「なんて美しいんだろう」
記事を開くと
Sさんが誰かのお腹に
そっと触れている写真が目に飛び込んできた。
穏やかな表情と
相手を包み込むような優しい眼差し。
美しい人だと思った。
けれど、それだけじゃない。
写真越しにも伝わる。
――内側から発光しているような輝き。
「この人、何かが違う」
そう思った瞬間
胸がドキドキと早くなる。
画面をスクロールすると
セッションの説明が続いていた。
Sさんが行う「Deep Touchセッション」では、
頭・心・体のねじれをほどき
内臓が抱え込んだ記憶や傷に
直接アプローチするという。
それは神との共同創造によって生まれた
特別なボディワークらしい。
読んでいるだけなのに
まるで自分の奥深くに手が差し伸べられるような
感覚があった。
気づけば、私は申込フォームに名前を打ち込んでいた。
Deep Touchセッション‥
一体どうなるんだろう?
都内のラグジュアリーホテル。
磨き上げられたエントランスを抜け
エレベーターに乗る。
数字が上がるごとに
期待と緊張が混ざり合って胸が高鳴った。
廊下を歩き、指定された部屋の前で深呼吸。
コンコン、とノックすると
数秒後――
「YU-RIさん、こんにちは」
扉の向こうでSさんが微笑んだ。
モデルのように美しく、所作まで洗練されている。
部屋に一歩入ると
ふわりとアロマの香りが漂った。
清潔なシーツのベッドに横たわると
Sさんが音楽を流し始める。
初めて聞く、不思議な曲。
懐かしいのに新しい。
安心感と、胸をざわつかせる感情が
同時に押し寄せてくる。
そのメロディーは、マリアトリニティの創始者・聡先生が作詞作曲し、自ら歌っているのだと聞いた。
やがて、Sさんの手が私のお腹に触れる。
ほんの少し痛みや抵抗があったが
指先から伝わる温かさに
体がゆっくり委ねていく。
セッション中の記憶は曖昧だ。
雲の上に浮かんでいるような、まどろみの中。
触れられているのに
境界がなくなって
自分の内側に溶け込んでくるような
不思議な感覚――。
そしてセッションの後にSさんから告げられた1言が
私の人生を変えたのだった。
続く。
