫻井さんは動かした身体で更に深く痛みが増し、きっと苦しかったでしょう」
え? つまり、智さんが抱いたから?
「具体的に分かってるんですか?」
そう聞くと苦笑された。
「私だって見たいものではありません、ですが医者なので全身を調べさせて貰ってます、愛されてましたよね?櫻井さんはきっと、更に痛かったでしょう」
「殴られてたことは初めて知りました・・・。もっと早くに気づけば良かったですね・・・」
そう言うと
「座りませんか?」
そう聞かれてえ? と思ったけど
「貴方はきっと櫻井さんのことを大切に思ってるからこそ悔しいと思われてるのですよね?」
頷くと
「俺も大切な人います、ちょっと義手を使っている男です」
「え?」
「彼は片方義手を使っていながら過ごしています、初めは断れましたよ、けど、中身を好きになっちゃったから見た目がどうであれ、告りました 。 やっと認めて貰えて今は帰れる日なら一緒に彼と過ごしています」
「ふふっ、おめでたいですね?」
「ありがとう、嬉しいよ」
ふふっ、先生もなんだね?
心強いよね。
「なかなか目覚めなかったら心が目覚めたくないのかもな」
「え?」
「根本的な問題、起きたら記憶を無くしてるかもな」
「そんな・・・」
そう言うと先生は
「可能性をあげただけ、もし、本当だったら君が頑張るんだよ? 少しずつ本人から思い出すように」
そっか、僕しかいないもんね。
「名前は?」
「松本潤です」
名乗るとニッコリ笑って
「潤くんか、頑張ろっか、櫻井さんが無事に目覚める事、目覚めて何があっても決して泣いてはダメだよ?」
「頑張ります」
すると連絡先を交換することになって今日は帰った方がいいと言われた。
まず、仕事場に戻って智さんの話を聞くことにした。
「ねー、殴ったのは智さん?」
そう聞くと
「違う! ニノだ!」
「ニノか・・・嘘ついてないぐらいは分かったよ、なんで、怪我してるのに抱いたんだ?」
「本当は、看病しようと俺の研究室に連れてきたけど最後にどうしても欲しくなった。」
そう言ってきた。
最後とは? 最後のはずないじゃん。
どうせ、また抱きたい気持ちなんてあるんじゃん?
「俺は明日でここを辞めるよ」
「は?」
「んふふ、俺の手が震えちゃって研究や解剖どころじゃないの」
「なんで教えてくれなかったの?」
そんな急に言われてもそうですかで納得出来るわけ?
「誰にも言えなかったよ、自分の手が使えなくなるなんて」
そりゃ、確かに言えるはずもないけど・・・
「心配するよ、そんなの急に言われた方がもっと心配だよ」
急に言われちゃ困っちゃうよ、しょおくんはなんて言ったのだろう。
「最後の理由分かったでしょ? 翔くんを抱くことなんて二度とできない、自分の生活もほぼできない」
まぁね、その理由は。
「なんで、それは甘えないの? 強がるの? しょおくんに夢を見させてもらって、それで終わりにできるの? どっか逃げてない?」
そう言うと智さんは
「んふふ、逃げてるって翔くんにも言われたな逃げてるように見えるのか」
しょおくんもそう思ったんだね?
「んー、じゃあ、そうだな、最後に会っておきたいな、相葉ちゃんに」
「雅紀さん? いいよ、ニノはどこ?」
「自分の研究室じゃないか? 1人にさせて欲しいと言われたからな」
そう言われてニノの研究室に向かった。
見つけたからノックして入った。
「潤くん・・・」
ニノは反省してるようだし怒るつもりはなかった。
「智さんから聞いた、怒りたい気持ちもあるけど、智さんを守りたかったんでしょ? 智さんのこと誰よりも好きでしょ?」
そう言うと何度も頷いた。
「ね、なら、もう1つ智さんの願い叶えてあげよ? 」
そう言って2人で智さんの部屋に行った。
それから3人で雅紀さんのお店に。
「いらっしゃい・・・」
「あの、智さん連れてきたんだ」
そう言うと雅紀さんは
「ちょっと待っててね?」
そう言って雅紀さんは注文を受けてたお客さんの相手してからこっちに来た。
「おーちゃん、久しぶり」
「んふふ、変わらないね?」
「おーちゃんも変わってない」
するとニノの方見て
「くふふっ、ニノも?」
「うん」
「二人とも来たなら俺に用があるのかな?」
そう言われて僕は雅紀さんならきっと幸せにできるような気がするんだよ。
「雅紀さんにお願いがあるんだけど」
「何?」
「智さんのそばにいて欲しい」
すると智さんは苦笑したものの
「手が震えちゃってビールを持てないよ」
すると雅紀さんは驚いて
「なんで? そんなに震えてるの?」
「分かんない、不明な病気、だから、明日には多分ほんとに持てなくなるだろう」
「いいよ、俺の店の上の階ね?」
やっぱり雅紀さんは優しい。
でも、それだけじゃない気がする。
智さんにとって雅紀さんは命の恩人みたいなもんで、雅紀さんにとって智さんはどんな人なのだろうか。 友達? それ以上だったりする?
「遠慮しないで? 俺のところから居なくなったりしたら怒るからね?」
「んふふ、お世話になるね、怒ると怖いからいなくならないよ」
ふふっ、智さんはきっと幸せになれる。
「ニノはどうしたい?」
「え?」
「ニノはおーちゃんのこと好きじゃん? 俺は、そんな2人が好きだから」
そう言うと智さんは驚いたような表情をした。
「えっと・・・、それって?」
「恋してる自覚ならあるよ、おーちゃんにも、ニノにも恋してるかも、2人が幸せになってくれるならいくらでも協力する」
雅紀さん・・・
「優しすぎるよ、ニノは実は雅紀さんのことも好きでしょ?」
そう言うと
「何言ってるんだよ//」
そう言うと
「へぇー、ニノは好きなの? こうなったら3人でならいいかもな、まだ、そんな気持ちは無いけど手伝って欲しいことはあるしな。」
「ふふっ、それは3人で決めて? 僕はこれで帰るよ」
すると雅紀さんは
「しょーちゃんは?」
「入院中、まだ、目覚めてないの」
「ごめん、そんなこと聞いちゃって」
そう言うから僕は首を横に振った。
「ふふっ、雅紀さんは優しすぎるよ、てか、ニノもだけど、2人は自分を奥手に考えすぎだもん。3人とも素直になって甘えたいところは甘えて支えあって? それがきっとしょおくんもそう考えてるから」
しょおくんのため、僕も、そう思ってる。
しょおくん、早く目覚めて、記憶はなるべく多く残ってて?
それでまた雅紀さんのお店行こ?
3人は幸せになるよ? だから、心配しなくても大丈夫、少しずつ僕たちも幸せになろ?
僕はしょおくんを待ってるよ?
しょおくんが例え記憶を無くしても頑張れるよ? だって、好きだもん。
帰ってシャワーを浴びて、僕はベットに寝っ転がった。 しょおくんのにおいが残ってる。
「ふふっ、ふふふっ」
あれー? こんなに寂しかったんだね?
僕って結構寂しいんだね?
しょおくんに会いたいな・・・、しょおくんに触れたいな・・・記憶が消えてたら触れることはできないのかな?
少しだけ不安だけど、やれることはやらないとね。