【フィギュア】宇野昌磨SP2位「責任は久々に全うできました」3季ぶり自己最高105・46点
[2022年2月4日19時58分]松本航

初のメダルを目指すフィギュアスケート団体戦で、先陣を切った宇野昌磨(24=トヨタ自動車)が男子ショートプログラム(SP)2位に入った。


3季ぶり自己最高の105・46点を記録。新型コロナウイルス陽性判定を受けたステファン・ランビエル・コーチ(36)不在の中、111・71点で首位のチェン(米国)に続いた。アイスダンス・リズムダンス(RD)は小松原美里、尊組(倉敷FSC)は7位、ペアSPは三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)が4位。日本は初日を終えて4位につけた。

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オーボエの音色が静まり、宇野は日本の応援席を見ながら拳を握った。演技開始は午前10時40分過ぎ。直前練習は同6時25分開始で、苦手な朝の本番に体のキレはさえなかった。「自分を大きく見せようとかせず、練習通りにできた。すごく冷静だったと思います」。会場にランビエル・コーチの姿はない。それでも代名詞の4回転フリップから3つのジャンプをそろえ、日本の門出に花を添えた。

「最善は尽くしたいと思いますし、駄目だったら真剣に謝りたいと思います」

わずか1日前、大勢の記者の前でそう言った。表情を緩めながらも、本心をさらけ出した。4年前の平昌五輪は同じ団体戦SPで首位。個人でも銀メダルを獲得した。それほどまでの実績を積み上げたが、この4年も等身大であり続けた。

あの長野の夜もそうだった。20年12月、全日本選手権で5連覇を逃した。背中を追う羽生結弦に、34・55点差をつけられて2位。日付が変わる頃、宇野が愛用するネックレスのブランド「コラントッテ」の小松克已社長(65)と対面した。ほほえみながら言った。

「負けちゃいました。ユヅくん、すごかったです」

発する言葉に言い訳はなかった。相手をたたえ、矢印は自分に向ける。宇野とアドバイザリー契約を結び、家族ぐるみで食事をする小松社長は「(男子ゴルフのトップ選手)ローリー・マキロイが優勝争いに敗れた時、向こうから私に『元気ないじゃん』と寄ってきた。あれを思い出しました。負けを潔く受け入れる姿が共通する」となぞらえた。4年に1度の五輪も、そこにいつもの宇野がいた。

3季ぶりの自己ベストにも、自らに求めるハードルは高い。「ジャンプ以外の面でもっと表現ができたと思う」。8日には個人戦のSPを控え、ランビエル・コーチは早期の北京入りを目指している。個人戦にも、団体戦の日本にも勢いをつけ、仲間を思いやった。

「僕のやるべき責任は久々に全うできました。みんなが気負わず、最後まで、笑顔で終わっていただけたらと思っています」

宇野はたくましく、そして優しかった。【松本航】

日テレNews

フィギュア団体 男子SP2位の宇野昌磨「すごく冷静に飛べた」団体初の表彰台へ好発進


北京五輪フィギュアスケート団体・男子シングルショートプログラムの予選に、トップバッターの宇野昌磨選手(24)が登場。自己ベストとなる105.46点で2位につけ、団体初のメダル獲得に向け好スタートを切りました。首位は米国代表で世界選手権3連覇中のネイサン・チェン選手(22)で、111.71点をマークしました。

以下、試合後の宇野選手の主なコメント。

――今日の演技を振り返って

「数か所に取りこぼしている部分だったり、ジャンプの完成度に関しても少し物足りない部分がまだいくつかあった。これに関しては、試合でどうこうではなく練習していく中でもっと改善すべきところがあるかなと思う。今回は練習通りの体の状態で、動きすぎず動かなさすぎず、全然焦りもせずすごく冷静に飛ぶことができた」

――コーチのランビエール氏が(コロナウイルスの影響で)不在だったが

「そういった点もありすごく練習通りのまま演技していた。まだコーチに連絡はとれてないですが、たぶん(連絡が)きていると思うので連絡したいと思います」

――(前回の平昌五輪に続いて)2度目の五輪となるが、どう感じているか

「前大会は本当にわからない、どうなるんだろうという気持ちで大会に挑み、その結果あまり緊張しなかった。今回は前回の経験もあったのであまり緊張はなく、一つの試合として、練習に生かせる試合としてこのショートを終えられたかなと思います」

