Side S
今日は俺がアメリカに行く前日。
潤、そろそろ好きって言ってくれたっていいじゃん。 何の罪にはならないし。
潤の彼女、潤の母さんに聞いたとき、その人は俺も知っていた。 俺と同じ学校の先輩。
だけど、彼女は付き合ってるよ?
智くんがその彼女と付き合ってる。
それでも、まだ好きでいるの?
俺だけにはならないのか?
潤が俺のことを好きだとは分かる。
分かるけど、好きって言ってくれないと、不安なんだよ。特に明日から離れるんだから。
ねー、いつになったら好きって言ってくれる?
いつになったら愛してるって言える?
俺は本当に愛してるんだよ?
それは分かってくれてるよな?
確かにそれでもいいと言ったのは俺だ。
どんなに平等じゃなくたって好きなものは好きなんだ。
今から引き返すことなんてお互いに出来ないよな? そのぐらい俺は君に惹かれてる。
ーーー
俺が大学に行くか迷ってたとき、ふと、舞台現場をみた。 そこには練習してる生徒が沢山。
そのなかで一人だけ一生懸命な奴がいた。
他の人がバテてもずっとずっと練習してた。
それが誰なのか初めはわかんなかった。
けど、美しくて、男子なのに可愛くて。
誰にも負けないぐらい一生懸命な君に一目惚れをしたって思った。
目が離せなくてつい、目があっちゃうんじゃないかって思った。
でも、その次の日に君の舞台が始まったのを知って俺は見に行った。
かっこよくて声も聞こえやすくて、でも甘い声がした。
ずっと俺の心臓がドキドキとしていたのと同時に初めて悔しさを覚えた。
そのうち君は俺を抜かしてしまうんじゃないかって、演技が上手くて、俺なんかよりも真面目にやってた君が上手くなるんだって思うと負けられないって気持ちと、俺がもっと上手くなって君といつか共演できたらと思ってた。
あるオーディションに出ることにした。
俺宛のオファーがきていて出ることにした。
他には誰がいるんだろうと思ったとき
「潤、出てみる?」と聞かれていた。
え?と思って振り返るとドキドキした君だった
で、実際、オーディションはお互いに受かった
潤と仲良くなりたくて話してみた。
潤は俺の名前を知ってるみたい。
俺のことを“しょおくん“と呼んでくれた。
その声が甘すぎて俺はその声が沢山聞きたくなった。
潤と一緒にパフェを食べた日、俺が食べてる時、ずっとにこにこしながらみてて、食べると口の周りについてて指ですくうと照れた顔をした。 ふふっ、可愛らしい。
そして、帰ろうとするとき潤が俺の袖を掴んだ
え? と思うと寂しそうな顔をした。
んー、どうしたらいいんだろうと思ったとき、もっと遊びたいのかなと思い潤の家はどうだろうと思った。
そしたら嬉しそうになったからこれでいいのかって思った。 手を繋ぐと驚かれた。
いいの?って、聞いてきた。ってことは嫌ではないんだと思って潤だからって言うとぎゅっとなったのが分かった。
潤の家に行くと綺麗で、すぐ潤の部屋に入った
そう言えば潤って彼女いるのかな?って思って聞くと“いるよ?“と言われた。
マジか…! 俺にはチャンスがないってこと?
でも、彼女の痕跡が潤の部屋にはない。
だから、潤は彼女のこと好きなのか?と聞くと
こんなことを聞くのは失礼かもしれない。
けど、その答えによってチャンスかどうかが分かるから賭けたかった。
すると少し考えてから好きって答えた。
好きならどうして考える必要があるの?
それが俺には分からなくてつい、酷いことを言ってしまった。
それでもはっきりと潤は自分の意見を言った。酷いことばっかりして、本当は無理なこと、知ってたのにと思うと情けなくて謝っても自分が許せない。
だから、俺はまた現場って言って逃げるんだ。
潤は驚いてて動けなかったと思うのに俺が靴を履こうとするときに…!
“いかないで?“と言われた。
どうして、潤が泣くの? なんで?あんなに酷いことを言ったのにそれでも
“お願いだから行かないで?“って言ってきた。
そんな泣いてる潤を俺は抱き締めていた。
もう、無理だよ、俺は潤が好き。
潤以外を好きになれないし、二股だろうと何でもいい。
潤と付き合えるなら二番目だっていいんだ。
そんな覚悟ができてきた。
ーーー
「しょおくん、別れよ?」と言ってきた。
え? と思った。 どうして?
なんで、わかれるんだ? 俺のこと嫌い?
「なんで…そうなるの?」
俺、愛されてなかったの? 自惚れだった?
「しょおくんといる日々が凄く楽しかった。それが凄く大切な日になってきた。 僕と付き合ってくれて嬉しかった。 けど、僕は好きだとも愛してるとも言えない。 しょおくんが最近、それに悩んでること分かってた。 見て見ぬふりをしてた。 だけど、しょおくんは、笑っててほしいから僕といてはダメだよ?」
あ、俺の気持ち、気づいてたんだ。
確かにお互いに辛いときもあったけど、潤といられなくなるよりも全然ましな話だった。
「俺、やだよ?」と言うと
「しょおくんのこと恋人とは思ってないよ?
友達よりも上だけど、恋人とは思ってない。
だから、帰って? 僕と別れた方がいいよ?」
そう言ってニッコリと笑ってる。
どうして? 一番辛いのは潤じゃないのか?
本当にそう思ってるの?
「じゃあ明日、出発するまでずっと一緒にいて? そして、寝るまで抱いて?」
その条件ぐらいいいだろ?
「いいよ、しょおくんがそれで満足するなら、別れてくれるならいいよ」
そう言ったから俺は早速抱き締めた。