Side S 

あれから一週間過ぎた頃、おじいさんは亡くなってしまった。 元々病気だったらしく、寿命がちょうどその日までだったらしい。

その時、じゅんは学校だった。
せっかく楽しそうだったのに…。
言わない方がいいのかとも思ったが、いつかはバレることだと思ったから言うことにした。

その時はしがみついて泣くだけで済んだ。

「しょおくん…」

じゅんの気持ちが分かるから泣きたくなるぐらい辛い。 でも、今は寄り添うことが大切だと思った。 

「大丈夫、じゅんのそばにいるから」

そう言って暫く、いれるときはずっといた。
俺が学校の時間はママが代わりにずっといた。
じゅんは登校することができなかった。
でも、やることが済まされた頃、じゅんは少しだけ元気になった。

本格的に元気になるには時間はかかったけど、雅紀や智くんがついてくれたり、学校ではカズくんがいつも以上に寄り添ってた。

じゅんがいつも通りに元気になった頃、ちょうどママが倒れた。 この前と同じのストレスだが…! 少し違うのが、ガンを放置していたせいで助からないこと。 とりあえず生活できる範囲での手術をしてもらい、家に帰ることができた。 その後は、家で好きなことをやっていた。 じゅんはほとんどやってたから新しくお花を買って育てていた。

じゅんは泣くことはなく、ずっと笑顔でいた。
無理していることもなく、自然とだったから少しだけホッとした。 二人きりの部屋になって心配することはあっても、大丈夫そうだった。

無事にお花が咲いた頃、ママが桜を見に行きたいと行ったからお花見をした。

「満開だね! スッゴくきれいだね!」

ふふっ、はしゃぎ回ってる。
そんなじゅんを見て二人で笑った。

「あ、食べよう? せっかく、作ったんだから!」


そうだな、はりきってて沢山作ってたもんな。
いつも以上に時間をかけてできた弁当は色とりどりで卵焼きでハートを作っていた。

「これ、しょおくんのね? こっちはママのね? そして、これは僕の!」

アハハ。 たこさんウィンナーの大きさがバラバラになってて、じゅんは一番大きいのを選んだ。

「私のちっちゃくない?」

食事はしっかりと取れてるからな。
確かに、ママのは小さい。

「大きいのは僕のだもん、好きなものはあげられない!」

なるほどね。 好きなものはあげられないな。
するとママはおにぎりを出してきた。

「いつ作ったの?」

それは知りたい。 俺たちがいないあいだに作ったのか?

「んー、二人がいちゃついてる時かな」

するとじゅんは

「もぉ、そんなにいちゃついてないよ」

恥ずかしそうに言った。

それから三人でいちゃついた。
恥ずかしいかもだけど、3人の思い出が楽しいものならそれでいいと思ったからじゅんにとことんいちゃついた。

じゅんは俺に食べさせてあげたいらしく、ママが俺に食べさせてもらった時には頬を膨らませて怒ってた。

可愛いしかないんだけどと思ってわざと続けてもらった。 じゅんが泣きそうになったから途中でやめたけど。

「しょおくんは僕のでしょ? ママとなんでイチャイチャしてるの?」

ぷっ、アハハ。 多少でしょ?
別に抱き合ったりはしてないし。

ママは大爆笑して、

「潤は、お馬鹿なの?」

そう言いながら笑いが止まらなかった。

「プー。いいよ、しょおくんのことに関してはお馬鹿でも! でも、好きだもん、だから、そんなふうにされたら怒るよ?」

ふふっ、とっても愛されてることがよく分かる
それからはじゅんは怒ることはなく、楽しそうにしていた。

あ、桜の花びらが俺たちの方へ。

花びらをキャッチしてじゅんに渡した。

「ありがとう、桜の木は立派だね」

ちょうど桜の木に触れられる距離にいるからじゅんは木をそっと撫でた。

「ふふっ、そっか。 とっても元気か。」

え? 桜とも話せるのか?

「桜は晴れているとこの時期は元気だもんね」

「うん、桜はとっても元気だから少しの風なら負けないよ?」

ふふっ、そうだな。
それはじゅんにも言えることだと思うな。
思いっきり落ち込むときがあってもいつかは元気になれる、桜が例え枯れても、また元気になるから。 

一番新しい出掛けた思いではこれだった。

じゅんは三年生となり、受験生となった。
ちょうど梅雨の時期、ママは病院で入院することになった。

また家に戻れる日は来るのだろうか。
毎日、お見舞いに行くけど、日に日に元気がなさそうに見える。

これから暑い夏になるのに大丈夫なのだろうか
耐えられるのだろうか…、ママに対しても不安だけど、じゅんのことが一番不安だった。

じゅんにとってママが一番長く一緒にいた存在だから元気がなくなる姿を見るのはまた辛い一日になりそうだ。