――(3日の練習で朝の時間帯に体が対応していないことについて言及していたが)4日朝の練習はどうだったか

「あまり(体が)動かなかったというのは正直ある。つなぎのスケーティング、スピンステップのキレはなかったと思うし、そういった面も含めて(本番は)練習通りだった。この団体戦に出させていただいてすごく経験になったし、練習だとやはり少しできなくても練習だからと思ってしまうが、試合であれば自分も絶対に合わせなきゃいけないという気持ちで合わせていけたと思う。このショートプログラム、団体戦に出させてもらえたことはすごくうれしく思います」


【フィギュア】宇野昌磨は全体2位「コーチいないと、もう一押し出てこないのかな」/一問一答
[2022年2月4日12時55分]日刊スポーツ


18年平昌五輪男子銀メダルの宇野昌磨(24=トヨタ自動車)が自己ベストの105・46点をマークし、全体2位で9ポイントを獲得した。

演技後の一問一答は以下の通り。

 
「この構成なら、体にキレがなくても滑り切れると思っていた。練習通りの気持ちで臨めた」

「ステファンがいないことで、より練習通り、と言いますか、ただ体にキレがなかった部分であったり。自分でやる限り、僕は自分で、より追い込もうと練習も試合もしますが、コーチいないと、もう一押しは出てこないのかな。これ以上の演技も臨んではいなかったし、ただジャンプ以外の面でもっと表現できたというか、コーチがいたら試合に感情が出せていた。その結果、失敗した可能性もありますが、コーチはもっと成長するには必要不可欠ですね。

--自己ベストの105点台

「何か取りこぼしているなと考えています。キレがなかったので、表現力もスケーティングも伸びてない。スピンも。間違いなく、練習というよりも、朝早い時間帯に体を合わせ切れていない。6分間からジャンプは跳べていたけど、重さを感じていた。個人戦に間に合えばいい。動かなくても基準を上げていく練習を、この大会が終わったらやりたい」

「(体が)動かなくなった時点で、自分の納得いく表現できないのは分かっていた。小回りする感じで、体を動かし切らずに動いていた。

--衣装は

「せっかく作ったので。着る機会なくて。もう1個のコスチュームが評判いいので、せっかく作ったので着ようと」

「自信は、なかったわけではないけど、絶対と別に確信があったわけでもなかった。失敗するかも、ではなくて、自分が練習していた時と同じ気持ちで、失敗しても、こういう失敗したんだ、次はこう生かそう、という気持ちで試合に挑んでいたので。ちょっと(冒頭の4回転)フリップも斜めって、2個目(4回転-3回転トーループ)も詰まりぎみだった。次、頑張りたい」

--団体戦の日本初メダルへ?

「僕のやるべき責任は久々に、団体戦で全うできたかなと。これで皆さんが楽になるかプレッシャーになるか、人それぞれだと思いますが、みんなが気負いせずに、終わった後に笑顔で終わっていただけたらなと思っています」

はじめまして。空(仮名)と申します。
 

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宇野昌磨、全日本フィギュア2位で2度目の五輪出場決定も「足りないものを実感。今はすぐにでも練習したい」

小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki



 6分間練習、黒を基調に金色のストーンが輝く衣装を着た宇野昌磨(トヨタ自動車、24歳)は、最終グループ6人の5番目でリンクに入っている。各選手の名前がアナウンスされるのに対し、彼はいちいち律儀に拍手を続けた。他の選手が思い思いに体を動かし、自分の演技に没頭するなかで異色だった。

 宇野は、大袈裟に「人のよさ」をアピールしない。飾り気がなく、自然に振る舞える。"天然"なところはあるが、意外なほど細やかだ。

「Consistent」

 ステファン・ランビエールコーチは、宇野の人間性について「首尾一貫した、矛盾しない」という表現を使っている。他の選手のことを気取らずに尊重できる一方、自分のスケートにとことん向き合えるし、逃げることがない。その姿勢が自然だ。

