夏休みになり、花火大会の日。
俺たちは生徒の安全を守るため行くことに。
「しょーちゃん」
「なんだよ」
雅紀が相変わらず大きな声で呼ぶ。
「これ」
「ありがとう」
受け取って近くのベンチで食べ始める。
「ねー、俺ね好きな人いるんだ」
「誰?」
そう聞くと
「偏見ないよね?」
ってことは男か。
「ないよ」
そう言うと
「潤ちゃんが好きなんだ」
あ、やっぱり? なんとなくは思ってたよ?
「うん、それで?」
「コクったんだよ? そしたらさちょうど一ヶ月前ぐらいでさ終わっちゃったんだよ」
ん? 付き合ってたの?
「えっと、付き合ったの?」
そう言うと
「うん、期間限定でね? でも、潤ちゃんはそう意味で好きじゃないって」
やっぱり潤くんを狙ってる人はいるのか。
「まぁ、潤くん次第だよなそこは」
潤くんの気持ちが雅紀に向けば恋人にはなるだろうな。 でも、そしたら応援できるかな?
「だよね~」
そう言ってると
「松潤かわいそうだな」
校長がなんでここにいるんだよ。
まぁ、智くんとは友達だからいいけどさ。
「そりゃあ好きなのはしょうがないけど、だからって無理矢理するのは良くないからな」
雅紀は無理矢理なんかしてないけど誰の話なんだ?
「相葉ちゃんもある意味無理矢理に近いけどな、松潤は考えてしょうがなく期間限定にしたんじゃないの? 多分、松潤は気付いてたと思うよ?」
智くんも随分と見抜いてるんだな。
鋭い人だもんな。
「えー、そうなの?」
そう言うと頷いて
「でも、松潤に好きな人がいるなら松潤は苦しいんだろうな・・・、だってさ、松潤には好きなタイプはいないからさ。 恋を知らないからさ知ったら苦しいかもな」
なんだかな、なんで智くんがそんなに知ってるのか分かんなかった。
「んー、誰なんだろうね?」
「それは分かんないけど、そんなに好きなら、松潤が隠してることを聞き出せたら松潤はその人のことが好きってことじゃない?」
んー、潤くんの全てを俺に言ってくれるのだろうか。
「なんで智くんはそんなに知ってるの?」
そう聞くと
「松潤のお父さんは先生だったんだよ、教わったことがあってね?」
へぇー、そんな縁もあるんだなと思った。
それから見回りを始めると潤くんは楽しそうに二宮くんと話してた。
他のところもしっかりと見回りしてみんな楽しそうだなと思いながら見てると潤くんは智くんに呼ばれて何かを話していた。
なんかそれだけでムカつくまではいかないけど
俺のものにしたいなって気持ちが増えてくる。
ふふっ、コクれないなんて情けないか。
そう思うともういいじゃんと思い始めた。
楽しければそれでいいって。 後先を考えないで言ってみようかなと思った。
スマホが鳴ったから見ると潤くんからだった。
待ってるか・・・。 どこで?
どこでなんだろうか。 書いても探してね?と来て、えーと思った。でも、終わったらか。
花火大会が始まった。 視界には潤くんが見えた。 え・・・。 また胸が苦しくなった。
見て見ぬふりをして二人に気づかれないように一緒に見てた。
終わった頃、潤くんはいなくなっていてビックリした。
「しょーちゃん、おーちゃん帰ろ?」
とりあえず生徒を誘導させて視界に見えなくなった頃、雅紀の車に乗った。
なんか、忘れてることないっけと思ってラインを確認したら潤くんからのだと思って
発車してる途中で申し訳ないけど
「忘れ物したみたいでさ悪いけど止めてくれる?」
「え? りょーかい!」
車止めてくれて
「ありがとう、時間かかりそうだから先帰ってて?」
すると雅紀が
「待ってるよ」
と言われて困ってたら智くんが
「翔ちゃんがそう言うなら先、帰ってよ?」
と言ってくれた。
「ごめん、ありがとう」
そう言って急いで戻った。
えっと、写真から見ると海かなと思って海に向かった。
潤くんだ。 え? 何するつもり?
スローモーションみたいだけどゆっくりと海の中へと歩いてるみたいだった。
階段降りるのが面倒でジャンプして砂浜を走った。
後ろからぎゅっと抱き締めて
「見つけたよ」
「うん・・・」
くるりと俺の方に向かせて
「今、何しようとしてたの?」
そう聞くと
「だって、疲れちゃった、何でだろうね」
本当に疲れてそうな顔はしてるけど・・・。
なんて言ってあげたらいいのか難しくてどうしたら聞いてくれるかも分かんなくて好きって気持ちが溢れ過ぎて言葉よりも先にキスしちゃった。
「んんっ・・・、しょお・・・くん」
そっと離すと涙が溢れていたからそっと唇で受け止めた。
「返事、何も言わなくてごめん、俺も好きだよ
一緒にいてほしいって思うし、潤くんが思ってること全部知りたい」
いっぺんに沢山言うと困るかなと思って一回切った。
「潤くん、誰にも言えないことあるでしょ?
俺にも言えないかな? 言ってほしい、だって恋人だからさ、俺だけにでも、教えてくれないかな?」
そう言うと
「うん・・・」
ふふっ、良かった、多分想像以上に辛いんだろうけど、それでも、言ってくれるのは嬉しい。
「しょおくん」
「ん?」
「ほんとに?」
え? 嘘だと思っとると言いたいのか?
「ほんとだよ? 一緒に帰ろ?」
すると嬉しそうに笑った。
少し歩く距離は長いけど、苦ではなかった。
「しょおくん、ちょっと暗いね?」
「そうだな」
手を繋ぎながら歩けるなんて嬉しいけど、ドキドキするな。 こんなことでもドキドキするんだなと思うと後、どのぐらいドキドキしたらいいのか分かんなかった。
マンションに着くと
「あ、ママだ・・・」
あれが? 潤くんのお母さんだったんだね。
一回だけ見たことあったけど。
「遅かったじゃない、お帰り、心配したんだよ?」
確かに他の人よりも遅いもんな。
「ごめんなさい・・・」
すると俺の方を見て
「えっと、一度会ったことありますよね?」
頷くと
「ママ知ってるの?」
「うん、忘れるはずないって、潤が言ってた人でしょ?」
「そうだよ?」
すると
「泊まってきませんか? 詳しく聞きたいし」
ヤバイ。 これは・・・、まずいよな。
「分かりました」
とりあえず正直に話すことが大切だよなと頭の中で言うことを整理した。