Side J 

いくら元カノだからって一緒にいるのは不安だよ。 円満なのか分からないし、何されるかも分からない。

今は飛行機の中でしょおくんがぎゅっと握ってくれてる。

「大丈夫だよ、智くんがいるからね」

「え? どういうこと?」 

「潤が不安になってることは起きないってことだよ」

「ん、分かった。」
それからしょおくんはずっと楽しい話をしてくれた。 しょおくんがいなければ、どうだったんだろう。 会えてなければ今でも気を使ったと思う。 歳上だし、嫌われないように相手の機嫌だけを損ねないことを目標にしてた。

しょおくんは僕と付き合ってても楽しそうにしてるし、無理してる姿がない。 
だからかな。 僕も楽しくて、無理してる自分がいないし、何でも聞いてくれる。

久しぶりの日本は、変わった?って思うほど綺麗だった。
しょおくんは気にせず繋いでくれてる。
本当に皆に認めて貰えたかなんて分からない。

多くの方には認めてもらえたけど、全員ではないから…!

気持ち悪いって思われることだってある。
ほら、視線が違うもん。
けど、しょおくんは離さなかった。
覚悟を持ってるってそう言うこと?
ふふっ、しょおくん、カッコいい。

映画館に着くと智さんたちがいた。
僕は智さんとは話したことないからしょおくんが中心に話をしてくれる。

僕の鼓動は早いけど、話にはついていけてる。

「どっちがいい?」
席を決め始めた。
どっちの方が見えやすいのかな…!

「んー、俺たちはこっちで」
はじっこになった。

「じゃあ俺たちはこっちだな」
智さんたちの様子見ると普通のデートを見てるみたいだった。

映画が始まると考えていたことが消えた。
しょおくんとはぎゅっと握ってるから不安もない。 凄いな、僕もあんな風に演じてみたい。
僕も、いつかなれるよね? 

エンドロールが流れた。

「せっかくだし、ランチ一緒にしない?」
また、一緒なの? 
今回は席が離れていたからいいけど…!
ランチなんて近いじゃん…!

「んー、潤は?」
本当は行きたくない。
けど、智さんとはもう少し話してみたいし、せっかく誘ってくれた。

「いいよ、どこにするの?」

「んー、ファミレスでいいと思うけど…!」

「そうだな、それで決まり、近くにあるから行こう?」
そう言うとニッコリ笑った。
やっぱり楽しそう。

注文した後、智さんはトイレに行っちゃった。

「智くんといて楽しい?」
しょおくんは彼女に聞いた。

「うん」
まぁ即答だよね…!

「じゃあ、潤とは?」
僕のことは聞かなくていいのに…!

「楽しかったもあるけど、苦しかったかな。
あれはヤラセだから。」
え? どういうこと?

「ねー、それって俺たちの学科にはないけど、先輩の学科だけ?」

「そこまでは分からないけど、私の学科ではよくあること。」
ん? 話についていけてない。

「つまり、どういうこと?」

「ごめんなさい、告白した理由は皆がしてきてって言われたから…!」

なにそれ…! 
僕はそこ告白を真剣だと思ったから受け止めたのに…!

「じゃあ、嘘だったってこと?」
好きじゃないのにしたってこと?

「先輩はずっと、告白しなかったら仲間外れってこと?」
なんで? 
普通に可愛いと思うし、優しいじゃん…!

「そう。私だけではないけど彼氏がいなくてね。でも、有名な人じゃないと駄目だった。」

そう言うことなんだ…!

「それ、噂で聞いたことあるけど、本当だったんだ…! 先輩って絵を描くの好き? または、見たりするの好き?」

「そうだね、落ち着くから…! 昔から絵を描いたり、作ったりすることが好きだし、お母さんは誉めてくれたから。」

「そっか、だから智くんに惹かれたんだ。」
全然知らなかったな。
何が好きとか聞いたことなかった。

すると

「んふふ、俺も惹かれたんだ。 絵を描いてる時、いつもより優しい表情になるんだ。 それ以外の時はどこか辛そうな表情をしてて…!」

そうなんだ…! 

「ん、で、俺からだけど、その時に確かに彼氏がいるとは言われたけど、この人を幸せにしてあげたいって思ったからそれでもいい、そう答えた。」

「んー、智くんは、先輩の全てを知ってるってこと? 全部知りながら受け止めたってことなの?」

確かに…! そうなるよね。

「知ってた。 気になってから色々と噂を聞いたからね。 松潤は、今、幸せ?」

そっか。 色々と彼女にも事情があった。
僕も、もし、そうだったらそうしてたと思う。

「うん、幸せだよ、しょおくんといて楽しい」

ずっとこの手を離したくない。

「そっか、良かった!」

心配してくれてたの?

「先輩は今、幸せ?」

そうだよね…! 幸せなんだよね?
好きってことだもんね。

「ふふっ、幸せだよ。」

ふふっ、そっか。 良かった。
するとしょおくんは

「良かった、お互いが幸せならこれは解決だし、また会ったって今度は友達としていられるでしょ?」

しょおくんの言う通りだね。
ずっと不安だったけど、全部話してくれたからそうだったんだと分かったし、嫌じゃない。

「ありがとう、頼りなかったでしょ?」
智さんの方が沢山いいところあるし…!

「ふふっ、あったよ? ずっと気遣ってくれたこと嬉しかったし、頑張ってくれてたことも分かってる。」

そっか。 
自分だけか、頼りないなんて思ってるのは…!
しょおくんにも頼りないなって思わせてるんじゃないかってたまに思ってたけど、違うんだね

最後に彼女のことをぎゅっとした。
大丈夫、智さんがもっと幸せにしてくれるから
苦しまないでね? 
僕のことで苦しまなくていいんだよ? 

「温かいね。 いつもは冷たかったのに…!」

そうだね、どうしてだろう?

「ふふっ、それは良かった」

僕も彼女も温かさを取り戻したのかな?

そして、智さんたちとは別れた。

「さて、どっちの家?」

「しょおくんのお家がいい。」

だって、しょおくんの家の方が学校から近いし
しょおくんと少しでも長くいたいから…!

「ふふっ、了解」

するとしょおくんはチュッとキスをして

「頑張ったね、潤、良かったね」

うん、頑張れた。 
しょおくんが見守ってたから頑張れた。

「ありがとう」
ふふっ、泣きたくなっちゃう。

「潤、もっとくっつこう?」
ふふっ、いいの?
でも、しょおくんがそう言うなら…!

「うん、僕もくっつきたい」

そう言って、距離を近づける。

「潤、愛してる」

「ふふっ、僕も、しょおくん、愛しるよ」

ふふっ、大好きだよ、しょおくん。

しょおくんの気持ちがみんなを動かした。

みんなそれぞれ抱えていた悪い気持ち、苦しい気持ちが無くなって、幸せになった。

ずっと、ずっと、幸せでいられること、

それが僕たちの大切なことだね。

               オマケおわり