「どの試合も成長できるように」

 今シーズン、宇野は終始、その言葉を繰り返し、結実があることを確信している。

 では、宇野は全日本選手権をどのように戦ったのか。その生き方は、来年2月の北京五輪につながる。ふたつは結びついているはずだ。


【逆境を跳ね除ける練習の積み重ね】

 12月26日、さいたま。全日本のフリースケーティング、宇野はショートプログラム(SP)2位で臨んでいる。3位の鍵山優真が高得点をたたき出し、首位におどり出て騒然とした空気が残っていたが、その表情は変わらなかった。深い呼吸で集中しているようで、目は澄んでいた。

 スタートポジションで左手を胸にやると、会場に『ボレロ』が鳴り出す。冒頭、4回転ループを鮮やかな手並みで着氷した。会場では、一斉に拍手が巻き起こった。

「6分間練習の最後のループで足をひねってしまって」

 宇野は試合後にそう振り返っている。

「(演技直前に)氷上に乗った時に痛みがあったので、ステファンにも言ったんですけど、『大丈夫』と言われて。僕も痛みがやめる理由、失敗していい理由になるわけではないから、どうしたら跳べるかだけを考えて、今まで足が痛いなか練習してきた時にどう乗りきったのか、を考えて。すごく冷静に滑ることができたのかなと思います」

 事実、演技前半の宇野はことごとくジャンプを決めた。4回転サルコウ、4回転フリップ、そしてトリプルアクセル。高難度の技でGOE(出来ばえ点)を稼ぎ出し、高得点の予感があった。

 SPを前に右足首をひねって、万全ではなかったはずなのだ。

「(宇野)昌磨の(スケートに対する)姿勢を目の当たりにして、"彼ならできる"と思っていた」

 ランビエールコーチはそう述懐している。

「(宇野)昌磨は、すばらしいモチベーションでトレーニングを重ねてきた。かなりハードなメニューをこなすことで、どんどんよくなっていった。大会直前に不運なケガをしたことはあったが、レギュラーな練習を積み重ねてきたアドバンテージが、(今回の)演技に出た」

 もっとも、逆境だったことは疑いの余地がない。後半の演技は、やや乱れた。4回転トーループは転倒し、続く4回転トーループもコンビネーションをつけられず、単独でリピートになってしまった。最後のトリプルアクセル+オイラー+3回転フリップでは16.32点をたたき出したが......。

「思っていたより、自分のジャンプの状態が戻りきっていなくて」

 宇野は、自らの演技をそう分析した。

「(ジャンプを)一個失敗したら、流れるように(雪崩を打つように)失敗しそうな不安もあって。それでも1週間前まで、ずっと練習をしてきた自分がちゃんとそこにあったからこそ、失敗を(最低限に)抑えられたのかなと思います」

 最後はすべてレベル4のスピンを決め、曲を盛り上げている。演技後の表情は、達成感と悔しさが入り混じった。スコアは193.94点で、フリーでは3位。総合では、SPと合わせて295.82点で2位だった。

【五輪代表確定「成長できる舞台に」】

 その夜、グランプリファイナリストなどの実績も考慮され、北京五輪出場が内定した。

「オリンピック代表に選ばれたのはうれしいです。でも率直に言って、自分に足りないものを感じていて」

 宇野は謙虚に言って、頂上決戦を見据えていた。

「オリンピックという舞台で、自分がどうありたいのか。(これまで)2番手という立場が多かったかなと思いますが、今シーズンはトップを目指せるとして、ずっと練習してきています。なので、オリンピックではトップを争う選手として名前が挙がる状態で挑めたらいいなと思っています。"いい演技"ではなく、成長できる舞台に」

 その言葉には覚悟がにじんでいた。結果を求めることは重圧になるし、向き合い方は人それぞれで、タイミングもあるが、彼ははっきりと頂点を見ていた。2度目の五輪を舞台装置に、彼は何者かに生まれ変わるのか。

