Side J 

暑い夏。 こんなに暑かったっけ?

初めて翔さんに触れられたモノはすぐに達してしまう。 
とても気持ちよくてその行為が嫌ではなかったでも、翔さんは好きだから触れてるんだよね?僕は、翔さんのこと好きだと言っても良いの?

僕は、幸せになってもいいの?
壊れちゃうのが怖い。
捨てられるのが怖い。

ずっと一緒にいてくれるの?
だって、どうするの?
何をしてあげたらいいのか分からない。
どうしてあげたら翔さんは喜ぶの?

何も与えることは出来ないよ?
翔さんのお手伝いだって、全部できるわけではないし…!

だから僕が好きであっても、翔さんが僕のことを好きであっても、何も答えることはできないよ。 

「そう言えば誕生日はいつ?」

僕の誕生日。 僕にとっては捨てられた日。

無理だよ…! いつか捨てられちゃう。

「8月30日だよ」

そう言うと

「ラッキーだね、ちょうど俺は休み。」

え? なんで?

「ダメだよ! 翔さんのお仕事を僕のために休むのはやめて?」

大丈夫だよ、そんな祝ってほしくもない。

「元々その日の当番は俺じゃないもん」

もぉ、人の話聞いてた? 
確かに当番表があるけど…!
丸一日休みなんて滅多にないでしょ?

「ちゃんとお仕事して?」

ね? お願い。 

翔さんを必要とする人は沢山いるんだからね?

「いいの、俺にとっては患者さんも大切だけど、潤も大切だから。」

僕のことは後回しでいいのに…!

「じゃあ、潤は傍で手伝って貰おうかな?
それなら、心配ないし」

ふふっ、大丈夫だよ、僕一人でも。

「翔さんのお邪魔になっちゃうからいいよ」

翔さんのお仕事を手伝うことはできない。
そこだけは僕はちらっと見るだけ。

「大丈夫、簡単なものだけだからね?」

なんか、翔さんに反対しても無駄な気がしてきた。

結局、その日は午前中だけお仕事。
お手伝いした。

湿布や、包帯、お薬など…!
種類が沢山だったけど、書いてあるから大丈夫だった。

ほら、翔さんによって助けられた人沢山いたじゃん?

午後はゆっくりと翔さんのお部屋でのんびり。

「ね、潤のこと好きだから、付き合ってくれる? 今すぐは無理かな?」

無理だよ、いくら好きであっても離さないって自信あるの?

「なんで、そんなに、好きなの?」

僕のこと好きになったってね…!

「全部だけど、潤と話すのが楽しいし、ドキドキするし、大切にしたい」

大切にしてくれるのは嬉しいけど、僕なんか、飽きちゃうよ?

「嬉しいけど、翔さんにはもっといい人がいると思うよ?」

それに男だから…。

赤ちゃんとか産めないのに?

それでも、そんなに、僕のことが好き?

「潤しかいないの。 そう思った人。初恋なんだよ、キスもないしね?」

翔さん、もてそうなのに?

僕なんかに…! 恋したの?

でも、自分がこんなに断ってるのに諦めようとしない。 そこが翔さんの本気なのかな?

そう思うと余計に苦しくなった。

それは息ができないほどに。

「じゅん、落ち着いて?」

僕の背中を擦りながら大丈夫って言ってくれる

「ふぅ…! はぁ…!」

少しずつ息ができるようになった。

それでも、ずっと擦ってくれた。

「ごめんなさい、ありがとう」

急に息が出来なくなって、怖かった。

「良かった、落ち着いてきたみたいで」

ホッとしたような表情をしたあと、優しい表情で僕をみてきた。

「ふふっ、可愛いな。」

僕、可愛くなんか…ない。 
こんなにぐるぐると悩んでる自分が嫌になった

なんで? こんなにぐるぐると悩んでなきゃいけないんだろう。

せっかくのチャンスなのに…!

僕は、何が足りないんだろう。

飛び込めばきっと、ずっとじゃなくても幸せにしてくれる。

なのに、なんで、翔さんのことを信じられないんだろう。

信じるって決めたのに…。

そんな自分が一番嫌だった。

「ねー、信じられないかな? 俺のこと、信じてもらえない?」

信じたい。

好きだもん。 何となくわかったよ。

恋がどんな感じなのか…、好きってどんな感じなのか…、今までに感じたこともない、嬉しい気持ちとドキドキする気持ちと苦しい気持ちだった。