「自分に足りないものを実感しているので、今はすぐにでも練習をしたいという気持ちです。前回のオリンピックは緊張がなくて、2度目のオリンピックで、どんな感情が生まれるのかわかりません。でも、すべてを受け入れる覚悟で挑みたいと思います」

 五輪代表発表の席で、宇野は淡々と言った。スケートへの姿勢は変わらない。自分への宣戦布告だ。

 

宇野昌磨「今より成長した自分」で五輪へ

2021年12月27日 20:11

フィギュアスケートの宇野昌磨 選手が代表内定から一夜明けた2 7日、日本テレビの単独インタピ ューに応じました。自身最高難度 の4回転ジャンプ 5本への挑戦 に、「今より成長した自分を見せ られる確信を持った練習をした い」と意気込みを表しました。



フィギュアスケートの宇野昌磨選手が北京五輪代表内定から一夜明けた27日、日本テレ ビの単独インタビューに応じました。
以下、インタビュー全文。


—2度目の五輪出場が決まりました。前回との違いも含めて、現在の心境は?
「現在の心境は全くほっとした気持ちはなく、もちろんうれしいという気持ちはあるんで すけど、ただ僕にとって五輪という舞台はゴールだと思っていない。もっともっと成長し たい、今大会で見つかった課題を一刻も早く練習して、自分の糧にしたいというのが今一 番思う心境です」




一全日本のショートの演技について
「見つかった課題はたくさんあるんですけど、悔やんではいない。もっと自分は成長でき る、もっとあれやりたいこれやりたい(という気持ちで)、全然悔しいとか後悔の気持ち は全くない。次の試合までにはこれをマスターしたい、これをできるようになりたいとい う気持ち。正直今回の大会での演技はよくやったと思いますけど、自分の演技に満足する 満足しないという評価を全くしていない。練習をしてきたから試合でできなくてもいいと いうか、試合での失敗を受け入れる覚悟を持って試合に挑んでいる。試合で跳べなくて悔 しいというのは最近あまり感じないです」




―五輪ではどんなショートを見せたい?
「正直、4回転 + 2回転を4回転 + 3回転にすることについて、練習という面ではこれ以 上やれることがない状態と感じている。練習では4回転+3回転以外は跳ばないようにし ているので、曲かけ以外でも4回転+3回転しかやらない、単発は全く跳ばないという状 態なので、これを引き続きやっていく。あとは試合で1つ目のジャンプが乱れたときに、 どうしてもダブルトーループにいってしまうので、そこは一度、『そこでもいけるんだ』 と自分で認識させるか、1つ目の4回転トーループをすごくきれいに跳ぶか考えている。 そういった課題もありながら僕の中で鍵山優真選手や羽生結弦選手のように、加点のもら えるジャンプを自分なりに研究しなければいけないと思っている。ジャンプ自体をきれい にするのは難しいことだと思っているので、跳ぶ前の入りや降りたあとの振り付けを工夫 できたらなと考えています」




―シーズン前は『楽しみでしょうがない』と言っていたが、今はどんな気持ち?
「試合に出るたび、次の試合までにこれ練習しようとか、どんどん課題が見つかってい く。課題を述べているからこそ、僕が悔しんでいると感じる方もいると思うんですけど、 全くそういうつもりはない。うれしいですね、こうやれば成長できる(と分かって)。そ して練習していても見つからない部分は試合で感じるからこそ強く自分に決意を持ってこ れをやりたいと感じさせてくれる。試合はいいなと思います」
今季は4回転を4種類 5本と宇野選手の中で最高難度の演技に挑戦しているが、五輪 で成功させられる自身は?
「試合は正直分からないですね。試合は運もあると思っていますし、ただ今より成長した 自分を見せられる確信を持った練習をしたいと思います。(4回転)4種類5本というの は難しい構成でもなく、自分にとってこれがベース。ここから増やすつもりで、これから 先のスケート人生を送っていくと思います」




―北京五輪の目標は?
「いま僕の中でこれを成し遂げたい、これをやりたいという具体的なイメージは全くない です。今は全日本選手権で見つかったものを一刻も早く持ち帰って、早く練習したい、そ んな自分がいます。なので五輪では、自分のまだまだ長いスケート人生の成長過程を見せ られたらなと思っています」